大気汚染

大気汚染の現状とは?日本の最新情報を見てみよう

2020年に日本で流行した新型コロナウイルスをきっかけに、少しづつ感染症と環境汚染の関連性が浮き彫りとなってきました。
しかし、日本の環境汚染の現状などを詳しく知る機会は多くないことから、現状を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、日本における大気汚染の状況や歴史から各産業における大気汚染改善のために行うべき対策、個人でできる大気汚染抑制の心がけについて説明します。

大気汚染は生産・消費活動が原因の可能性も?人に及ぶ被害や影響について知ろう

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日本における大気汚染とは?


日本の大気汚染問題が大きくなったのは、昭和30年代の高度経済成長期と言われています。
この時代は、戦争が終わりを迎え、戦後復興などに必要なエネルギー源を確保するために、大量の石油や石炭が燃やされることで、硫黄酸化物を中心に汚染が深刻化しました。

一時は全国で公害反対運動が激化したことで、法整備や規制が進み大気汚染は改善しました。しかし近年は自動車などを利用する都市・生活型の大気汚染が顕在化し、経済成長の著しいアジア地域からの国を超えた大気汚染も目立つようになったのです。

政府も自動車排出ガス規制やエコカー減税などの対策を講じながらエコエネルギー転換を進めていますが、実際には定められた環境基準には、数値的には足りていません。
多くの問題を引き起こす大気汚染において、特に注目されている物質について解説します。

微小粒子状物質(PM2.5)

微小粒子状物質は待機中に浮遊しており、直径2.5マイクロメートルとかなり小さいことが特徴です。主に工場や自動車、船舶、航空機などの交通手段のばいじんや粉じんなどから発生することで知られています。

微小粒子状物質はかなり小さいことが大きな問題であり、人間が吸引してしまうと肺の奥にまで入り込んでしまいます。
そのため、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系疾患などのリスクを高めると考えられています。

微小粒子状物質(PM2.5)の測定結果

微小粒子状物質の環境基準達成率は、一般局(※1)で93.5%、自排局(※2)で93.1%であり、平成29年度(一般:89.9%、自排局:86.2%)から改善しました。しかし、関東地方の都市部、関西地方の都市部及び沿岸部で環境基準を達成していない地域などもありました。

※1 一般局:一般的な生活空間(住宅地など)に大気汚染物質の測定を目的として設置されている測定局
※2 自排局:汚染状況を監視する測定局のこと(自動車排出ガス測定局の略) 

光化学オキシダント(Ox)

光化学オキシダントとは、自動車や工場・事業場などにより排出される窒素酸化物、揮発性有機化合物などが、太陽からの紫外線を受け光化学反応を起こして作り出される物質です。

光化学オキシダントによって、「喉が痛む」「咳が出る」「涙が異常に出る」などの身体的な被害が報告されています。

光化学オキシダント(Ox)の測定結果

環境達成率は、一般局で0.1%、自排局で0%であり、達成状況は極めて低い水準となっています。

注意報発令レベルの超過割合が多くある関東地域や阪神地域などの域内最高値の経年変化を見ると、平成18〜20年度頃から域内最高値は低下傾向でしたが、近年は横ばいとなっています。

このような点から、光化学オキシダントに対しての対策も行っていく必要があるでしょう。

  • 昭和30年の高度経済成長期に大気汚染の問題は大きくなった
  • 微小粒子状物質の環境基準達成率は、一般:89.9%、自排局:86.2%から一般局で93.5%、自排局で93.1%と改善が見られる
  • 光化学オキシダントの環境達成率は、一般局で0.1%、自排局で0%と低い水準で横ばいになっている
  • (出典:環境省 「平成30年度 大気汚染状況について」,2020)

    大気汚染改善のために行われている対策


    次に、大気汚染改善のための工場・事業場からの排出抑制対策について説明します。

    製造業

    製造業では、大気汚染法によって発生するばい煙は制限されています。
    そのほかにも、大気汚染物質を除去するために、気体中の粒子状物質を分解除去する集じん装置や、排出ガス中の硫黄酸化物(SOx)や窒素化合物を除去する技術の開発導入などが行われています。

