ひとり親

ひとり親家庭に支給される手当や支援制度とは?

離婚や死別などによってひとり親となると、家事や子育て、仕事の両立は大きな負担となります。
また、就業条件などによっては正規雇用などで雇ってもらえず、収入が少ないことから貧困に陥る家庭も少なくありません。

そのような困窮するひとり親家庭を助けるため、政府では様々な施策を行っています。
この記事ではひとり親家庭に支給される手当や支援制度について紹介します。

ひとり親家庭が抱える問題とは?どんな手当や支援があるのか見てみよう

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困窮するひとり親家庭

自分が住んでいる町に、あるいは近所にひとり親世帯を見かけることはないでしょうか。
下記では国勢調査のデータに触れながら解説していきます。

ひとり親世帯の増減推移

下記は1990年(平成2年)から2015年(平成27年)までの国勢調査による世帯数です。

区分東京都全国
母子世帯父子世帯一般世帯母子世帯父子世帯一般世帯
世帯数一般世帯に占める割合(%)世帯数一般世帯に占める割合(%)世帯数世帯数一般世帯に占める割合(%)世帯数一般世帯に占める割合(%)世帯数
平成2年53,3041.149,6840.214,693,621551,9771.36101,7050.2540,670,475
平成7年50,5771.028,0280.164,052,354529,6311.2188,0810.2043,899,923
平成12年59,7541.118,1040.155,371,057625,9041.3487,3730.1946,782,383
平成17年65,6931.148,3990.155,747,460749,0481.3592,2850.1949,062,530
平成22年58,7060.927,1080.116,382,049755,9721.4688,6890.1751,842,307
平成27年60,8480.916,2110.096,690,934754,7241.4284,0030.1653,331,797

※母子(父子)世帯とは、未婚、死別又は離別の女親(男親)とその未婚の20歳未満の子どものみから成る世帯

現在日本には、多くのひとり親家庭が存在しています。2015年(平成27年)に行われた国勢調査によれば、一般家庭が5,300万世帯以上ありましたが、そのうち母子家庭がおよそ75万世帯(1.42%)、父子家庭がおよそ8.4万世帯(0.16%)を占めています。
割合としてはひとり親家庭でまとめても2%にも満たない数ですが、世帯数で考えれば80万世帯以上が存在し、母子家庭が圧倒的に多いことが分かります。

これはひとり親家庭になった理由にも関わりますが、多くの場合、ひとり親家庭になるのは離婚が原因となっています。

厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」のデータを見てみると、母子家庭で79.5%、父子家庭で75.6%が離婚によってひとり親になっています。続いて母子家庭は未婚(8.7%)、死別(8.0%)となり、父子家庭では死別(19.0%)、その他(3.0%)の割合となっています。
離婚した際、親権をどちらが持つかということが離婚調停で取り決められますが、母親が持つことがほとんどであることから、母子家庭の世帯数が父子家庭の世帯数より多くなる要因にもなっています。

しかし、ひとり親となると母子家庭であれ父子家庭であれ、家のことを1人で切り盛りしなければいけなくなるケースが多いです。
実家に戻ることができれば、両親に助けを得られるかもしれませんが、そうでない場合、収入はもとより家事や子育てもすべて1人で行わなければいけません。

さらに、現代は世帯収入をふたり親の共働きで賄う家庭も多いことから、ひとり親の世帯収入だけでは困窮する事態も少なくありません。

世帯収入の比較

2019年に労働政策研究・研修機構から発表された調査によれば、※1相対的貧困率を見たとき、※2ディープ・プアにあたるのは、ふたり親家庭で0.5%なのに対して、母子家庭が13.3%、父子家庭が8.6%にもなることが分かっています。

また貧困率で見ると、母子家庭が51.4%、父子家庭で22.9%になることが分かっており、ひとり親家庭の多くの世帯が、特に母子家庭の半数以上が貧困であることを示しています。

これは世帯主となるひとり親の収入が大きく影響しています。
母子家庭と父子家庭、そしてふたり親家庭の平均年収を比べた場合、2018年のデータでは母子家庭が299万円、父子家庭が623.5万円、ふたり親家庭が734.7万円と母子家庭の平均年収が明らかに低いことが分かります。
父子家庭はふたり親家庭に近い平均値となっていますが、それでも110万近く違いがあります。

また中央値で見たときに、母子家庭は250万円、父子家庭が400万円、ふたり親家庭が665万円となっています。
この2つのデータから、母子家庭の多くは年収250万円前後で生活している世帯が多いと考えられます。
さらに父子家庭では年収が高い世帯がある反面、400万円以下の家庭も一定数存在しており、母子家庭同様に低い年収で生活している世帯もある可能性が伺えます。
つまり母子家庭はもとより、父子家庭でも苦しい貧困状態の中で生活していると考えられています。

