世界中で問題となっている森林破壊。その影響は動物や植物などの生態系や私たちの暮らしにまで及びます。
森林破壊の影響は国によって異なり、その原因もすべて同じではありません。
この記事では、世界の森林破壊や現状について紹介します。
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森林破壊の現状は?
20世紀前半、熱帯地域、亜熱帯地域の開発途上国では人口が増加しました。これに伴い開発途上国では貧困や飢餓といった問題を抱えていました。
増加する人口を養うための食料に乏しく、森林を伐採し、畑や農地、牧草地に変える現象が起きました。これにより森林が減少したとも言われています。
現在、世界では急速に森林が破壊されています。1990年時点で、世界には41.28億ヘクタールの森林面積がありましたが、2015年になると39.99億ヘクタールまで森林面積は減少しました。
つまり、25年間で1.29億ヘクタールもの森林が減少したということになります。
これは南アフリカの国土面積と同じくらいです。南米やアフリカにおいて大規模な森林の減少が起こっています。世界では毎年730万ヘクタールの森林が地球から失われています。
森林など豊かな自然を守るために私たちは何ができるのか、下記記事で解説しております。
自然環境の保護について気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
>>大切な自然を守りたい!寄付できる自然保護活動団体を5つ紹介
一方で森林破壊と一口に言っても、世界中ではどんなことが起きているのでしょうか。世界各国の森林破壊の現状を見ていきましょう。
- 世界では急速に森林が破壊されている
- 1990年から2015年までの25年間で南アフリカの国土面積と同じくらいの森林が減少した
- 毎年730万ヘクタールの森林が地球から失われている
(出典:環境省「国際的な森林保全対策」)
(出典:国立環境研究所 地球環境センター「Q5森林の減少と二酸化炭素吸収量」)
世界の森林破壊
ここからは、世界各国の森林破壊の現状について見てみましょう。
アフリカ
アフリカでは急速に人口が増加しています。これに伴い食糧生産も急速に行う必要があるため、食料を確保するために森林の伐採が行われています。
熱帯地域では土壌が酸性のため、作物を栽培するのに適していません。そういった地域では焼畑農業を行います。焼畑農業とは森林や草原を刈り払い、草木を燃やしてから、耕作する農業の手法です。数年間作付けした後に、別の土地に移動して耕作を繰り返します。土地が回復したら元の農地を再利用する伝統的な農法で、森林破壊の原因ではなく、持続可能なものだと言われています。
しかし、土地の回復力を考えない、持続可能ではない焼畑農業が行われることがあります。こういった非伝統的な焼畑農業は森林破壊の原因と1つと言われています。
熱帯地域や亜熱帯地域は気候的には農作物を育てるにはかなり恵まれています。そのような生産性の高い環境と熱帯・亜熱帯地域の国の安価な労働力に莫大な資本力を持つ企業は目を付けました。
広大な農地に莫大な資本=お金を投入し、安価な労働力で人を雇いました。森林を伐採し、そこに国際的に価値の高い単一作物を栽培する大規模な農園を作ります。これをプランテーションと呼びます。
その農地や畑では、私たち日本人も日常的にスーパーで見かけるバナナ、コーヒー、紅茶、カカオ(チョコレート)などが生産されています。これらの多くの製品は日本の気候では生産が難しいものばかりで、熱帯・亜熱帯地域に頼らざるを得ません。
私たちの生活に非常に馴染みがある製品ばかりですが、その生産現場を見ることは滅多にありません。
東南アジア
世界中で伐採された木材の約半分は燃料として使用されています。そして燃料としての木材の需要は年々増加しています。東南アジアの開発途上国では木材を過剰に輸出したり、違法伐採が行われていることによって森林破壊が進んでいます。
また、インドネシアのパーム油製造も森林破壊の原因の一つです。パーム油は約8割が食品油としてマーガリンや揚げ油、ショートニング、アイスクリームなど、様々な食品に用いられています。残りの約2割は、石鹸や洗剤、化粧品、インクなどの原料として用いられます。パーム油は、アブラヤシの実から絞り採れる植物油です。
しかし、アブラヤシのプランテーションが原因で森林に生息する動物が減少しています。
パーム油は私たちの生活に欠かせないものであり、生産や使用をすぐにやめることは難しいです。特にインドネシアにとっては、輸出産業として経済面でも重要な役割を担っています。
オーストラリア、ブラジル
経済発展による森林伐採も森林破壊の1つですが、森林火災も破壊の1つの要因です。
