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東海地方で過去にあった台風・大雨による過去の災害は?

この記事を要約すると

東海地方は日本でも中央部に位置し、これまでも台風や大雨による被害がありました。近年も台風の接近や上陸により、記録的な大雨が降るなどその影響は大きいです。

では過去にこの地域ではどのような災害に見舞われたのでしょうか、この記事で紹介します。

大雨・台風による被害や防災対策は?日本であった過去の災害とは

静岡・愛知は台風の上陸回数が多い


東海・中部地方への台風の上陸回数ですが、以下の表を見てもらうと静岡県や愛知県に多いことがわかります。

この2県は太平洋側に位置しており、台風が接近、あるいは上陸しやすい場所にあることも理由の1つといえるでしょう。

順位 地方 都道府県 上陸数
1 九州 鹿児島県 41
2 四国 高知県 26
3 近畿 和歌山県 24
4 中部 静岡県 20
5 九州 長崎県 17
6 九州 宮城県 14
7 中部 愛知県 12
8 関東 千葉県 9
9 九州 熊本県 8
10 四国 徳島県 7

(出典:気象庁「上陸数が多い都道府県」)

※統計期間は1951年~2019年第19号まで

台風の上陸の定義とは

台風の上陸には定義があります。

気象庁では台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合、「日本に上陸した台風」としています。

ただし、小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出る場合は上陸ではなく「通過」としています。

そのため沖縄県の上空を通過しても上陸とは言いません

  • 東海地方の中でも愛知県、静岡県は台風の上陸回数が多い
  • 太平洋側に位置しており、台風が接近、あるいは上陸しやすいと考えられる
  • 台風が上陸する定義は「台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合」とされている

(出典:気象庁「台風の上陸」)

過去20年間で東海地方に甚大な被害をもたらした台風


過去20年間に東海地方に甚大な被害をもたらした台風を紹介します。

主には記録的な大雨や暴風などにより被害を受けたものを取り扱っていますが、被害数などは全体のデータをまとめています。

2000年(平成12年)

2000年には台風14号が東海地方の複数県に記録的な大雨をもたらし、浸水被害を出しています。

台風第14号

台風14号は9月2日にマリアナ近海で発生し、12日19時過ぎに沖縄本島を通過。
16日に朝鮮半島北東岸で温帯低気圧に変わっています。台風は上陸していませんが、前線の活動が活発となり、愛知、三重、岐阜県の東海地方を中心に記録的な大雨となりました。名古屋では日降水量が428mm、2日間の合計降水量が567mmに達しています。
また大雨は静岡県にもおよび、広い地域で2日間の合計降水量が200~400mmとなったところもありました。

人的被害[全国] 人数
死者 10名
行方不明者 2名
負傷者 118名
住家被害[全国] 棟数
全半壊 30棟
一部損壊 176棟
床上浸水 22,885棟
床下浸水 46,342棟

(出典:気象庁「災害をもたらした気象事例 停滞前線、台風第14・15・17号」)

2001年(平成13年)

2001年には三重県を中心に非常に強い風を起こした台風11号が上陸しています。

台風第11号

8月14日にマリアナ諸島近海で発生し台風は、21日に和歌山県田辺市付近に上陸。その後22日に三重県南部を通り、静岡県沼津市へと進んでいます。
この台風により、三重県尾鷲市では21日の日降水量が549mm、期間降水量734.5mmを記録し、東海地方では平野部でも期間降水量が200mm前後となったところがありました。

また、三重県津市で最大風速24.8m/s、最大瞬間風速33.1m/sも観測しています。

人的被害[全国] 人数
死者 6名
行方不明者 1名
負傷者 29名
住家被害[全国] 棟数
全半壊、一部損壊 166棟
床上浸水 300棟
床下浸水 882棟

(出典:気象庁「災害をもたらした気象事例 台風第11号」)

2002年(平成14年)

