大気汚染

大気汚染が新型コロナウイルス感染症に影響を及ぼす!?

2020年初めから、中国・武漢を起源として発生した新型コロナウイルスは、世界に瞬く間に広がり、2020年8月時点でも世界的なパンデミックを引き起こしています。

感染の潜伏期間が長いことから無症状で人に移る特性があり、世界では「withコロナ」と呼ばれる新型コロナウイルスと共生していく生活様式へのシフトを余儀なくされています。

ワクチンもできておらず、未だに分からないことが多い新型コロナウイルスですが、実は大気汚染と大きな関連性があるのをご存知でしょうか。

この記事では、新型コロナウイルス感染症による外出制限が大気汚染に及ぼす影響について様々な観点から紹介します。

大気汚染は生産・消費活動が原因の可能性も?人に及ぶ被害や影響について知ろう

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新型コロナウイルスによる世界の大気汚染への影響


新型コロナウイルスの感染拡大により、世界各国の政府機関が主導となりそれぞれの国で大幅な外出制限などを実施しました。不要不急の外出をした場合には罰金刑・禁固刑などに処す国も珍しくありません。

外出制限中は、人の動きを抑制するために、店舗営業を生活に不可欠な「エッセンシャルビジネス」(※)のみに制限しました。
経済活動を一時的に凍結する処置を行ったことで、深刻さを極めていた大気状態に大きな変化が現れています。

※エッセンシャルビジネス:生活する上で必要なビジネス(スーパー、銀行、病院など)

スペイン

スペインにおいては、3月12日から感染者が増加傾向にあったバルセロナ近郊で都市封鎖を行い、3月14日からはスペイン全土で移動制限を実施しました。
これにより、首都であるマドリードと観光の中心都市であるバルセロナの道路交通が通常時より大幅に減少、また車から排出される有害ガスも減少したため、汚染レベルは急落したのです。

インド

インドでは新型コロナウイルス感染拡大により、3月25日から都市封鎖を開始しました。
6月1日からロックダウンは解除され、公共交通機関や商業施設の営業が再開されましたが、未だに感染者の数は増加の一途をたどっています。

首都・ニューデリーなどがあるインド北部では、深刻な大気汚染問題に悩まされていましたが、新型コロナウイルスにおける封鎖措置により汚染が20年ぶりの水準に改善したとされています。

短時間で劇的に大気汚染が改善されたことによって、インド北部にあるパンジャブ州では、200キロ近く離れたヒマラヤ山脈が数十年ぶりに見晴らせるようになり、世界からも驚きの声が広がっています。

中国

中国では衛星で観測した二酸化硫黄の濃度が、去年の旧正月と比較して35%減少したと報告されました。
この数値は、石炭を燃やす工場や発電所、石油を燃やす交通や工業が感染症対策によって大きな影響を受けたことに起因しています。

営業規制、従業員が休暇から戻らない、移動制限による需要低下などで多くの工場で閉鎖や低稼働での運用を余儀なくされました。

しかし、二酸化炭素排出量については、発電所・工場・ビル・商業施設における排出量削減と、家庭からの排出量増加によって大きな減少には至っていないとされています。
そして、新型コロナウイルスの感染が落ち着いてきた5月の大気汚染状態を見ると、二酸化炭素濃度に関してはすでに例年レベルに戻ったと報告されています。

  • 他国では不要不急の外出をした場合には罰金刑・禁固刑などに処す国もあった
  • インド全土のロックダウン(都市封鎖)によって、大気汚染が改善したとされている
  • 中国では、工場などの閉鎖や低稼働により二酸化炭素の排出量が削減と家庭からの排出量増加により大きな改善は見られなかった
  • 経済発展と比例して進む大気汚染


    大気汚染の影響が大きくなる原因としては、経済発展が大きく関わっています。
    日本においても、昭和20年〜30年代に迎えた高度経済成長によって、東京都や大阪府などの幾つかの地方公共団体で公害防止条例が制定されました。
    また、高度経済成長初期から全国の工業都市に住む住人に、大気汚染が原因とされる呼吸器障害が発生しています。
    石油・石炭を燃やす際に発生する硫黄と酸素が結びついて発生する「硫黄硫化物」や、工場の煙や自動車の排出ガスに含まれている目に見えない細かい粒である「ばいじん・粉じん」などが時代とともに増加しています。
    しかし、近年はエコカーと呼ばれる電気自動車や、エコエネルギーとガソリンを両方利用するハイブリットカーなどの普及も進み始めており、日本では大気汚染の改善に向けて進んでいます。

