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SDGs目標2の飢餓の解決に「持続可能な農業の実現」が重要な理由とは?

この記事を要約すると

世界では今、飢餓が深刻な問題となっています。飽食である日本や先進国とは違い、食糧が不足し、餓死する人も世界にはたくさんいます。

飢餓を解決するために様々な施策が立案され、実際に実施されているものもあります。
施策の中には農業の重要性が示唆され、持続可能な農業の実現が解決策であると考えられています。

なぜ、持続可能な農業の実現が重要なのか解説します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標2「飢餓をゼロに」のターゲットや現状は?

気候変動・異常気象により飢餓が深刻


持続可能な開発目標(SDGs)では、目標2に「飢餓をゼロに」を掲げています。

今、世界では貧困や紛争、環境破壊、干ばつ、生物多様性の喪失など様々な要因で2018年時点で53ヶ国の約1億1,300万人が食糧不足による急性栄養不良に陥っています。
特に農業で生活している人の割合が高い途上国では、気候変動や異常気象の影響を受けやすく、食糧不足に陥り、飢餓がより深刻になります。

また、5歳児未満のうち9,000万人以上が低体重の状態にあり、アフリカでは4人に1人が空腹を抱える現状が続いています。
このような状況を改善するため、ミレニアム開発目標(MDGs)からこの目標が定められ、取り組まれてきました。

それが2015年に採択されたSDGsに引き継がれ、食糧の安定確保と栄養状態の改善を目標として2030年までに飢餓に終止符を打つことをゴールと定め、各種対策が打ち出されています。

  • SDGs目標2「飢餓をゼロに」
  • 世界では約1億1,300万人が食糧不足による急性栄養不良の状況にある(2018年)
  • 飢餓には紛争や気候変動などが大きく影響している

(出典:世界食糧計画(国連WFP)「食料危機に関するグローバル報告書:1億人以上がいまだ急性の栄養不良に直面」,2018)
(出典:国連開発計画 駐日代表事務所(UNDP)「目標2: 飢餓をゼロに」,2015)
(出典:国連大学「貧困の方程式から飢餓を排除する」)

SDGsで目指す持続可能な農業とは


SDGsの飢餓の問題を解決するための対策として「持続可能な農業の実現」が打ち出されています。持続可能な農業とは、持続的に農業を行うことで安定した収穫ができることを意味します。

持続可能な農業の実現には、小規模な農家の生活と生産能力を向上させることや、土地や技術、市場へのアクセスを与えることで収穫した作物を収入に変えられるようにする必要があります。
また先進国を中心とした国際協力により、食糧の運輸が可能となるインフラと農業や食糧の保存技術への投資を確保しつつ、途上国の農業生産性を改善する必要があります。

このような取り組みにより、天候などにも左右されにくく、安定して持続した生産・収穫が行える「持続可能な農業」の実現を目指しているのです。

  • SDGsの目標を達成するためには「持続可能な農業の実現」が必要
  • 持続可能な農業とは、持続的に農業を行うことで安定した収穫ができること
  • そのためにはインフラと技術への投資を確保しつつ、途上国の農業生産性を改善する必要がある

(出典:国連開発計画 駐日代表事務所(UNDP)「目標2: 飢餓をゼロに」,2015)

農業を取り巻く課題や現状

農業を取り巻く課題は非常に深刻です。農業は気候変動や異常気象の影響を受けやすく、その影響も国や地域によって異なります。

また途上国に至っては、灌漑技術がないことや農作業を行うためのインフラが整っていないため、農作物を作るのにも非常に労力が必要であり、収穫しても届けられない、収入にならない問題があります。

他にもグローバル化による急速な進展、所得の向上による食の嗜好の変化、食糧価格の高騰などの煽りを受け、途上国の農家を取り巻く環境も変化しています。
このような現状が農家の収入をさらに減らし、貧困から抜け出せない状況が続いているのです。
開発途上国の人口の過半数が農業従事者であり、貧困層の4分の3が農村部に居住していることから、これらの影響を大きく受ける状況にあるのです。

