森林破壊

森林破壊を防ぐために環境省が行っている取り組みとは?

私たちが生きていく上でなくてはならない森林という存在が、現在人間の手によって破壊されつつあります。
生きていく上で必要な部分はあるものの、過剰に破壊されていることから、年々その面積は減少しています。それを食い止めるため、環境省を中心とした行政機関では様々な取り組みを行っています。

この記事では森林破壊を防ぐために環境省が行う取り組みについて紹介します。

森林破壊の原因と対策は?身近にできることから考えよう

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森林の役割と進行する森林破壊


森林は生物多様性保全や地球環境保全、土砂災害防止・土壌保全、水源涵養(すいげんかんよう)、快適環境形成機能など多面的機能があります。
そのため私たちの生活だけでなく、世界に生息する多くの動植物を支えています。

例えば生物多様性保全では、森林が樹木や草、苔などの植物はもちろんのこと、菌類や土壌微生物、昆虫、鳥類、爬虫類、哺乳類などの生物の生息や成育の場となり、生態系や生物種、遺伝子を支えています。
また植物の多くは光合成において二酸化炭素を必要とし、森林ではその二酸化炭素の吸収や蓄積、酸素の排出、蒸発散作用によって、地球温暖化を防ぐ役割も果たします。

近年の豪雨などでは、場合によっては機能が発揮されずにいますが、土砂崩れなどを防ぎ、雨を一時的に貯留し、河川に流れ込む水量の標準化や水質の浄化などを行う天然のダムとしての機能もあります。
このように生活の中では実感しにくいですが、私たちが今生活できているのは森林の存在があり、その支えがあることも一つの要因であると言えます。
本来なら共生し、私たちも守らなければいけない森林が、世界規模で破壊され続けている現状があります。

森林破壊の現状

世界で進行する森林破壊は深刻なものとなっています。2016年に行われた国連食糧農業機関(FAO)の発表によれば、世界森林資源評価(FRA)について1990年に確認された41.28億ヘクタールが、2015年には39.99億ヘクタールまで減少していることが分かっています。
これは世界全体の森林率が31.6%から30.6%に減少したことを意味し、25年間で1.29億ヘクタールが失われた計算になります。

この面積は南アフリカの国土面積に匹敵し、増加分を差し引いても、年間の純減面積は330万ヘクタールと推計されています。
世界全体で森林が減少する原因はいくつかありますが、その中でも南米やアフリカにおける熱帯において、森林減少が進行しています。

  • 森林には、生物多様性保全や地球環境保全、土砂災害防止・土壌保全、水源涵養(すいげんかんよう)、快適環境形成機能など多面的機能がある
  • 森林破壊は、1990年に確認された41.28億ヘクタールが、2015年には39.99億ヘクタールまで減少
  • 年間の森林の増加分を差し引いても、減少面積は330万ヘクタールと推測される
  • (出典:環境省「国際的な森林保全対策」,2016)

    森林破壊の原因と影響


    森林破壊を食い止めるためには、その原因を絶つことが重要となります。
    環境省をはじめとした行政機関や地方自治体などが行う取り組みも、森林破壊の原因を減らし、保全していくための活動を行っています。

    森林破壊の主な原因の一つが土地利用の転換です。森林を伐採し、プランテーション(※)や農園、牧場、都市開発などに利用するする国や地域は多いです。
    世界的な食料、バイオ燃料などの需要増加が根幹にありますが、その問題解決のために森林を減少させています。

    また日常生活の燃料や生活費を稼ぐために森林を伐採し、利用している人もいます。
    国によっては法律で伐採権がないにも関わらず、違法伐採が行われていることもあります。
    過剰な伐採や違法伐採は森林の回復速度が追いつかず、森林の減少や劣化の原因となっています。
    他にも近年の気候変動による猛暑や落雷などによる自然発火、焚き火やたばこなどの不始末、放火などの人為的要因による森林火災などで、森林を失うこともあります。

    ※プランテーション:熱帯地域や亜熱帯地域の農地で、世界的に取引価値の高い単一の作物を大量に栽培する大規模農園や方法

    森林が減少することによる影響

    森林が失われれば、様々な方面で影響があります。森林は多面的機能を持ち合わせていますが、破壊されることでその機能は失われます。
    森林破壊は地球温暖化にも影響しています。地球環境保全の機能は、森林が持つ二酸化炭素の吸収源としての役割も含まれています。
    森林が失われれば二酸化炭素の吸収・貯蔵が行えず、温室効果ガスを増加させ、地球温暖化が進行する要因になります。

    地球温暖化は異常気象を引き起こします。台風などの災害が起これば、今残る森林も失われるという悪循環に陥ります。
    森林が失われるということは、依存していたものが失われ、生活が成り立たなくなる可能性もあります。

  • 世界的な食料、バイオ燃料などの需要増加が森林破壊につながっている
  • 過剰な伐採や違法伐採は森林の回復速度が追いつかず、森林の減少や劣化の原因になる
  • 森林破壊は地球温暖化にも影響し、地球温暖化は異常気象を引き起こす
  • (出典:環境省「世界の森林を守るために 森林減少・劣化の原因」)
    (出典:Forest Partnership「世界の森林はいま」)

