アジア(飢餓)

アジアの飢餓が子どもたちに及ぼす影響や対策、支援について解説

アジアには中国やインド、インドネシアなど人口が多い国がいくつもあります。
また、様々な理由により飢餓人口も多いと言われている地域です。
飢餓状態が続くと死に至ることもありますが、それ以外にも様々な影響を及ぼすことがあります。

この記事では飢餓が子どもに与える影響や、行われている支援を紹介します。

世界で最も人口が多く飢餓人口も最大と言われるアジアの飢餓の現状や行われている支援は?

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アジアで飢餓人口が多い原因は?


2018年時点、世界の飢餓人口は8億人を超え9人に1人の割合です。そして、アジアはそのうち5億人以上を占めており、深刻な問題です。

アジアの地域は中国やインドをはじめ人口が多い国が多くあります。
また、それぞれの国の問題により飢餓人口が多い国も集中している地域です。
しかし、もともとアジアの地域は食料の生産量が低いというわけではなく、ある程度の人口を支えていけるだけの生産量はあったのです。

近年では、インドを中心とした国々において、急激な人口の増大と生産量の増量のバランスが取れていないようになってきています。
そのため、食料の生産が人口の増加に追いついていない状況を生み出しています。

そして、中国やインドでは大量に食料を生産していながらも飢餓人口が1億~2億人もいるという状況になっています。
また、飢餓に陥るのは貧困による要因も大きいことから、インドネシアやフィリピン、ラオスなどの国も深刻な状態です。

そして、飢餓の要因となるのは環境問題や気候変動による変化も大きなものとなっています。

東南アジアなどでは雨季と乾季がはっきりしていて、気候に合わせた農作物が作られていましたが、時期外れの豪雨によって洪水が起きたり、本来雨季である時期に雨が降らずに干ばつが起きたりもしています。
これらによって安定して農作物が収穫できずに貧困になり、飢餓状態になるということが起きています。

近年では台風や大雨による洪水、干ばつなどにより、フィリピンやベトナム、インドネシア、北朝鮮などの国の農業に甚大な影響を及ぼしています。

アジアではこういった理由によって貧困、飢餓が多く発生しているのです。

(出典:日本WHO協会公式サイト)
(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)

飢餓が子どもたちに与える影響や問題


アジアでは多くの子どもが飢餓や栄養不良により命の危機にさらされています。
栄養不良とは、健康を保つ上で必要とされるバランスの取れた栄養が摂取できていない状態を示し、発育阻害や消耗症、低体重など様々な問題を引き起こします。

栄養不良の子どもは健康に育つことができないだけでなく、病気にかかりやすくなったり、知能や身体の発達の遅れにもつながります。

栄養不良の形態やどのような状態を指すかについては以下をご覧ください。

発育阻害(スタンディング) 日常的に栄養が十分摂取できずに慢性的栄養不良に陥っているために年齢相応の身長まで成長できない状態。
消耗症 急性または重度の栄養不足が原因となり、十分なカロリーを摂取できないために差し迫った死のリスクに直面している状態。
低体重 成長に十分な栄養や食事が摂れないために年齢相応の体重まで成長できない状態。
過体重 身長に対して体重が多すぎる状態。必ずしも肥満を意味するのではなく、脂肪や筋肉、骨、水分などの要因がある。過体重はその後の人生で「非感染性疾患(NCD)」を患うリスクが増加する。

(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)

将来への影響

また、飢餓の状態の状態にある子どもたちは、その原因が貧困であるために教育を受ける機会も失っていることが多いとされています。
学校へ行かずに労働をさせられたり、家事の手伝いなどをしていることが多いのです。
学校に行けたとしても弁当を持たせてもらえなかったり、給食もないということもあります。

そうして満足に教育を受けることがなく成長していくことになるのです。

その結果、成長しても収入の多い仕事に就くことができずに貧困が続くことになるという悪循環に陥りってしまいます。
飢餓はそのときに子どもたちを苦しめるだけでなく、将来的な可能性も奪ってしまうのです。

飢餓状態の子どもたちに対し必要な支援とは


飢餓状態にある子どもたちを救っていくためには様々な支援が行われています。
それらを項目ごとに紹介していきます。

緊急食糧支援

緊急支援とは俗に緊急事態と呼ばれる状態の際に行われる支援です。

緊急事態は、国連WFPにより以下のように定義されています。
「ある特定の、もしくは一連の事象が、人的被害や生命・暮らしへの脅威をもたらしているという証拠が明白に示され、広範囲な地域で生活が混乱し、かつ関係政府が対応手段を持たない状況」