つまり持続可能な農業をいち早く実現しなければ、飢餓はもちろんのこと貧困からの脱却すらできないと言うことです。
途上国の多くが農業に頼らざるを得ない現状では、これは非常に重大かつ深刻な問題となっていることが分かります。

  • 農業は気候変動や異常気象の影響を受けやすい
  • 開発途上国の人口の過半数が農業従事者であり、貧困層の4分の3が農村部に居住しているため多くの人が貧困に陥る
  • 特に途上国では灌漑技術がないことや農作業を運ぶインフラが整っていないことが課題

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA「農業開発/農村開発」,2018)

途上国で持続可能な農業を実現するために日本が行っている取り組み


途上国で深刻な状況に陥っている農業を持続可能な農業に転換するために、日本では様々な取り組みを行っています。

日本は弥生時代以降、千何百年にも渡って米を生産し続けてきました。それだけでなく、様々な作物を生産し、その技術と経験を蓄積しています。
その技術を途上国で行われている農業に転用し、生産性や集積性の向上に結びつくような支援体制の強化を行ってきました。

また食文化や気象条件の共通性があるアジアでは、日本農業の最重要品目である米を中心として、灌漑農業を支援することで拡大し、成果をあげています。
さらに農業の近代化に伴う品種改良がなされた優良品種の普及や、適正な肥料の有効活用の方法といった集約的農業のアプローチと、安定多収型の生産技術の開発にも力を注いでいます。

他にも人力だけではできない大量生産をするために、農地の整備や機械化することで労働生産性を向上し、灌漑整備や住民による維持管理などの技術改善においても日本の農業技術が提供されています。

このような支援、取り組みを行うことで、持続可能な食糧生産システムを確保し、強靭な農業の実現を目指しているのです。
(出典:独立行政法人 国際協力機構「ゴール2の達成に向けたJICAの取組方針」)

適切な食料を安定的に入手するための取り組み

適切な食糧をより安定的に入手するため、気象災害による影響を緩和し、自然資源や生態系を保持しつつ、持続可能な農業を展開することを目指しています
そのため自然災害に強い営農体系を構築する必要があり、水資源アクセスの改善や天然資源の効率的かつ持続的な利用、節水栽培や地力の回復向上などを図る営農改善などを行っています。
また、自然災害が起きたときに速やかに回復を果たすための支援も行っています。
その中には民間事業者と連携した農業インデックス保険の開発と普及、被害を受けた農業インフラの回復支援、消費者活動との連携によるコミュニティ強化、収入源の多角化によるリスク軽減などが挙げられます。

  • 日本は生産性や集積性向上のために支援体制の強化させる支援を実施
  • さらに気象災害による影響を緩和し、自然資源や生態系を保持できる農業を目指す
  • そのためにも営農改善や農業インフラに関する支援なども必要

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA(「ゴール2の達成に向けたJICAの取組方針」)

飢餓の背景にある途上国の農業の課題について知ろう


飢餓の背景には、貧困だけでなく、その国が置かれている農業の課題が大きく影響しています。

収入の多くは農業であることから、これが立ち行かなくなれば貧困となり、食糧が得られなくなるケースもあるのです。

また農業そのものが食糧生産の根幹となるため、気象変動や異常気象で凶作となれば、食糧不足に陥り、飢餓が起こります。

つまり飢餓と農業は非常に密接な関係を持っており、持続可能な農業の実現が飢餓をゼロにするためには必要不可欠なのです。

途上国の農業の課題は多様であり、すぐに解決できるものばかりではありません。しかしそのままにしておけば、飢餓で苦しむ人はさらに増えることにもなりかねません。 
まずはこの途上国の農業問題についてより深く知ることが大切だと言えるのではないでしょうか。

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