アジアでは今、深刻な飢餓問題に直面しており、多くの人が飢餓や栄養不良に苦しんでいます。
この記事では、アジアの飢餓の現状や深刻な飢餓・食糧問題に対して私たちができる支援の方法などを解説します。
世界で最も人口が多く飢餓人口も最大と言われるアジアの飢餓の現状や行われている支援は?
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アジアの飢餓の現状とは
世界では今、飢餓人口の増加による問題が急速に進んでいます。
2017年には世界で8億2,100万人もの飢餓人口となり、9人に1人が飢餓に苦しんでいる状態だと発表されました。
その中でもアジアでは5億1,500万人にものぼり、全体の6割以上をアジアが占めている状態なのです。
深刻な飢餓・食糧問題の背景には気候変動などが影響しており、熱帯から温帯地方における米や小麦、とうもろこしなどの主要作物の生産を脅かしています。
このままでは気温の上昇や豪雨による洪水、サイクロンの発生などさらなる気候の悪化が予測され、作物の不良も増すとされています。
これらの影響で飢餓はより一層深刻となり、栄養不良が拡大すると見られています。
特に極端な気候現象にさらされる国では、栄養不良人口の割合や数が高くなる傾向にあることから、気候変動に敏感な農業システムとなっていることも要因とされています。
(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)
栄養不足と肥満が共存するアジア
アジアでは飢餓人口が非常に多く、2017年時点で1億5,100万人もの子どもが栄養不良で低身長・発育不足になっていると推測されています。
また、慢性的な栄養不足による発育阻害の子どものうち61.2%が南アジアで暮らしているとされています。
その一方で肥満が共存しているのもアジアの特徴です。同じ家庭内でも栄養不良と肥満が共存する状態にさえ陥っています。
飢餓と肥満には密接な関連性があります。
幼少期に発育が阻害された子どもは、その後の人生で過体重となる可能性がより高くなると言われています。
成長とともにスナックや糖分などが過分に含まれる飲み物を接種する割合が増え、運動不足の増加などから肥満傾向になっていくと考えられているのです。
これは栄養のある食糧が高価で入手が困難なこと、食糧不安によるストレス、食糧接種不足による生理学的適用により、空腹を満たすことを目的に過剰摂取してしまい、過体重や肥満のリスクが高まっていることが原因とされています。
(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)
(出典:国連WFP 公式サイト)
飢餓や栄養不良で苦しむ人々のために私たちができることとは
このような飢餓や栄養不良に苦しむ人々に対して、様々な団体が取り組みを行っています。
具体的な取り組みについては後述いたしますが、そのような活動だけでは追いつかないほど飢餓人口は多く、また物資も足りていない状態が続いています。
ここでは私たちができる支援方法について詳しく紹介します。
飢餓・食糧問題に対して行われている支援
アジア諸国の飢餓や栄養不良に苦しむ地域や人々に対して、真っ先に行われるのは食糧支援です。
飢餓に苦しむ人々に対して緊急食糧支援を行い、一刻も早い食糧提供が行われています。
また子どもの栄養不良を改善するため、必要であれば診察から治療を行い、栄養強化ペーストなどを用いた栄養不良の防止も実施されています。
他にも栄養のバランスが取れた給食の提供を行ったり、母子の栄養状態を改善するための栄養指導、ミルクや卵と言ったタンパク源となる家畜の飼育支援なども行われています。
さらに飢餓の原因となる紛争や貧困、干ばつに対しての支援も実施。
紛争地域では食糧をはじめとした支援物資の提供や教育支援、子どもの保護、保健サービスの提供などが行われ、貧困に対しては上記のような支援に加えて、フェアトレードなど適切な収入を得られるようなシステム構築も行われています。
また干ばつと言った自然災害でも緊急支援として食糧などの提供や被害軽減のための用水路や溜池の補修・補強、最低限の生活ニーズの保障などの農業支援事業も実施されます。
寄付でNGO・NPOを応援
このような活動をサポートするのが私たちにできることの一つです。
海外で活動を行うNGO・NPOは寄付金から資金を賄っており、提供される支援物資も寄付金で購入されることが多くあります。
そのため寄付金が滞れば支援できる範囲やその数も減ってしまい、支援を必要とする人々の下に届かなくなってしまうのです。
そこで私たちは活動を応援したい団体を見つけ、寄付を送ることで間接的に飢餓や栄養不良に苦しむ人々を支援することが可能です。
寄付の申込みはインターネットで行うことができ、支払いもクレジットカードやコンビニ決済、銀行振り込みなどから選べます。
そして、寄付は少額から行うことができるため、無理のない範囲で参加できます。
1回限りの寄付や毎月定額を継続的に寄付する方法なども選ぶことができるため自由度の高いのも特徴です。
そして、金に限らず、物資での寄付も可能な団体があります。まだ使えるけど不要となった衣服や文房具、おもちゃなどを送ることで、その売却した金額が寄付となります。
ボランティアで応援
さらにボランティアに参加することで支援団体を助けることもできます。
日本でもできるボランティアとしては、事務作業の手伝いやイベントの補助などがあります。
こうした活動を行うことで、団体の活動を多くの人に知ってもらったり、現地スタッフが支援活動に集中できるようになるのです。
食品ロス(フードロス)を減らす
食品ロスと飢餓にも大きな関係があります。
現在世界では年間で40億トンもの食糧が生産されていますが、そのうちの3分の1である13億トンあまりは廃棄されているのです。
これは小売の段階で条件に見合わないため破棄されるものや、食べきれず捨てられてしまうものの量です。
そしてこれらは先進国での起こることがほとんどであり、破棄された食糧は飢餓に苦しむ人々の食事を補うことも十分な量なのです。
また途上国でも食品の破棄が行われていますが、生産物の保存施設がない、市場まで輸送する手段がないことから起こっています。
さらに、食品を廃棄処理する際に発生する温室効果ガスは干ばつなどの自然災害の一因となっています。そのため、私たちが食品ロスを減らすことで、気候変動への影響を少なくすることにつながります。
食品ロスを減らすための取り組みは、私たちも今日から行うことができます。
一人ひとりの取り組みが大きな結果となり、飢餓で苦しむ人々の暮らしを変えられるかもしれません。
(出典:国連WFP 公式サイト)
一人ひとりの支援がアジアの人々の大きな助けとなる
アジアの飢餓・食糧問題に対しては支援なども行われていますが、私たち一人ひとりの行動が大きな意味を持つことになります。
支援活動の援助はもちろんのこと、普段の生活から食糧について考え、意識して行動していくことでもアジアの人々を救うことにつながっていくのです。
まずはアジアで起きている現状やその原因について知り、私たちができることを行動に移していくことが重要です。