緊急支援として多いケースは内戦や紛争などによるものや自然災害などへの支援です。
住居や田畑、仕事などが奪われたり、避難生活を余儀なくされることによって起こるものがほどんどです。

緊急支援は計画的に行わなくてはいけない反面、緊急性を要するものが多いために扱いは難しいものとなっています。

「必要なものを必要としている地域に」迅速に運搬しなければいけません。
しかし内戦、紛争、自然災害などが起こっている場所は交通インフラが破壊されていることも多く、安全で確実に運搬することも簡単ではありません。

すぐに物資を集めること、安全に迅速に運搬することが求められるのがこの緊急支援なのです。

学校給食支援

2016年時点で、貧困などが原因となり学校に通うことができていない子どもたちは世界で6,300万人ほどいると言われており、慢性的に栄養不足となっている子どもが4人に1人います。

それだけの子どもたちが満足に学校に行くことができず、栄養価の高い食事を摂取していないことで発育不全に陥っているのです。

栄養不足から体力と免疫力が低下していることから病気にもかかりやすく、命を落としてしまう場合もあります。

学校給食はそういった子どもたちを救う方法です。

学校で給食が安定して支給されれば、こういった子どもたちの栄養状態を改善することができ貧困が原因で学校に通えない子どもたちを学校に通わせるきっかけになります。

(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)

母子栄養支援

母体の栄養不足は胎児に悪影響を与えます

また、乳幼児にとっても栄養不足は生命の危険を大きく脅かすものです。
乳幼児が死亡してしまう原因の半分近くが栄養不足です。

そして栄養不足の状態のまま成長した子どもは成長、発育が遅れがちで知能や身体の発達に大きな影響を与えることになります。

発育が遅れたまま成長した子どもたちは将来的にも収入の高い仕事に就くことができずに貧困状態を抜け出せない可能性が高くなります。

乳幼児の栄養不足が深刻なダメージを与えることを防ぐためには母体に生命が宿ってから2歳の誕生日を迎えるくらいまでの「最初の1000日間」が最も重要であるとされています。

妊産婦が栄養を必要としているのは母親自体の体力を維持し、健康的に出産を行うことと同時に、子どもにも十分な栄養を与えることが目的なのです。

母子栄養支援はこのように妊産婦や乳幼児を支援するものなのです。

私たちが支援する方法

各国では様々な支援が行われていますが、わたしたちも飢餓・食糧問題が起きている国に対してできる支援があります。
それは支援を行っているNGO・NPOに寄付をすることで、間接的に支援を行う方法です。

私たちがNGO・NPOに寄付をしたお金は、現地で利用・配布する物資や支援を行う人員の給与などにあてられ、飢餓の状況に合わせて適した形で活用されます。

私たちが寄付で支援をする方法には、大きく分けて2種類があります。

1つは「その都度支援」で、そのときに支援目的や支援金額を設定して寄付をするというもので、支援したいタイミングで行うことができるという寄付の仕方です。

もう1つは「継続寄付」と呼ばれるもので、銀行口座やクレジットカードを設定しておくことで毎月決まった額を寄付することができるというものです。
毎月手続きをする必要がないので、手間はかかりません。

どちらの場合でも支援目的を指定することができ、特に指定しない場合は使い道を委任する方法もあります。
この場合は、団体の方でそのときにもっとも必要と思われる先に支援するということになります。

食品ロス(フードロス)に取り組むことも飢餓の支援の一環


寄付をするということも大きな支援になりますが、食品ロスも広い意味で支援の一つとなります。

世界で生産されている食料は毎年およそ40億トンとされており、これは全人口を賄うのに十分な量です。
しかし先進国ではまだ食べられる食品が捨てられ、開発途上国では貧困や気候変動、紛争などにより、食料が足りていない「食の不均衡」が起きています。

食品を廃棄処理する際に発生する温室効果ガスは干ばつなどの自然災害の一因となっています。そのため、私たちが食品ロスを減らすことで、気候変動への影響を少なくすることにつながります。

一人ひとりの取り組みが大きな結果となり、飢餓で苦しむ人々の暮らしを変えられるかもしれません。
まずはできることから初めてみてはいかがでしょうか。

(出典:WFP 公式サイト)

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この記事を書いた人
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