※1 相対的貧困率:厚生労働省では※3等価可処分所得の貧困線というものを定めており、その貧困線を下回る世帯員の割合を表したもの。

※2 ディープ・プア:相対的貧困率において、貧困線の50%以下という深刻な貧困に陥っている世帯。

※3 等価可処分所得:世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得。

  • 離婚の際、母親が親権を持つことがほとんどであることから、母子家庭の世帯数が父子家庭の世帯数より多くなる
  • ひとり親家庭の多くの世帯、特に母子家庭の半数以上が貧困
  • 2018年のデータでは母子家庭が299万円、父子家庭が623.5万円、ふたり親家庭が734.7万円
  • (出典:東京都福祉保健局「直近の調査に基づくひとり親家庭の現状」,2019)

    (出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親家庭等調査結果の概要について」,2016)

    (出典:労働政策研究・研修機構「母子家庭の貧困率は5割超え、13%が「ディープ・プア」世帯」,2018)

    ひとり親家庭に差し伸べられる手当や支援

    困窮するひとり親家庭に対して、手当や支援制度といった救済措置が政府によって行われています。
    手当については児童手当と児童扶養手当、特別児童扶養手当、児童育成手当などがあり、支援制度についてはひとり親家庭が受けられるものが多く、子育て・生活支援、就業支援、養育費確保支援、経済支援の4つに分けて実施されています。

    また地方自治体では医療費助成制度やこども医療費助成、住宅手当、障害児福祉手当を受けることもできます。
    これらの児童扶養手当などは支援の中の1つに含まれているため、支援と手当について下記でまとめて紹介します。

    ひとり親家庭に向けた自立支援制度や手当

    ひとり親家庭に向けた自立支援制度は、先ほども触れたように「子育て・生活支援」「就業支援」「養育費確保支援」「経済的支援」の4本柱によって施策を推進しています。

    子育て・生活支援については母子・父子自立支援員による相談支援や、ヘルパーの派遣、保育所などの優先入所、子どもの生活・学習支援事業などによる子どもへの支援、母子生活支援施設の機能拡充などが行われています。
    全体的にはひとり親家庭が置かれる子どもについての問題を改善できるように行われる支援がこちらです。

    就業支援は母子または父子の自立支援プログラムの策定やハローワークなどの連携による就業支援の推進が行われています。
    また母子家庭など就業・自立支援センター事業の推進や、能力開発などの給付金の支給もこちらの支援事業になります。

    ひとり親、特に母子家庭にとって生活費を賄うために必要となる養育費の取り決めなどが、実際には行われていないことが多く、取り決めをしていてもちゃんと受け取れない家庭も少なくありません。
    そのため養育費確保支援として養育費相談支援センターや養育費の手引きやリーフレットの配布などによる支援が行われています。

    さらに児童扶養手当の支給、母子父子寡婦福祉資金の貸付、就職のための技能習得や児童の就学など12種類の福祉資金を貸付するのが経済的支援です。

    国の制度によって支給される手当は、経済支援による児童扶養手当や特別児童扶養手当、児童育成手当、児童手当があります。
    このうち児童手当はひとり親家庭に関わらず、子どものいる世帯に対して所得などの条件が該当すれば受けられる給付金なので、ひとり親家庭用の手当ではありません。
    ただ、ひとり親家庭であれば、この手当の条件に該当することがほとんどなので、ひとり親家庭が利用できる手当の1つとなります。

  • 制度に関しては「子育て・生活支援」「就業支援」「養育費確保支援」「経済支援」の4つに分けて実施されている
  • 経済的支援として12種類の福祉資金を貸付している
  • 児童手当はひとり親家庭に関わらず、子どものいる世帯に対して所得などの条件が該当すれば受けられる給付金
  • (出典:内閣府「児童手当制度の概要」,2019)

    (出典:厚生労働省「ひとり親家庭等の支援について」)

    ひとり親家庭にとって支援制度や手当は必須

    ひとり親家庭、特に母子家庭において多くの世帯では貧困状態に陥っています。
    ひとり親になると家事や子育てと両立して仕事を行わなければいけません。
    そのため、正規雇用を受けることが難しく、パートやアルバイトなどで生計を立てていることから、収入や社会保障が少ない、あるいはないという家庭もあります。

    このようなことから、政府主導の支援制度や手当は生命線となることもあり、重要であることは確かです。
    ひとり親家庭になった場合は、受けられる支援や手当は積極的に利用していくことをおすすめしますが、それでもすべての問題を解決できるわけではありません。
    日常生活において、支援や手当だけではどうにもならない問題も存在します。
    そのような問題に対して支援できるのは、政府や各自治体ではなく、周囲に住む私たちである可能性もあります。

    小さなことからでも積み重なれば、ひとり親家庭にとって生活しやすい環境を作ることもできるかもしれません。
    ひとり親家庭の問題や支援制度などについて知り、その上でできそうなことから取り組んでいくことが重要です。

    年間約50万人が参加、
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