飢餓をゼロにするためには、持続可能な農業を促進することが求められています。
SDGs目標2では、「飢餓をゼロに」が掲げられており、ターゲットに「強靭(レジリエント)な農業」というものがあります。
飢餓と栄養不良をなくすためには、食糧生産を持続させることが必要です。
そしてその食糧生産を持続させるためには「強靭(レジリエント)な農業」が必要です。
この記事では、飢餓をゼロにするために必要となる「強靭(レジリエント)な農業」について説明します。
持続可能な開発目標・SDGsの目標2「飢餓をゼロに」のターゲットや現状は?
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SDGs目標達成のために持続可能な開発を目指す
SDGs(持続可能な開発目標)は、目標2で掲げる「飢餓をゼロに」の他にもあります。
SDGsは17の目標と169のターゲットから構成されており、2030年までに達成を目指す国際目標です。
開発途上国が中心であったMDGs(ミレニアム開発目標)とは違い、先進国も積極的に取り組むことがSDGsの特徴です。
MDG目標は8つあり、目標1は「極度の貧困と飢餓の撲滅」を目指していましたが、SGDsでは貧困と飢餓において目標1と目標2のそれぞれに分けています。
またSDGsは、目標達成を目指すと共に「誰一人取り残さない」ことを誓っています。
(出典:外務省「SDGsとは?」)
SDGs目標2「飢餓をゼロに」とは
飢餓をゼロにするために必要とされているのは下記の通りです。
- 「食糧の安定確保」
- 「栄養状態の改善」
- 「持続可能な農業を推進」
2018年時点で、世界人口の9人に1人(8億2,160万人)が飢餓というデータがあります。
アフリカではそのうちの3人に1人(2億5,610万人)が飢餓で苦しんでおり、5歳未満の子どもは、4,950万人が低体重となっています。
2030年までに飢餓とあらゆる栄養不良に終止符を打ち、持続可能な食料生産を達成するためには、農業の生産性を高めることが最優先です。
農場の生産性を高めるためには、「持続可能な農業を推進すること」と「生産者の所得を確保すること」が求められています。
SDGs目標2「飢餓をゼロに」のターゲットとは
SDGs目標2のターゲットは2.1~2.cまでの8つあります。
「強靭(レジリエント)な農業」についての記述は下記の通りです。
2.4 | 2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。 |
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他にも様々なターゲットを確認することにより、具体的にどのような行動をすべきかを認識することができます。
また、子どもたちや社会的に立場の弱い人々が食べ物に困らないよう、世界の農業を発展させることが重要です。
世界の農業を発展させるためには、「農業へ投資する」、「農家の生活と生産性を向上させる」ことが必要です。
(出典:農林水産省「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット」)
(出典:国連開発計画(UNDP)「目標2:飢餓をゼロに」)
(出典:Word Food Programme(WFP)世界の飢餓人口は3年連続で未だ減少せず,2018)
強靭(レジリエント)な農業とは
強靭(レジリエント)な農業とはSDGs目標2「飢餓をゼロに」のターゲットとなっているものです。
安定した農業を継続させることで飢餓をゼロにすることが実現できます。
その農業がすぐに壊れることのないようにするために、様々な対策が行われています。
ちなみに日本で行われている取り組みは下記の通りです。
- 地震対策
- 豪雨対策
- 津波対策
- 渇水対策
- 老朽化対策
- ソフト対策
以上の6つの対策を行うことで、様々な天候にも対応可能な強靭な農業を実現します。
特に近年は、自然災害が発生することが多くあります。
日頃から対策を行うことで被害を最小限にし、安定した作物供給が可能となるのです。
(出典:農林水産省「農業・農村の国土強靱化」)
強靭な農業による飢餓撲滅に向けて
強靭な農業を作り、飢餓を撲滅させるためには持続可能な食料生産システムを確保する必要があります。
持続可能な食料生産システム実現のためには、生産性向上及び、気候変動や災害に対する適応能力を向上させなくてはなりません。
そのために、小規模農家の所得や生産能力を向上させ、土地や技術の提供、市場へのアクセスをすることで安定した生産と供給を行えます。
開発途上国では、気候変動や異常気象が発生することにより被害が拡大し、対応することが難しい状況に陥ります。
強靭な農業に変化することで、例え災害が起きたとしても、持ち直すことができるようになります。
飢餓をなくすための今後の課題
環境破壊や干ばつにより、農業を行うことができずに飢餓で苦しんでいる人が多くいます。
現在行われている取り組みとしては、FAO(国連食糧農業機関)やWFP (国連世界食糧計画)、IFAD(国際農業開発基金)などがあります。
様々な機関と連携することにより、食料支援や栄養支援を行います。
他にも、最も飢餓が深刻な地域であるアフリカに対しては、CARD(アフリカ稲作振興のための共同体)により対応が為されています。
CARDにより、米の生産量を倍以上に増やすことに成功していますが、今後も生産量を増やして消費者のニーズに合わせた米を生産することが課題です。
アフリカでは国産米が消費者のニーズに合わず、農家は生産を拡大することができずにいます。
高品質な米を生産することは、需要の高い米を高価格で販売することへとつながります。
そして安定した高品質な食料を生産し継続させることが、農家の所得を向上させることになるのです。
飢餓問題を解決させるためには、安定した食料生産により農家の生活を向上させることが重要です。
農業を発展させることが、これからの飢餓をゼロにする重要な取り組みとして注目されています。
(出典:公益財団法人日本ユニセフ協会「世界の飢餓人口、8億2,000万人以上」,2019)
(出典:国連開発計画「目標2:飢餓をゼロに」)
強靭(レジリエント)な農業で世界中の人が安心できる食生活を
日本は多くの国に対して技術支援を行っています。
強靭な農業へと変貌することで、生産性の向上と適応能力が向上し、多くの人に食料が行き届きます。
まずは、世界の飢餓の現状を知ることで、私たちにできる取り組みが見つかります。
政府や関係機関の取り組みには参加できなくとも、飢餓問題に取り組んでいる団体に寄付をすることでも、安心した食生活をサポートすることは可能です。
増え続ける飢餓をなくすために、私たち一人ひとりが今できる行動を始めましょう。