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九州北部豪雨復興出張所とは?目的や事業の内容について詳しく紹介

この記事を要約すると

九州北部豪雨では、その被害の大きさから今も復興に向けた取り組みが各所で行われています。災害が発生した2017年から2年が経過していますが、その爪あとは今も見受けられるのです。

被災地の復興をいち早く行うため、福岡県では九州北部豪雨復興出張所を設置しました。
この出張所の目的や事業について詳しく紹介します。

九州北部豪雨の被害の大きさを振り返り、私たちにできることや豪雨への対策を考えよう

なぜ北九州豪雨で土砂災害が続出したか?


九州北部豪雨では予想を超えた降水量が記録されています。
これは2017年7月5日から6日にかけて対馬海峡付近に停滞した梅雨前線が引き起こしたものですが、この梅雨前線は雨雲が帯状に連なることで発生した線状降水帯であり、記録的な降水量となりました。

この線状降水帯は発達しながら九州へと移動し、長時間猛烈な雨を降らせます。総降水量は500ミリ超、福岡県朝倉市や日田市では24時間の降水量は観測史上第1位を記録する降水量となっていたことで、河川の氾濫やそれによる浸水などの被害が相次ぐこととなったのです。

また、豪雨による二次災害では土石流や地すべり、がけ崩れが多数発生し、土砂災害発生件数は307件にものぼりました。ここまで被害が大きくなった背景には、この土地の性質も関わっていたとされています。

被害につながった土砂は真砂土と呼ばれる地質でした。真砂土は雨に弱く、杉の流木などが大量に流れ込んだことにより土地を支えきれず大規模な土砂災害となって広範囲で地滑りなどを起こしてしまったと考えられています。

さらに真砂土は花崗岩が風化してできた砂上の土壌であるためもろい性質を持っており、同様に雨による流木などの流入に耐え切れなくなり、流れ出てしまったとの見方もあります。

(出典:内閣府「防災情報のページ」)
(出典:国土交通省公式サイト)

九州北部豪雨復興出張所の目的や事業とは


このような甚大な被害を受け、国が福岡県知事の要請を受ける形で平成30年(2018年)3月に九州北部豪雨復興出張所を設立しました。

この出張所では被害が大きかった赤谷川流域を中心に、豪雨の被害直後から二次災害防止のために、河川の応急復旧や砂防事業による応急対応工事を実施することを目的としています。
また本復旧に向けた国による河川・砂防事業が一体となった事業展開を行うことを決定し、早期の復旧・復興に向けた取り組みを行っています。

本来は発災直後から赤谷川流域において堆積土砂や流木の除去、砂防工事などが行われていましたが2018年3月30日に正式に「九州北部豪雨復興出張所(九州北部豪雨復興センター)」を設立。福岡県知事からの要請により、国が権限代行により緊急的な河道の確保に向けた土砂等の除去を実施する運びとなったのです。

九州北部豪雨復興出張所が行っていること


九州北部豪雨復興出張所は、復旧や復興に関した事業を進める権限を福岡県知事より与えられています。

これはもともと福岡県知事より応急復旧要請を受けているからであり、特に被害が大きく復旧・復興が困難な赤谷川流域をいち早く元の状態に戻すことを目的に設立されています。

これにより、事業としては直轄のものだけでなく代行工事の決定なども行っています。
河川の復旧工事については権限代行工事、砂防に関する工事は直轄砂防事業として行われているのが特徴で、復旧・復興の加速を目的に設置された役割を担っています。

権限代行工事を行うことで、都道府県の工事実施体制や技術上の制約により高度な技術を必要とする工事ができない場合でも、国土交通大臣又は水資源機構が都道府県に代わって工事ができるため、地域の河川をより安全に維持することに繋がります。

それぞれどのような活動を行ったか時系列で見てみましょう。

河川(権限代行工事)

平成29年7月17日 知事により応急復旧要請
平成29年7月19日 応急復旧工事の権限代行を決定、同日応急復旧工事着手
平成29年11月30日 知事により本復旧要請
平成29年12月1日 九州北部緊急治水対策プロジェクト開始、同日本格的な復旧工事の権限代行を決定

砂防(直轄砂防事業)

平成29年8月10日 知事により要請
平成29年8月15日 応急対策工事着手(直轄砂防災害関連緊急事業)
平成29年12月1日 九州北部緊急治水対策プロジェクト開始、
特定緊急砂防事業に着手

これらの復旧事業により、2018年(平成30年)5月末には赤谷川や大山川の原型復旧がほぼ完了しています。また二次災害防止のために赤谷川や大山川だけでなく乙石川を含め改良復旧も行っています。

このような権限代行制度は、平成29年に施行された改正河川法で新たに創設された制度であり、実施については全国初の試みでもありました。

ドローンによる映像で復旧の様子が見られる

この事業ではドローンを用いた復旧状況の撮影も新たな試みとして行われています。

このような災害は範囲が広大であるため、復旧状況を知ることはこれまで困難でしたが、ドローンによる空撮により細かく進捗状況を撮影することができ、それをウェブで公開することで誰もが確認できるようになりました。

(出典:国土交通省 九州地方整備局公式サイト)
(出典:全測連九州地区協議会)

九州北部豪雨の復興・復旧を応援しよう


九州北部豪雨では今も復興や復旧に向けた活動が続けられています。

災害発生当事と比べて支援活動を行う団体やボランティアこそ減ったものの、今も支援を必要としている人は多くいます。

寄付や義援金を送るなど、私たちにできことを考え行動に移すことで、復興や復旧の応援をしてみてはいかがでしょうか。

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