    森林破壊を防ぐための環境省などの取り組み


    森林破壊への対策としては、環境省をはじめとした行政機関や自治体が国内外の問題解決に向けた取り組みを行っています。
    特に環境省では海外に向けた取り組みの協力なども行っています。森林破壊の原因から、取り組むべき対策の中から国や環境省を主導として行っているものをいくつか挙げていきます。

    違法伐採への取り組み

    木材生産国を含め、世界中で森林保全に向けて持続可能な森林経営(SFM)が必要であり、不可欠であるといっても過言ではありませんが、このSFMを阻害しているのが違法伐採問題です。
    現在も違法伐採は増え続けており、ブラジルでは森林伐採面積が2018年8月から2019年7月までの1年間で1万2,911平方キロメートルを記録したと公式統計を発表しています。
    大方は非合法的な経済活動であるとの見方も示されており、地域によっては違法伐採による森林破壊が増加していることが伺えます。

    違法伐採は、森林を直接破壊するだけでなく、正当なコストを支払っていない木材が国際市場に安価で流通することで、輸入国のSFMの阻害にもつながるため、問題は深刻です。
    そこで政府では日本とインドによる衛生データの活用と伐採状況の把握、木材トレーサビリティ技術(※)の開発などを二国間協力で行っています。

    また地域間協力としてはアジア森林パートナーシップ(AFP)による合法性の基準開発や
    情報共有の促進、多国間協力として国際熱帯木材機関(ITTO)による合法木材および認証木材の普及や啓蒙などのプロジェクト支援を行っています。

    ※トレーサビリティ技術:材料の調達から廃棄までの流れを追跡できるようにする技術

    グリーンウッド法の施行

    違法伐採による木材への対策として、国内でも取り組みを強化しました。
    その一つがグリーンウッド法です。この法律の施行により、民間需要において合法伐採木材の流通や利用を促進しています。
    これによりすべての事業者は、合法伐採木材などを利用することを求められ、特に木材関連事業者は取り扱う木材などの合法性の利用確認の阻止が行われています。

    違法伐採木材は海外から流入することが主ですが、一部国内でも発生していることから、このような法整備が必要でした。
    この措置を適切に、かつ確実に実施していくために、木材関連事業者は登録実施機関(第三者機関)に申請して登録し、「登録木材事業者」の名称を使用しており、消費者もその名称がついた木材製品を購入することが必要です。

    グリーン購入法の導入

    グリーンウッド法と同様に国内の違法伐採による木材対策として2000年に成立し、2001年4月から施行されたグリーン購入法(正式名称:国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)の導入です。

    この法律では国や行政機関が率先し、環境負荷の可能な限り少ないものを選択し、購入することを定めたもので、品目ごとに購入する基準を基本方針として別途規定しています。
    この法律を導入することで、対象品目となったものの木材および木材製品については合法性と持続可能性が証明されたものを購入しなければいけないことを、2005年4月から実施しています。

    途上国への森林技術貢献

    日本が培ってきた森林技術を、開発途上国に貢献する取り組みが行われています。
    例えば災害や被害の防止として、日本が古くから行っている伝統的な治山技術の応用による森林荒廃地の回復や、森林火災の予防・早期発見、衛生による森林モニタリングにより違法伐採や森林減少の原因究明などを行っています。

    また森林破壊につながる非伝統的な焼畑の増加を防ぐため、耕作に代わる養豚やカゴなどの生産活動の支援を行っているほか、果樹や薬用樹などの育苗・育成技術の導入により、住民参加による植林と収入向上、環境保全を同時に行う取り組みを進められています。
    同様にマングローブや熱帯雨林の保全・再生、砂漠化の対処など生態系の回復を目的とした活動も行われています。

  • 日本とインドによる衛生データの活用と伐採状況の把握、木材トレーサビリティ技術の開発などを行っている
  • 木材関連事業者は、登録実施機関に「登録木材事業者」として登録する
  • 開発途上国で日本の森林技術を応用し、森林荒廃地の回復や、森林火災の予防・早期発見、衛生によるモニタリングにより違法伐採や森林減少の原因究明している
  • (出典:日本貿易振興機構「2018年8月~2019年7月のアマゾン森林伐採面積、前年同期比29.5%増」,2019)
    (出典:林野庁「クリーンウッド法の概要」)

    森林破壊を防ぐための取り組みに協力しよう!


    森林破壊による影響は多大なものですが、違法伐採や土地の過剰利用など、森林破壊の原因によって生み出されたものを、私たちは日常的に使っているかもしれません。
    日本国内では法整備により違法な製品は出回らないよう徹底されていますが、合法なものでも森林破壊につながっているものはあります。

    使わないという選択肢は生活していく上で難しいですが、極力控えていくことは可能です。
    また合法性や持続可能性を認められた「森林認証」の製品であれば、森林の回復を超えることなく適切に管理されて作られたものなため、森林破壊を緩和する手助けにもなります。
    私たちはの生活は森林に支えられており、その森林を守る行動を取ることを心がけることが大切です。

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