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SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」で解決するべき問題と現状とは

この記事を要約すると

SDGs(持続可能な開発目標)は2015年9月の国連サミットで採決された2030年に向けての国際目標17項目のことです。

いま地球上に住む私たちに突き付けられている問題は、増加の一途にある人口を支える資源を、いかにより無駄の少ないより有効な形でつくり出し、より多くの人に公平に行き渡らせていくかにあります。

資源を生産する側、その資源を使っている消費側の双方の現状を追いながら、将来に向け最も持続可能で目的に合致した生産・消費の形態をつくり上げるための様々な課題について、ここで取り上げていきます。

持続可能な開発目標・SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲットや現状は?

SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」が目指す世界


世界の人口は2019年現在の77億人から、2030年には85億人、2050年には97億人に達すると予測されています。この状況から心配されるのは、世界の人々の暮らしを支える資源に限界があるという事実です。

したがって、資源をつくり出していく生産者には、より質が高く、より多くの資源の開発に努力する、いわゆる「つくる責任」が望まれます。
一方で、地球環境への配慮から生産するプロセスでは廃棄物の発生は最小限に抑制する方法を見つけだしていく必要があります。

また、つくる側の責任として付け加えたいのは、消費側に提供した後のリサイクルやリユースで協力してもらう“呼び掛け”姿勢も大切なポイントになります。
この協力への喚起には、政・官界、メディアを含む国を挙げての体制づくりを目指すことが望まれます。

一方、資源を消費する側の、いわゆる「つかう責任」は、提供された資源を最大限に活用することが望まれます。
消費する側での膨大な資源ロスなどが指摘されますが、ムダ撲滅への不断の努力が必要となるでしょう。

そして生産・消費を結ぶ形がスムーズに循環型にシフトしていくと、持続可能なSDGs目標達成に大きく近づくことになります。

(出典:国際連合広報センター公式サイト)

世界の現状と課題


SDGsで定められているの目標12「つくる責任つかう責任」を達成するために、解決するべき課題と現状について解説します。

食品ロス(フードロス)

日本全国で排出される食品廃棄物は年間約1700万トンとされています。
このうち約半分強を調理くずが占めますが、食べ残しなどの食品ロスは約3~4割にあたる年間500~800万トンと試算されています。
世界でも先進国を中心に同じような事情にあり、生産される食品の約3分の1が廃棄されているのが実態です。

もっとも食品ロスは途上国と先進国では、発生の仕方がそれぞれ異なります。

途上国では消費者に届く前段階の生産や輸送の際に発生するのが約4割と、高い割合を占めているのが特徴です。
冷蔵設備や輸送体制などの未整備という理由からですが、このハードルは今後のインフラ、ロジスティクスの近代化で急ピッチに解決されていくと思われます。

この状況に対して先進国(欧米、東アジア諸国など)では、消費者の多様なライフスタイルや嗜好に対応するあまり、必要以上の食品が供給されていることに原因があると推察されます。
つまり食品ロスは販売や消費の段階での発生が約40%を占めています。

(出典:消費者庁公式サイト)
(出典:国際開発センター公式サイト)

 

廃棄物リサイクル

日本では21世紀以降、循環型基本計画の中で最終処分量の目標値を定め、焼却やリサイクルによる処分を推進した結果、ごみの総排出量は2000年をピークに継続的に減少しつつあります
2016年現在の産業廃棄物は1.7億トン、一般廃棄物も3,100万トンと双方で約2億トンとなっています。

排出量の減少とともに、リサイクル率は年々上昇を続けていますが、日本の2016年のリサイクル率は20.3%と、他の先進諸国と比べるとまだ大きく下回っているのが現状です。
ちなみにEU加盟国の一般廃棄物の処理状況は、2014年度で28.0%と日本とは10%程度の差があります。

ちなみに先進国の廃棄物は主として自治体によって収集・処理されるので、統計は取り易いですが、途上国の廃棄物リサイクルの場合、廃棄物の中から“有価物探し”をする個人業者がからんでいるため、実態が把握しづらく、正確なリサイクル率は分かっておりません。

