日本に住んでいれば、蛇口を捻れば浄化された水が使え、スーパーやコンビニへ行けば綺麗な水を購入することができます。
しかし、世界規模で見ると日本のように安全な水を使える環境はそれほど多くありません。
特に発展途上国が多いアフリカでは汚れた水を使わなければならず、不衛生な環境で生活しなければいけない人が多くいます。
これは内戦や紛争など様々な原因があり、汚れた水や不衛生な環境により命を落とす人も少なくありません。
ではどのようにすればこの水問題を解決できるのでしょうか。アフリカの水や衛生問題の現状、そして解決するための方法や支援活動について紹介します。
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アフリカの人々が使っている水の現状は?
アフリカをはじめ、世界の多くの場所で水に関する不衛生な環境が問題となっています。
2019年現在、世界では22億人が安全な水を確保できていないと言われ、42億人が安全に管理された衛生施設(トイレ)を使うことができていません。
安全な水を確保できないことは、様々な弊害を生みます。
やむを得ず不衛生で汚れた水を使うことしかできずに下痢症を発症し、毎日多くの子どもたちが命を落としています。
これは飲み水などに使用している水が飲用に適さない水源であり、その中には泥や細菌、動物の糞尿が混ざっているために、不衛生で飲料水として使うことさえ危険なのです。
(出典:ユニセフ(国連児童基金)と世界保健機関(WHO)による水と衛生に関する共同監査プログラム(JMP)「出典:Progress on drinking water, sanitation and hygiene: 2000-2017: Special focus on inequalities」,2019)
アフリカの多くの家庭では水汲みは子どもの役割
安全な水が手に入らない地域で暮らす人々は、生きるために不衛生な水でも飲まなければならず、水を得るために池や川、手入れのされていない井戸に水を汲みに行かなければなりません。
そして、水汲みの役割は子どもや女性に任されることが多いのです。
水はタンクに入れて持ち帰りますが、かなりの重さとなり子どもには重労働です。
家族の分を確保するため何度も往復しなければならず、水場までの距離が遠いほど時間を浪費することになります。
農村部では、1日に何時間も水汲みに費やしている子どももいます。
炎天下の中でこれを子どもが行うのですから、重労働であることも然ることながら、過酷な環境であることは明らかです。
(出典:ユニセフ(国連児童基金)と世界保健機関(WHO)による水と衛生に関する共同監査プログラム(JMP)「出典:Progress on drinking water, sanitation and hygiene: 2000-2017: Special focus on inequalities」,2019)
水汲みや家庭の手伝いのために教育が受けられない問題も
子どもが行うのは水汲みだけではありません。
家事の手伝いや兄弟の面倒を見たりと多くの時間を奪われ、 1日が終わってしまいます。
1日が終わってしまうと当然勉強をする時間を確保することができません。
水汲みや家事に時間を取られ、さらには農村部には学校がなく勉強するために長い距離を通学しなければいけない子もいます。
子どもたちは日々生きることが優先となり、学校へ行くことができなくなってしまうのです。
生きていくため、そして家族が生活するためとはいえ水汲みは子どもにとって大きな弊害となり、どれだけ本人が勉強したいと望んでも教育を受ける機会が損なわれてしまいます。
子どもたちが教育を受けられないことは、今だけの弊害に留まらず、将来的な問題にもつながります。
アフリカは貧困国が多く、その理由はアフリカの国々が独立してそれほど時間が経っていないことや内戦や紛争、腐敗政治などあらゆる理由があります。
なかでも重要な原因は、経済的格差が酷く国民の多くが日々生きていくことで精一杯の生活を強いられていることです。
貧困による経済格差は教育水準の低さにも問題があり、子どものころに教育を受けられなかった人々が、大人になっても貧困から抜け出せない状況に陥っています。
教育を受けられないことは、子どもたちの将来の様々な夢や希望を奪うだけでなく、貧困から逃れる術さえ失わせてしまうのです。
(出典:公益財団法人日本ユニセフ協会「水で奪われる子どもたちの未来」)
アフリカの人々が水で病気になる理由は?
