レジ袋

レジ袋などのプラスチックごみが原因で引き起こされる環境問題とは?

  • 2020年7月22日
  • 2022年12月21日
  • レジ袋

レジ袋は、買物時に無料で提供される使い勝手の良い使い捨ての袋として重宝されていました。
それが現在では使用を控えるよう日本全国で有料化する制度が実施されています。
これはレジ袋を含め廃棄されることが多いプラスチックごみが、様々な環境問題を起こす原因となっているためであり、問題解決のための1つの方法として制度化されています。

プラスチックごみが原因で引き起こされる環境問題とは何なのか、この記事で紹介します。

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レジ袋有料化は環境問題への対策の1つ


2020年7月1日から日本全国でレジ袋が有料化されました。
先行してレジ袋有料化を行っていた都道府県や市区町村はありましたが、法律で定められた規定により、全国で有料化が始まったのです。
これはレジ袋を含むプラスチックが起こす環境問題に配慮したものであり、日本だけでなく世界中で問題視され、早急な対策が行われるほど深刻な問題です。

私たちは生活の中で様々なプラスチックを使っていますが、その生産量や使用量を抑制し、プラスチックごみの排出量を削減しなければ、取り返しのつかないことになりかねないところまできています。
そのための1つの対策として打ち出されたのが、レジ袋有料化です。

日本国内でのプラスチックごみの廃棄量2%程度がレジ袋であることが分かっています。
割合からすればわずかだと考えるかもしれませんが、プラスチックごみの排出量は日本の人口1人当たりの廃棄量においてアメリカに次いで世界2位と多く、その中に含まれる2%であることを考えると相当量のプラスチックごみであることが伺えます。

プラスチックごみがいくつかの環境問題を起こしていることに対して、その一部であり、私たちの生活でよく利用されるレジ袋を有料化することで、使用を控えてもらうと共に、プラスチックの必要性を考え直すきっかけを持ってもらうことを目的としています。

では、ここまで問題視されるプラスチックごみを原因として起こる環境問題とはどのようなものがあるのでしょうか。

  • 環境問題への対策として日本全国でレジ袋有料化が始まった
  • 日本国内でのプラスチックごみの廃棄量2%程度がレジ袋
  • プラスチックごみの排出量は日本の人口1人当たりの廃棄量においてアメリカに次いで世界2位
  • (出典:総務省「レジ袋有料化について」)

    プラスチックごみが引き起こす環境問題


    プラスチックごみは環境問題を起こす原因であり、この問題は世界中で起こっています。
    軽量で耐久性が高く、成形しやすくて安価で大量生産しやすいことから、世界各国で多くの人が日常的に利用しています。

    プラスチックの生産量と廃棄量は年々増加しています。
    1950年以降のプラスチックの生産量は83億トンを超えており、そのうち63億トンがごみとして廃棄されました。
    今でこそ回収されたら焼却処分やリサイクルなどが行われますが、以前は埋立や海洋などに投棄されることも多く、今までに廃棄されたうちの79%がそのような処理を行われています。

    リサイクルも2017年までに9%程度しか行われておらず、このままのペースでいけば2050年までに120億トン以上のプラスチックが埋立や自然投棄されることになります。
    プラスチックは便利で使い捨てもしやすく、廃棄される量も非常に多いですが、適切な処理が行われないものが多く、環境へと影響を与えてしまっています。
    廃棄も含め、プラスチックが及ぼす環境問題を列挙すると、以下のものが挙げられます。

  • 化石資源(石油)の大量消費
  • 海洋汚染と生態系への影響
  • 大気汚染や地球温暖化への影響
  • リサイクルにおけるリスク
  • 人体や生物への影響
  • 化石資源(石油)の大量消費

    プラスチックは原油を精製してできたナフサという物質を熱分解して得られるエチレンやプロピレンなどを材料として作られます。
    プラスチックは1種類ではなく、いくつもの種類が存在しており、加工方法や添加物の有無などで、その特徴や性質が変わります。
    現在、様々な製品にプラスチックが利用されているため、それだけ多くの原油を必要することになり化石資源を大量に消費します。

    化石資源は有限であり、使い続ければいずれ枯渇するのではないか、という懸念が広がっていることから、化石燃料に変わる資源の発見や開発が急がれています。
    化石資源が自然環境から生まれた資源である以上、大量に消費していくことも環境問題の1つであると考えられています。
    また石油由来であることそのものが、プラスチックごみを廃棄する上で環境問題に起因しています。

    海洋汚染と生態系への影響

    プラスチックごみは軽くて丈夫であることから、微生物などに分解されることなく全部あるいは一部の破片の状態などで自然界に存在します。
    自然投棄されたプラスチックごみの中には風に飛ばされたり、河川に落ちて流され、海へと辿り着きます。そして海面や海洋中を漂うものや海底に沈むもの、海岸へ流れ着くものなどによって、海洋汚染を引き起こします。

    プラスチックごみは蓄積することで海洋生物やその周辺の生物の住処や繁殖場所を奪います。
    また、レジ袋やプラスチック片はクジラやウミガメなどの海洋生物が餌と間違えて誤飲し、それが体内に蓄積して、最悪の場合は命を奪うこともあります。