  • 高度経済成長初期から全国の工業都市に住む住人に、大気汚染が原因とされる呼吸器障害が発生
  • 「硫黄硫化物」「ばいじん・粉じん」などが時代とともに増加
  • 近年、エコカーやハイブリットカーの普及により、大気汚染の改善が進められている
  • (出典:独立行政法人 環境再生保全機構「高度経済成長前半の大気汚染(1945年~64年:昭和20~30年代)」)

    大気汚染が人体に及ぼす影響とは?


    前提として、先進国における主な大気汚染物質とは「二酸化窒素」「オゾン」「個体または液体の浮遊粒子」が挙げられます。そのほか身近な例では「タバコの副流煙」も、屋内の空気汚染の重要な発生源とされています。

    喘息などを持つ患者は、空気が高度に汚染されていることで、発作が誘発される確率が高まります。
    また大気汚染に関連する肺疾患があると、心臓と血管の病気、肺がんのリスクも増大します。
    そのほかにも交通量の多い地域に暮らしている人は、そうでない人に比べてリスクが上がるのです。

    もともと呼吸器系の疾患を持っていなかったとしても、特に小児は、大気汚染物質に長期間晒されると呼吸器感染症にかかりやすくなり、呼吸器疾患の症状(せき・呼吸困難)が増え、肺機能が低下するとされています。
    健康面においても、大きな影響を及ぼすことから、大気汚染の改善は喫緊の課題と言えるのです。

  • 主な大気汚染物質とは「二酸化窒素」「オゾン」「個体または液体の浮遊粒子」のほかに「タバコの副流煙」も発生源とされている
  • 大気汚染に関連する肺疾患があると、心臓と血管の病気、肺がんのリスクも増大
  • 小児は、呼吸器疾患の症状(せき・呼吸困難)が増え、肺機能が低下する可能性がある
  • 大気汚染減少のために私たちに必要な行動とは?


    新型コロナウイルス対策によって日本でも経済活動停止などで一時的に大気汚染は改善されました。しかし、経済再開とともに大気汚染レベルは例年並みに戻ることが危惧されているのも事実です。
    健康面で大きな問題が生じる大気汚染を改善するため、未来を見据えて求められる行動を解説します。

    交通手段を変える

    私たちが身近に利用する自動車やバイクなどが、大気汚染を進行させる要因となっています。
    この点から、毎日の通勤を車やバイクから公共交通機関・自転車・徒歩に変えるだけでも、年間で多くの大気汚染の原因削減に寄与できます。

    電気に対する意識を変える

    私たちが何気無く利用している電気も、発電時や使用時に大気汚染物質を排出しています。
    そのため、「電化製品や照明のスイッチをこまめに切る」「エアコンのフィルター掃除を定期的に行う」などを実施することが求められます。

    声を上げる

    まずは、大気汚染の現状を知り、周りに広げることで大気汚染削減効果は何倍にも広がっていきます。
    大気汚染が引き起こす問題を強く捉えて、意識を高めていくことが求められるのです。

  • 自動車やバイクなどが、大気汚染を進行させる要因
  • 電気も、発電時や使用時に大気汚染物質を排出している
  • 大気汚染が引き起こす問題を強く捉えて、意識を高めていくことが求められる
  • 健康な生活を守るために、大気汚染改善に向けて行動を始めよう!


    新型コロナウイルスによる「エッセンシャルビジネス」の影響で自動車や工場の稼働が減り、大気汚染の改善が見られたことが分かりました。
    しかし、新型コロナウイルスが落ち着き外出制限が緩和されることで、大気汚染が例年レベルに戻ったとされる国もあります。

    私たちが健康的な生活を送るためにも、一人ひとりが大気汚染問題を知り、取り組んでいくことが求められます。
    この記事をきっかけに、ぜひ小さな取り組みから始めていきましょう。

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