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海洋汚染の現状は?必要な対策や私たちができることとは

私たちが生活していく中でなくてはならないのが海です。水産物を得ることや地球の環境を整える役割など、海がなければ私たちが安心して生活できる環境はありえません。

しかし現在、海洋環境は汚染により危機的な状況に陥っています。
海洋汚染はどのような現状になっているのか、必要な対策や私たちにできることは何なのか、この記事で紹介します。

海洋汚染とは?原因や環境への影響、現状について解説!

海洋汚染の現状とは


海洋汚染は現在、世界で取り上げられるほど重要かつ深刻な問題になっています。
その原因は様々ですが、特に問題視されているのが海洋ごみによる汚染です。このまま海洋ごみが増え続けると、2050年には海洋に住む魚などの生物よりもごみの方が多くなると懸念されています。

他にも不法投棄によるごみや海に流出する油、化学物質、排水などが海洋汚染を引き起こし、海洋生物が住みづらい環境を作っています。

また海洋ごみを体内に取り込むことで大量に死んでしまう生物も少なくありません。産卵にも影響するため、個体数を減らす原因にもなっています。

さらに、海洋汚染の影響は私たちの生活にも影響を与えます。

海洋生物が減少するということは、生態系のバランスが崩れることにより、これまで獲ってきた水産物の数が減少します。その結果、購入できる水産物の数が減る、または価格が高騰します。

そうなると私たちが食事の中で取り入れる水産物が減るばかりか、漁業者も衰退することにつながります。漁業者が海洋環境を整える役割もあるため、さらに海洋汚染が悪化する可能性もあります。

実際に漁獲量の減少により廃業しなければならなくなった漁業者もいます。海洋汚染が進むと負のスパイラルが起こってしまう可能性があります。

  • 環境汚染で特に問題となっているのは海洋ごみ
  • 海洋ごみがこのまま増え続けると、2050年には海洋生物よりもごみの方が多くなると懸念されている
  • 海洋汚染は、海の生態系のバランスを崩し私たちの生活に大きな影響を与えている

(出典:環境省「海洋プラスチックごみ問題について」)

(出典:海上保安庁「平成30年の海洋汚染の現状について」)

海洋ごみとは


海洋ごみは海洋汚染の原因として世界でも問題視されています。
海洋ごみは私たちの生活から出たごみが風に飛ばされるなどして川に流れ込み、その川がごみを運んで、海へと流出して海洋を漂うものを指します。
海洋ごみは様々なものを含みます。

ポイ捨てしたものや不注意で川などに落としたものなど多種多様ですが、その中でも川の流れに乗り海に流されるような軽いものが海洋ごみとなります。

そして、海洋ごみの中でも最も多いのがプラスチック製品です。プラスチックは大小様々ですが、どれも軽く分解されることがないため、海まで流れ着き、海洋を漂うことになってしまいます。

特にプラスチックごみが深刻な問題を引き起こす

2016年に計測・推計された日本の海岸に流れ着くプラスチックを含むごみの総量は31~58万トンと言われています。日本だけでもこれだけのごみが近海に浮遊していることから、世界の海洋ごみはさらに多いと推測できます。

2019年時点では海洋生物はおよそ700種類に及び、そのうちウミガメが52%と海鳥の90%以上が、プラスチック片を含む海洋ごみを摂取しているというデータもあります。

もう1つ深刻なのが直径5mm以下のマイクロプラスチックと呼ばれるプラスチックごみです。これも海洋プラスチックごみですが、歯磨き粉などに含まれるスクラブ剤(細かい粒子状の研磨剤のこと)の原料であり、目には見えないほどの大きさです。

他にもペットボトルなどが、細かなプラスチック片になるケースもあります。細かい粒子として北極海や南極海を含む広い範囲で観測されており、日本近海にも広く浮遊しています。

マイクロプラスチックも海洋生物に取り込まれますが、現在では、直接的な影響は見られません。ただまだ研究段階であることや、環境汚染には大きく関連しているため看過できない問題です。

  • 海洋ごみの中で最も多いのはプラスチック製品
  • ウミガメや海鳥、イルカなどの多くの海洋生物がプラスチック片を摂取している
  • 直径5mm以下のマイクロプラスチックも問題となっている

(出典:環境省「海洋ごみの現状(平成28年度調査結果)について」,2016)

 (出典:日本財団 海と日本PROJEXT in ふくしま 「海洋プラスチックごみ、その厳しい汚染の現実」 ) 

油の流出や工場からの排水も問題


油の流出も海洋汚染の原因のひとつです。タンカーの座礁事故や船舶からの流出が主な要因になります。

2018年の海洋汚染のデータでは414件中283件が油による汚染という結果が出ています。このうち船舶からの油排出は165件で、漁船が最多の64隻、続いて作業船が20隻でした。
排出原因は取扱不注意が67件、船舶海難が62件であり、取扱不注意による流出の方が多いです。この取