    海洋汚染はプラスチックごみによる環境問題の中でも特に深刻であり、世界中で議論され、これ以上環境が悪化しないように、取り組みが行われています。
    海洋汚染は私たちの生活にも直結する問題です。
    プラスチックごみが溢れ返れば、景観が損なわれるので、観光業に影響を与えます。
    また、海洋生物の生態系が破壊されてしまうので、漁業にも影響を与え、魚介類が獲れなくなる未来が来るかもしれません。

    今のペースでプラスチックが生産・廃棄され続ければ、2050年にはプラスチックごみの量が魚の量を超えると推測されています。
    海洋汚染や海洋生物への影響は、プラスチックによる環境問題の重大な題材の1つとなっています。

    大気汚染や地球温暖化への影響

    プラスチックは石油由来の物質です。
    石油の主成分は水素と炭素であり、燃やせば水蒸気を含む水と二酸化炭素が排出されます。
    プラスチックは焼却による処理も行われていますが、その際には二酸化炭素が発生するということになります。また、生成においても二酸化炭素を発生させます。
    この二酸化炭素は温室効果ガスの主成分であり、増加すれば地球温暖化を促進することにもつながります。

    日本では二酸化炭素をできるだけ排出しないように処理が行われますが、この問題は日本だけでなく世界で起こることであり、世界中でプラスチックの焼却処理が行われれば、かなりの二酸化炭素が排出されることになります。

    埋立や自然投棄による環境への影響も重大な問題ではありますが、焼却処分による二酸化炭素の増加も問題であることが分かります。
    加えて、プラスチックを生成する過程で添加される物質の中には、環境や生物に影響を与えるものが含まれており、焼却によってそれらの物質が飛散する可能性や、有毒物質へと化学変化し影響を与えるかもしれません。

    日本ではプラスチックを焼却したときの熱をエネルギーとして利用する熱利用が実施されており、適切な処理をしながらエネルギー問題についても対策も行っています。
    しかし、世界全土で行われているわけではないことから、大気汚染へのリスクも考えると、プラスチックの利用は抑えなければいけないものだと考えられます。

    リサイクルにおけるリスク

    プラスチックごみの9%程度はリサイクルが行われていますが、こちらもリスクを抱えています。
    プラスチックに含まれる塩素や臭素などのハロゲンやポリエチレンテレフタラートを除去するには、技術的な課題があります。

    また、一般廃棄物の中にはポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンが含まれており、これらをリサイクルする上で油化する際の安全性や安定性にリスクがあります。
    これらのリスクはリサイクルプラント機器や配管の腐食と閉塞の原因となり、異常が発生すれば有害物質が放出されることも危惧されています。

    現在直接的な環境問題につながっているわけではありませんが、プラスチックの処理をする上で埋立や自然投棄、焼却処分を除いてリサイクルが最も環境に与える影響が少ない方法です。
    このリサイクルにおける技術的な発展がなされ、リサイクル率が上がらない限り、プラスチックによる環境への負担は軽減されません。

    人体や生物への影響

    プラスチックには様々な化学物質が使用されていますが、特にプラスチック製容器の中でも、ポリカーボネート性のものには可塑剤(かそざい※)に内分泌撹乱化学物質として疑われているビスフェノールAが含まれています。
    この物質が溶け出し、人に有害な影響を与えたという事例は今のところ確認されていません。
    しかし、この物質そのものが内分泌撹乱化学物質であることは確かであり、微量であっても作用を引き起こすことが指摘されています。

    内分泌撹乱化学物質は、生物の生態における複雑な機能調節に重要な役割を果たしている内分泌系の働きに影響を与え、様々な障害や有害な影響を引き起こす作用を持っています。
    ビスフェノールAによる影響は人間だけに留まりません。
    その影響を調査研究した実験では、ラット(実験動物)に投与したものが行われました。
    その結果、急性毒性から中・長期毒性、生殖・発生毒性など様々な障害や有害な影響が確認されています。
    少量でも何らかの影響が出るという懸念があり、自然界に投棄され、生物が誤飲したときにそのような影響が出る可能性も否定できないことから、現在も調査が継続されています。

    ※可塑剤(かそざい):材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするための添加物質

  • 1950年以降のプラスチックの生産量は83億トンを超えており、そのうち63億トンがごみとして廃棄された
  • プラスチックのリサイクルも2017年までに9%程度しか行われていなかった
  • プラスチックに含まれる内分泌撹乱化学物質は少量でも生物に有害な影響を引き起こす作用がある
  • (出典:環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」,2017)

    プラスチックごみを減らすことが環境や私たちの未来を作る


    プラスチックごみの廃棄量やその処理方法には今も問題を抱えています。
    何の対策も行わなければ、近い将来自然環境は汚染され尽くし、多くの生物が絶滅するかもしれません。
    そうなれば新しい生態系が形成され、今とは違った世界が現れることでしょう。
    しかしその世界や自然環境が、私たちが生きていける環境とは限りません。
    そうなれば、私たちも変わらざるを得なくなります。

    環境が破壊され、私たちが生活できない世界を迎えないためにも、今すぐにでも対策を講じて、積極的に取り組んでいく必要があります。
    その1つがレジ袋有料化であり、生産量や使用量の抑制と、廃棄量の削減につながります。
    もちろん、この他にもできることはたくさんあります。
    プラスチックについて問題を把握し、私たちもできる取り組みを今からでも実施することをおすすめします。

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    この記事を書いた人
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