(出典:環境省廃棄物リサイクル対策室公式サイト)
(出典:欧州委員会統計局発表資料,2014)

現状の生産・消費を続けると地球が足りない


私たちは近代における文明の高度化によって、様々な形で地球環境に“負荷”を掛けています。その因子としては、森林樹木の過剰な伐採、海洋資源の過剰な乱獲、温暖化の原因となる二酸化酸素の大量の排出など、いわば様々な地球に対する圧力が挙げられるのですが、その負荷の大きさを測る指標をエコロジカル・フットプリント(EF)といいます。

EF指標は地球への負荷の大きさ、いわゆる“地球の使いすぎ”によって引き起こされた世界の変化に対し、様々なデータをもとに計算し分かりやすい数値で示しています。

「もし世界がその国と同様の生活をしたら、地球は何個分必要か」の設問のもとに計算されているものです。

EFの数値は2014年時点で米国(USA)5.0、日本2.8、中国2.2、インド0.7…となっており、世界を平均すると1.7の数値です。
もし全人類が米国の平均的な市民と同レベルのライフスタイルで生活すると、地球5個分の生産力(資源の供給量)が必要になることを示しています。

数値は各国様々ですが、世界の平均値1.7というのは、すでに1.7個分の地球を必要としているということを示すものです。
この数値は、今の人類が地球資源を求めすぎていることを意味しております。全くの猶予も持てません。

(出典:WWF(世界自然保護基金)ジャパン「生きている地球レポート」)

身近なことから行動に移そう!


地球に負荷をかけすぎている現状に対し、私たち一人ひとりが意識し行動に移すことが重要です。そのために、身近なところから始められることを紹介します。

食べられる量だけ買う

まだ食べられるのに、ゴミとして捨てられる食品ロスの問題が深刻です。
環境省の2016年推計値によると、日本では643万トンの食べ物が廃棄され、そのうち45%に当たる291万トンが一般家庭から捨てられたものでした。

SDGsの2030アジェンダに記載されたターゲットの中で、「2030年までに世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させる」目標が盛り込まれており、私たちにできるごく身近なことから率先して行動を起こす心掛けなければなりません。

そのためにもまず、食品を購入する際には、食べきれる量を予め決めて買うことにしましょう。

賞味期限、消費期限を把握しておく一方、安売りの買い過ぎなどのないよう気を付けることも大切です。
「買い過ぎない」「作りすぎない」「食べ切ろう」という気持ちを日常的に持つと良いでしょう。

3Rを意識して生活する

廃棄物処理やリサイクル推進のために2000年に制定された「循環型社会形成基本法」の中では、環境に優しい循環型の経済システムづくりを基本的な考え方として3R(リデュース、リユース、リサイクル)を前面に立てて強調しています。

3Rはリデュース(ゴミを出さない)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の順に廃棄物処理に対応するように組み立てているのが特徴です。
そのため無駄なものは買わない、できるだけゴミは出さない、いったん買ったものは長く使うことを意識してみてはいかがでしょうか。

まずはできることから始めてみよう


私たちが地球の環境問題に対応しようとするとき、難しく考えるのではなく、自分にできる日常レベルのことからまず始めてみることが大切です。

何かモノを買うとき、「これは本当に必要だろうか。他で代用できないか」と考えることがリデュースの原点です。また一度きりで使い捨てるものでなく、何度でも繰り返し長く使えるものを選択するのも3R運動に貢献することになります。

買い物では、マイバッグの持参によってレジ袋は不要になります。1枚のレジ袋で減らせる石油はわずかですが、小さな環境浄化の一歩につながるのではないでしょうか。そのような意識で見ると、身の回りに環境にプラスする意外と多くの事柄に気が付くものです。

まずは普段の日常で行動に移せることを探してみてはいかがでしょうか。
(出典:環境省公式サイト)

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