アフリカの人々は汚れた水を使わなければならないため、常に命の危険に脅かされています。
不衛生な水を飲まなければいけないのは大人だけでなく、子どもも同様です。
特に乳幼児は抵抗力もないため、汚染された水を飲めば下痢症になってしまい、命を落とす子どもがあとを絶たないのです。
当然大人も下痢症になることは多いため、同じように脱水症状の危険に陥ります。
そのほか、汚れた水や不衛生な環境は、コレラや赤痢、A型肝炎、腸チフスなど様々な感染症の伝染を引き起こす原因にもなっています。
(出典:ユニセフ(国連児童基金)と世界保健機関(WHO)による水と衛生に関する共同監査プログラム(JMP)「出典:Progress on drinking water, sanitation and hygiene: 2000-2017: Special focus on inequalities」,2019)
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アフリカの水問題の解決策はあるのか?
アフリカの水に関する衛生問題を解決するためには、現在の水道環境を変えていくことにあります。
最も必要とされるのはインフラの整備であり、水道を引く事で大きな改善が見込めます。
しかし浄水施設を含む水道施設の建設には多額のお金もかかるため、その国の行政に動いてもらうほかありません。
それまでの簡易的な解決策として人々が住む場所、あるいはその近くに井戸を掘り、手押しポンプなどで汲み上げる場所を作る方法があります。
水が空気や細菌にさらされないように深い井戸になるため、これまでよりきれいな水を得ることができます。
これだけでも汚れた水で命の危険にさらされるリスクは減り、長時間かけて水汲みをする子どもの数を減らすことにつながります。
ただしこれには技術が必要であり、支援がなければ現地の人々だけではなかなか難しいことです。
(出典:独立行政法人国際協力機構JICA「水分野の途上国における課題」,2017)
実際にアフリカで行われている支援活動は?
このような井戸の建設、維持のために支援は欠かせません。支援を行う団体は寄付されたお金を利用して井戸を掘り、井戸の水を汲み上げるための手押しポンプ用の器材を送るといった活動をしています。
また、現地の人にそれらを管理してもらうため、管理方法や修理、部品交換など、管理人となる現地人の育成も支援活動として行われています。
給水設備がすぐに導入できない場所でも支援活動は行われています。問題は汚れた水を使うことにあるため、これらを安全な飲み水にする浄水剤を現地へ持ち込み、汲んできた水を浄化します。
これにより汲んできた水を無駄にすることなく、安心して使えるようにしています。
さらに下痢症による脱水症状に陥っている人には経口補水塩(ORS)を支給することで回復に向かわせるといった支援も同時に行われています。
アフリカの人々を救うために私たちができること
アフリカで支援を行う非営利団体の活動は寄付によって賄われており、私たちが寄付をすることで団体を通し、アフリカの人々を助けることができるのです。
寄付は500円や1,000円など、少額からでも可能です。
寄付の仕方や寄付したお金がどのように使われるかについても紹介します。
継続寄付
継続寄付とは毎月定額を寄付する方法です。寄付先にもよりますが、支払い方法はクレジットカードや口座振替、コンビニ支払いなど多様な方法から選ぶことができます。
金額についても少額から選ぶことができ、自分の寄付可能な金額に合わせて設定できます。
また、寄付金控除といわれる税制控除も受けられるため、負担になりにくいのも特徴です。
継続寄付は団体にとっても大きな支えとなるため、推奨されることが多い寄付方法になります。
都度寄付
毎月の寄付が厳しい場合、都度の寄付で1回ごとに寄付を行うこともできます。こちらも継続寄付と同じように金額を選べることがほとんどであるため、無理のない範囲での寄付が可能です。
また、こちらも税制控除の対象となるためよく調べてみるとよいでしょう。
私たちの寄付はどのように使われる?
私たちが寄付をすることで、どのようなことが可能になるのでしょうか。
先述した通り、簡易的なものでは浄水剤や経口補水塩(ORS)を物資として購入し持ち込むことができます。
また衛生面にも繋がる石鹸、洗剤をはじめとした衛生用品を支給したり、井戸の手押しポンプ用の設置に必要な機材や人材の育成などにあてられています。
アフリカの水問題に私たちができること
アフリカでは今も水問題に苦しみ、命を落とすような人も数多くいます。
衛生から教育まであらゆる問題に直結してしまうの原因の一つが「水」なのです。
私たちがわずかでも寄付などの活動に参加するだけで多くのアフリカの人々が救われます。
まずはアフリカの現状を知ることも支援の一歩につながるのではないでしょうか。
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