2019年に発生したオーストラリアの森林火災は約半年間燃え続け、多くの動植物が被害を受けました。この森林火災は2019年9月から年末にかけて続き、オーストラリア史上最悪の森林火災となりました。
2019年12月31日から年明け2020年の2日にかけて、数万人規模の住民や観光客らに避難勧告が発令され、こちらもオーストラリア史上最大規模の避難でした。
また、ブラジルを中心とするアマゾンの熱帯雨林地域でも森林火災が発生しました。2019年8月1日から8月24日にかけて4,000件近くの森林火災が確認されました。
この森林火災はブラジルの熱帯雨林だけでなく、パンタナールの大湿地帯や、ボリビア、パラグアイにかけて広がるチキターノ森林、草原地帯などでも発生しました。
アマゾンの熱帯雨林では世界最大の熱帯林が残っており、数千から数万種とも言われる野生動植物が住んでいます。また、そこには先住民族が野生動物とともに共存しています。そのため森林火災は先住民族の住処も減らしていることになります。
中国
日本と同じアジアに位置しており、めまぐるしいほどの経済成長を遂げる中国の例を見てみましょう。
現在中国の北方の地域では比較的海に近いところにも砂漠が迫ってきています。
砂漠化の原因は過伐採、過放牧、過剰耕作です。これらの人為的要因に加えて、自然な気候変動による乾燥化が重なったことも砂漠化の原因として考えられます。
日本
最後に日本の森林破壊の現状を見てみましょう。日本は森林の割合(森林率)が国土の67%を占め、森林大国と言われています。また日本の国土の約7割を森林が占めます。面積に換算すると約2,500万ヘクタールです。
日本では過去40年間、森林面積の増減はほぼなく、横ばいです。こうしてみると国土の約70%が森林であり、過去40年間で横ばいであるという点は安心できますが、不安要素がないわけではありません。それは森林蓄積が増加しているということです。森林蓄積とは木材を構成する樹木の幹の体積のことです。
森林蓄積は、資源量がどれくらいあるかということの目安にもなります。森林面積は横ばいなのですが、実は日本はこの森林蓄積が年々増加しています。これは自国で森林を伐採することにより採取できる木材を使っていないこと、つまり私たちが使用している木材は輸入に頼っていると言っても過言ではありません。国内産の木材は価格が高く、海外産は安いといった背景があります。
- 非伝統的な焼畑農業は森林破壊の原因と1つとされている
- 世界中で伐採された木材の約半分は燃料として使用されている
- アマゾンの熱帯雨林では世界最大の熱帯林が残っており、数千から数万種とも言われる野生動植物が住んでいる
(出典:滋賀県「世界から見た日本の森林の今」)
(出典:環境省「世界の森林を守るために 森林減少・劣化の原因」)
(出典:Forest Partnership「世界の森林はいま」)
(出典:国立環境研究所「世界気象機関、世界各地で発生している森林火災の気候影響を報告」,2019)
森林破壊やそれにともなう砂漠化、生物多様性の損失といった問題については下記の本でも詳しく解説されています。森林破壊とそれにともなう悪影響について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
世界と日本の森林破壊の現状を比較して何ができるか考えよう
森林破壊の現状を世界各国と日本を比べてもかなり異なることが分かりました。現在世界各国、特に開発途上国では森林が伐採・倒木されていることが問題であるのに対し、日本は面積の約70%が森林です。
世界の森林破壊を対岸の火事として考えるのではなく同じ地球に生きる者として何ができるかを考えることが重要なのではないでしょうか。
森林破壊を防ぐために私達ができることの一つに、環境保護に取り組んでいる団体への寄付があります。
たとえば「一般社団法人グリーンピース・ジャパン」では、森林破壊を止めるため下記のような活動を行っています。
・Amazon熱帯雨林を守るため、140万筆以上の署名をブラジル連邦議会に届けて森林保護の法律を守る活動を実施
・森林破壊につながっている企業の活動を調査して、得られたデータをもとに企業・政府に働きかけを実施
グリーンピース・ジャパンでは森林保護の他にも、気候変動やプラスチック問題など自然保護の活動全般に取り組んでいます。
「グリーンピース・ジャパンの活動を支援したい」「活動内容についてもっと詳しく知りたい」という方は、ぜひ下記をチェックしてみてください。
>>グリーンピース・ジャパンについて詳しくみる<
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