平成30年9月6日午前3時7分に北海道胆振地区を震源として、マグニチュード6.7の地震が発生しました。
2011年に発生した東日本大震災以来の大きな地震であり、数多くの被害が報告されているのです。
今回は、北海道胆振東部地震の概要から、発生した原因・メカニズムについて詳しく解説します。
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北海道胆振東部地震の概要
まずは、北海道胆振東部地震の詳しい状況について、表でまとめました。
発生日時 | 平成30年9月6日 午前3時7分 |
震源地 | 胆振地方中東部の深さ37km(暫定値) |
最大震度 | 北海道厚真町で震度7 |
マグニチュード | M6.7 |
死者数 | 42名 |
建物全壊 | 462棟 |
(出典:政府 地震調査研究推進本部)
(出典:内閣府 「平成30年北海道胆振東部地震に係る被害状況等について」)
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北海道胆振東部地震は逆断層のプレート内地震
北海道胆振東部地震を詳しく調査すると、地震が起きた際の断層の動きは東北東-西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型であり、地殻内で発生した地震ということがわかりました。
今回の地震の震源周辺には、石狩低地東緑断層帯が存在しており、1997年10月以降の活動を調べると、今回の地震の震源付近でM4.0程度以上の地震が時々発生しています。
日本で発生する地震は、主に「海溝型地震」と「活断層型地震」に分類されます。
海溝型地震は、陸側のプレートと海側のプレートの境界である海溝やトラフ付近で発生する地震のことです。
海溝型地震には、プレートの境界での断層運動により発生するプレート境界(プレート間)地震と海側のプレート内部での断層運動によって発生するプレート内地震があるのです。
2011年3月11に発生した、東日本大震災は海溝型地震に分類されます。
一方で、活断層型地震とは、陸側のプレート内部での断層運動により発生する地震です。深さが概ね30kmよりも浅い内部で発生するため、「地殻内地震」とも呼ばれているのです。
活断層で発生する地震だけでなく、地震動予測地図における「震源をあらかじめ特定しにくい地震」である活断層が認められていない陸域および沿岸域で発生する浅い地震も含まれます。
内陸型地震は一般的に海溝型地震と比較すると規模が小さいことが多いですが、震源が浅い場合には大きな被害をもたらすことになるのです。
過去に発生した内陸型地震では、阪神淡路大震災や新潟中越地震があり、人が住むエリアの真下で発生した場合には、甚大な被害をもたらしています。
今回取り上げている北海道胆振東部地震は、活断層型の地震に該当するのです。
一概に地震といっても、その発生のメカニズムには大きな違いがあることを覚えておきましょう。
(出典:地震調査研究推進本部事務局 公式サイト)
(出典:東北大学災害科学国際研究所 「平成30年北海道胆振東部地震と震源域の地下構造」)
大規模な土砂災害も発生
北海道胆振東部地震の影響によって、大規模な土砂災害も発生しています。
北海道厚真町周辺の山肌は、まるで爪を引っかいたような跡が散見され、見渡す限り山の斜面が崩れ落ち、家屋が飲み込まれました。
この地域では、地震前は緑一面の山間に住宅が点在していましたが、地震後には斜面から滑り落ちた土砂となぎ倒された木々が家々を押しつぶすように飲み込んだのです。
また、地震直前の1週間前の厚真町では、約30ミリの雨が降り地盤がゆるんでいた可能性も考えられます。
谷がたくさんの網の目のように入っているため、谷の両側の斜面は急斜面になっていることから、そのような場所がみんな崩れてしまうことが要因として挙げられています。
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震災は二次災害に注意!
震災の恐ろしさは、揺れだけではありません。震災後の「二次災害」にも注意が必要です。
1995年に発生した阪神淡路大震災では、地震の二次災害で発生した火災で、多くの命を落としています。
また、2011年3月11日に発生した東日本大震災においても、死者・行方不明者のほどんどが「津波」が原因だったのです。
生活に欠かせない電気・水道・ガスなどが停止することも考えなくてはいけません。
東日本大震災では、電気1週間、水道3週間、ガス5週間もの時間が復旧に掛かったと言われています。
過去の地震を振り返っても、被害が拡大しているのは一次災害ではなく二次災害であることが分かっているのです。
二次災害でどんな影響が出るかを知り、事前に対策を行いましょう。
(出典:内閣府防災情報のページ)
いつ来るかわらかない地震のために万全な準備が大切
今回は、北海道胆振東部地震の概要から発生した原因・発生メカニズムについて詳しく解説しました。
地震は、いつ来るか分からないために、常に万全な準備をしておくことが求められます。
日頃から情報収集をこまめに行い、地震に対してアンテナを張っておくことが大切です。