    建設業

    建設や工事を行う場合に、公害苦情の多くある粉じん対策や騒音・振動対策など、周辺環境への配慮も行っています。
    アスベストが使用された建築物の解体を行う場合には、届出や作業に従事する人に対して対策を講じることが定められています。

    電力会社

    電力会社は火力発電所から排出される硫黄酸化物や窒素酸化物などを抑制するために、硫黄分の少ない石油燃料を利用するほか、排煙脱硫装置を設置するなどの対策を行っています。

    輸送・物流業界

    運輸・鉄道・航空業界などでは大気汚染物質の排除基準への適合、低公害車や省エネ型機体の開発・導入などを進めています。物流においては貨物輸送を環境負荷の少ない鉄道や海運に転換する「モーダルシフト」によって二酸化炭素や窒素酸化物の排出を抑制しています。

    低公害車の普及

    昨今は、家庭用で利用する乗用車もガソリン車から、水素や電気などを利用するエコエネルギー車やエコエネルギーとガソリンを両方利用する「ハイブリット車」なども増えてきました。

    高い燃費性能などもユーザーから注目されていることから、今後も普及が進むことで大気汚染の改善に貢献することが可能です。

  • 製造業では排出ガス中の硫黄酸化物(SOx)や窒素化合物を除去する技術の開発導入、電力会社でも排煙脱硫装置を設置し対策を行っている
  • 貨物輸送を鉄道や海運に転換する「モーダルシフト」により二酸化炭素や窒素酸化物の排出を抑制
  • 水素や電気などを利用するエコエネルギー車やエコエネルギーとガソリンを両方利用する「ハイブリット車」が増加している
  • (出典:国立環境研究所「ばいじん除去技術」)
    (出典:環境省「解体等工事を始める前に」)
    (出典:国立環境研究所「排煙脱硫技術」)
    (出典:環境省「大気汚染を防ぐために」)

    大気汚染抑制のために私たちができる心がけ


    最後に、大気汚染抑制のために私たちができる対策について解説します。

    自家用車・バイクを使う頻度を減らす

    通勤などで自動車・バイクを利用している人は、交通手段を公共交通手段や徒歩、自転車などに切り替えるだけでも環境汚染に大きな効果があります。

    排気ガスは車の走行中以外にも、信号待ちなど進んでいないときでも排出されています。
    止むを得ず車やバイクに乗らないといけない場合でも、「アイドリング・ストップ」などを心がけることも大切です。

    レジ袋を使用しない

    レジ袋などで利用されているほとんどのプラスチックは石油や天然ガス、石炭など再生不可能な資源による素材であるポリプロピレンからできています。このような素材を取り出し製造する過程で温室効果ガスが生まれ、地球温暖化をさらに進める一因となっています。

    プラスチック製造には世界の石油資源の6%を使用されているとも言われており、「レジ袋を利用しない」だけでも環境汚染に大きく寄与することができるのです。

    こまめに電気を消す

    生活をしている中で、私たちは多くの電力を消費しています。
    しかし、実際に利用している電力の中でもコンセントに差したままにしていることで発生している待機電力など不要な部分も多くあるのが事実です。

    不要な電力を使わないという意識も大気汚染改善につながります。

  • バイクや車に乗る場合は「アイドリング・ストップ」を心がける
  • レジ袋は製造の過程でも温室効果ガスを発生させるため、利用を避ける
  • 電気を消すだけでなく、不要なものをコンセントに差したままにせずこまめに抜く
  • 大気汚染の現状を理解し対策に取り組もう!

    大気汚染問題は改善と悪化を繰り返しながらも、私たちが未来に向けて考えなければいけない問題です。

    大気汚染物質を多く排出している工場・事業場はもちろん様々な対策に取り組んでいます。しかし、工場・事業場だけでなく私たちの生活からも、汚染物質は排出されています。
    そのため、私たち一人ひとりが意識し大気汚染物質抑制を行っていくことが必要になります。

    意識すればすぐに取り掛かれることも多くあるため、現状を深く知りできることから対策を始めてみてはいかがでしょう。

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