扱不注意の内容はバルブ開閉不確認やタンク不計測などが挙がっています。
油は海洋生物を死に至らしめるだけでなく、海洋汚染も引き起こします。

また工場などからの排水や廃棄物には有害液体物質など化学物質が多く含まれており、海洋を汚染するケースも少なくありません。
現在では法律で規制されたこともあり、昔よりは有害液体物質を含む工場排水は減っていますが、それでも完全になくなったわけではありません。

また工場排水は有機物を多く含むため、プランクトンが大量発生する赤潮の原因となります。
赤潮が発生すると海洋生物に必要な酸素が失われ、多くの生物が酸欠で死亡するということもあります。

  • 油の流出の主な原因はタンカーの座礁事故や船舶からの排出である
  • 工場からの排水や廃棄物には、有機液体物質や化学物質が含まれているので海洋汚染の原因になる
  • 工場の排水は有機物を多く含んでいるため、プランクトンが大量発生する赤潮を引き起こす

(出典:海上保安庁「平成30年の海洋汚染の現状について」,2018)

(出典:海上保安庁「第5章 海洋環境の保全と海上防災」)

海洋汚染を防ぐために私たちにできることとは


海洋汚染の原因である海洋ごみの多くは私たちの生活から排出されたものです。
つまり私たちが日ごろから意識をして、削減に取り組むことで海洋汚染の影響を減らすことができます。
ごみを減らす以外にも、エコラベルの商品の購入やボランティアの参加などできることはたくさんありますが、その取り組みの一例をご紹介します。

エコラベルが付いている商品を買う

エコラベルとは「適切な漁業管理と水産資源の利用ができており、その中で持続可能で環境に配慮した漁獲あるいは養殖された水産物であること」を表すマークです。

エコラベルが貼られた水産物を購入することで、適切な方法で漁業を行う人々が潤うことなり、より多くの漁業者がエコラベルの認定を受けた適切な漁業を行うようになります。

海での漁は厳しいルールの中で規制されていますが、それでも乱獲されることもあります。そのような脅威から海産物を守り、持続可能な漁業を続けていくためにも、このような取り組みは重要です。

(出典:水産庁「水産エコラベルをめぐる状況について」)

海岸や河川のごみ拾い

海岸や河川にあるごみは海洋に流れ出すことで海洋ごみとなります。
不法投棄されたものや海から流れ着いた漂着したごみなど様々ですが、海を守るためには地道にでもごみを取り除かなければいけません。

しかしその量はあまりにも膨大であるため、ボランティアなど清掃活動に参加して、多くの人と協力しながらごみ拾いをすると良いでしょう。
そのような活動が増え、参加する人が多くなれば海岸や河川のごみの減少につながります。

ごみを出さないエコ活動

プラスチックは使用頻度が高い製品です。つまりプラスチック製品の使用を控えれば、それだけごみを減らすことにもつながります。。

例えばマイバックを持参してビニール袋をもらわない工夫やマイボトル、マイ箸の使用、詰め替え用ボトルの使用、海や川、山などでのレジャーではしっかりとごみを持ち帰るなど、エコ活動を行うことでプラスチック製のごみを減らすことができます。

このような考え方として3R(スリーアール)が存在しています。3Rとは、リデュース・リユース・リサイクルから頭文字を取った総称です。
マイバックの持参や使い捨て食器などを減らすことはリデュースになります。また詰め替え用ボトルの使用はリユースであり、プラスチックを分別回収し、原料として再利用するのはリサイクルです。こういった意識と行動でごみを出さないエコ活動ができます。

  • エコラベルが貼られた製品を購入することによって間接的に海洋汚染を防ぐことができる
  • 海岸や河川に不法投棄されたごみを拾う、清掃活動やボランティアに参加して、地道に海洋汚染を防ぐ
  • 3R(リデュース・リユース・リサイクル)を意識したエコ活動を行う

(出典:政府広報オンライン「海のプラスチックごみを減らし、きれいな海と生き物を守る!」)

 (出典:Re-Style「3R(スリーアール)という言葉を聞いたことはありませんか?」)

みんなで海洋汚染を防ごう


海は私たちの大切な資源であり、生態系や自然環境の維持に欠かせない存在でもあります

しかし私たちの生活がこの海洋環境や海洋生物を脅かしているのも事実であり、この状態を続けていれば、いつか私たちは海の恵みを享受できなくなる日が来ます。
そのためにも海洋汚染について知り、私たちのできることで海洋汚染を防ぐことは何よりも大切なことです。

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