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海洋プラスチックごみを削減するために日本が行っている取り組みは?

この記事を要約すると

現在、海洋プラスチックごみが世界中の海で確認され問題視されています。
これらは海洋環境の汚染や生態系への影響、そして私たちの体や産業への影響も懸念されているのです。

これらの問題を受け、海洋資源を利用する国々を中心として様々な削減対策がなされていますが、海に囲まれた日本でも同様に様々な施策を行っています。
日本が行っている海洋プラスチックごみ削減のための取り組みはどのようなものがあるのかを紹介します。

海洋プラスチックごみ問題とは?日本や海外の取り組み、私たちができることを解説

日本が排出するプラスチックごみの量は?


プラスチックは軽量で形状を変化させやすく丈夫であることから、私たちの暮らしの様々な場面で使用されています。

しかし、使いやすく大量生産もしやすい商品に関しては廃棄される量も多くなっていきます。そのため国内の一人当たりの使い捨てプラスチックゴごみの発生量を見てみると、208年時点で世界で2位という報告が国連環境計画の報告書で発表されました。

また、プラスチックごみの総量でいえば日本は世界5位です。

(出典:国連環境計画(UNEP)報告書「シングルユースプラスチック,2018」)

日本政府の取り組み


政府でも海洋プラスチックごみに対して様々な取り組みをすべく議論を重ね、その計画を立てています。
政府は基本的に取り組みの舵取りをすることが第一にあるため、まずは目標達成までの計画を立てることから始まります。
その上で施策を立案し、実施していくことが取り組みの大枠となっていきます。

第4次循環型社会形成推進基本計画

政府の取り組みを行う上で2013年に環境省によって作られたのが、「循環型社会形成推進基本計画」です。
第四次まで進められているこの計画は、循環型社会形成推進基本法に基づいて、循環型社会を作り上げていくための施策を総合的に、そして計画的に推進するための基本計画になります。

第四次計画ではその方向性として3つの項目が新たに挙げられました。

  • 地域循環共生圏形成による地域活性化
  • ライフサイクル全体での徹底的な資源循環
  • 適正処理の更なる推進と環境再生

このうちのライフサイクル全体での徹底的な資源循環では、必要なモノ・サービスを、必要な人に、必要なときに、必要なだけ提供するという取り組みが行われています。

これは過剰な供給などを行わないことを徹底しており、便利で大量に生産されるプラスチックも徹底した管理のもと資源循環を推進するという取り組みを行う方針です。

また適正な処理の更なる推進と環境再生のなかには安定的・効率的な処理体制の確立はもちろんのこと、環境再生のためにマイクロプラスチックを含む海洋ごみ対策への取り組みも盛り込まれています。

(出典:環境省公式サイト)

海洋プラスチックごみ対策アクションプラン

海洋プラスチックごみ対策アクションプランというものも政府で策定されています。

これはプラスチックの有効利用を前提としつつ、海洋の新たな汚染を生み出さないための取り組みを徹底していくと言うプランです。

具体的にはプラスチックごみの回収から適正処理を徹底するとともに、ポイ捨てや不法投棄、非意図的な海洋流出の防止を進めていくことや、既に流出してしまったプラスチックごみの回収にも取り組む方針です。

それだけでなく、先述したような海洋に流出しても影響や負担が少ない素材の開発や、その素材への転換などを推進していく取り組みも進められています。

(出典:環境省公式サイト)

教育機関・行政の取り組み


プラスチックごみへの取り組みは、企業だけでなく自治体などの行政や教育機関でも取り組まれています。どのような取り組みが行われているか、いくつかの例をご紹介します。

釣り糸等に応用できる生分解性高強度繊維を開発

東京にある大学では海洋プラスチックごみの中でも生物への影響が出やすい釣り糸などに応用できる新しい素材となる生分解性高強度繊維を開発しました。

これは微生物が生合成する生分解性バイオポリエステルを使ったものであり、従来のポリエチレンやポリエステルに匹敵する強度を持っています。

しかし生分解性を持っているため、土や海の中では微生物などに分解されることから、環境への負担も少ない素材として製品への応用が期待されています。

(出典:環境省公式サイト)

行政と漁業者とが連携した海洋ごみ回収・処理システムの構築

海に面している香川県では民間と行政が協力して海洋ごみの回収から処理システムまでを構築しています。

海に漂流しているごみは環境美化のために造られた海面清掃船が行い、海中のごみは漁業での底引き網などにかかったものを漁業者が持ち帰ることで回収します。

これを漁協で保管して、後日行政が回収し運搬、そして行政が処理費用を負担する形で処分される仕組みを作り上げています。

(出典:環境省公式サイト)

マイクロプラスチックの自動計測手法の開発

海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、マイクロプラスチック問題への取り組みとして、ハイパースペクトルカメラを利用した海洋マイクロプラスチックを準自動で分析しています。

これにより海洋中に存在するマイクロプラスチックを半自動的に短時間で検出し、データベースの構築と運用を行って、各分野での研究に活用しています。

(出典:環境省公式サイト)

プラスチックごみに対する日本企業の取り組み


日本ではプラスチックごみに対して様々な対策が打ち出されています。それは政府だけでなく、企業による取り組みも含まれます。
プラスチックを取り扱う多くの企業が、プラスチックごみへの取り組みを行っています。具体的な取り組みをいくつかご紹介していきます。

植物由来の生分解性プラスチック製品を展開

大手総合科学メーカーでは、自社で開発した植物由来の生分解性プラスチックを用いた製品を作っています。

この製品は自然界において微生物により水と二酸化炭素に分解されるため、環境への負担が少ないと言われています。また従来のプラスチック同様に容易に加工できるため代替としての役割が期待されています。

(出典:環境省公式サイト)

“ラベルレス”のミネラルウォーター

大手飲料会社ではプラスチックの使用を少なくするため、商品ボトルのラベルをつけない「ラベルレス」シリーズを作る取り組みをしています。

商品がわかる最低限の表示だけを行い、これまでボトルに巻いていたラベルをなくす試みです。

これによってラベルに使用するプラスチックを減らすだけでなく、分別時に手間だったラベルを剥がすと言う不便さもなくなったため、リサイクルの際に分別しやすくなりました。

(出典:環境省公式サイト)

卸売市場でのEPS(発泡スチロール)製鮮魚箱・農産箱のリサイクル

発泡スチロールの普及や調査・研究を行う機関では、卸売市場でのEPS製鮮魚箱や農業箱のリサイクルを呼びかけています。

ただ呼びかけるだけでなく、卸売市場に減容機などのリサイクル設備を設置し、効率的なリサイクルを行えるよう取り組んでいます。

EPS製の箱はごみになることも多く、破砕されくマイクロプラスチックになる可能性も高いため、リサイクルによる対応は重要な取り組みと言えます。

(出典:環境省公式サイト)

私たちもできることから始めよう!


このように政府をはじめ、行政や研究機関、企業などが海洋ごみによる汚染や生態系への影響を抑える努力をしています。

海は全世界共通の資源であり、海洋汚染は私たちの生活にも大きな影響を与えるため守るべき存在の1つです。

プラスチックによる海洋汚染への対策は、政府や企業の取り組みは不可欠ですが、消費者であり私たちも取り組んでいくべき課題となっています。

プラスチックの利用は私たちの意識次第で削減も、循環もできます。
まずはこの問題についてしっかりと把握し、私たちにできることを考え動き始めていくことが問題解決の第一歩になります。

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