この年の台風6号と台風21号も上陸はしていないものの、東海地方で大雨をもたらしました。

台風第6号

台風6号は6月29日にトラック島近海で発生し、非常に強い勢力となって、11日に千葉県館山市付近に上陸しました。
東海地方に上陸はしていませんが、梅雨前線が本州上に停滞し活発化したため、中部地方から東北地方にかけて大雨となりました。
9日から10日にかけて岐阜県では1時間に90mm以上の激しい雨が降り、期間降水量は岐阜県根尾村で510mmを観測しています。
また静岡市で318.5mmとなるなど、東海、関東、東北地方の平野部でも期間降水量が200mmを超える大雨となったところがありました。

人的被害[全国] 人数
死者 6名
行方不明者 1名
負傷者 39名
住家被害[全国] 棟数
全壊 27棟
半壊 55棟
一部損壊 415棟
床上浸水 2,453棟
床下浸水 8,400棟

(出典:気象庁「災害をもたらした気象事例 台風第6号、梅雨前線」)

2003年(平成15年)

2003年の台風10号も三重県で非常に多くの雨を降らせています。

台風第10号

台風10号は8月3日にフィリピンの東海上で発生し、9日は兵庫県西宮市付近に上陸後、その後台風は勢力を弱めながら北陸から東北地方を通過しました。
8月7日から9日までの期間の降水量は、三重県などで400mmを超える大雨を記録しています。

人的被害[全国] 人数
死者 17名
行方不明者 2名
負傷者 94名
住家被害[全国] 棟数
全壊 28棟
半壊 27棟
一部損壊 559棟
床上浸水 389棟
床下浸水 2,009棟

(出典:気象庁「災害をもたらした気象事例 台風第10号」)

2004年(平成16年)

2004年の台風21号は1時間単位で猛烈な雨を観測しており、深刻な土砂災害などを引き起こしています。

台風第21号

9月21日にグアム島の西南西海上で発生した台風は、29日に大阪市付近に再上陸し、北陸地方を通過後、30日に東北地方で温帯低気圧となりました。
この台風により29日の1時間に三重県尾鷲市で133mm、三重県宮川村で139mmの猛烈な雨を観測しました。
また台風と前線の影響による期間降水量は尾鷲市で900mmを超えています。
この大雨の影響により、三重県宮川村で大規模な土砂災害が発生し、多くの被害を出しました。

人的被害[全国] 人数
死者 26名
行方不明者 1名
負傷者 107名
住家被害[全国] 棟数
全壊 75棟
半壊 818棟
一部損壊 1,629棟
床上浸水 5,385棟
床下浸水 15,431棟

(出典:気象庁「災害をもたらした気象事例 台風第21号、秋雨前線」)

2011年(平成23年)

2011年には台風12号と台風15号が東海地方を襲い、三重県、愛知県、静岡県で死傷者を出しています。

台風第12号

8月25日にマリアナ諸島の西海上で発生した台風は、大型で強い台風となり、3日に高知県東部に上陸。
西日本の太平洋側を中心に平均風速20m/sを超える非常に強い風により、海上では波の高さが6mを超える大しけ、沿岸では高潮となりました。
各地で台風による土砂災害、浸水、河川の氾濫などにより、三重県などで多くの死者、行方不明者を出しています。

人的被害[全国] 人数
死者 82名
行方不明者 16名
負傷者 113名
住家被害[全国] 棟数
全壊 379棟
半壊 3,159棟
一部損壊 470棟
床上浸水 5,500棟
床下浸水 16,594棟

(出典:気象庁「平成23年台風第12号による8月30日から9月5日にかけての大雨と暴風」)

台風第15号

9月13日に日本の南海上で発生した台風は、強い勢力を保ったまま21日に静岡県浜松市付近に上陸し、東海地方から関東地方、そして東北地方の北東を通過しました。
上陸後も強い勢力を保ちながら進んだことにより、西日本から北日本にかけての広い範囲で、暴風や記録的な大雨となりました。
この暴風と大雨により静岡県や愛知県などで死者、行方不明者を多数出す被害となりました。

人的被害[全国] 人数
死者 19名
行方不明者 1名
負傷者 425名
住家被害[全国] 棟数
全壊 34棟
半壊 1,524棟
一部損壊 3,665棟
床上浸水 2,270棟
床下浸水 6,297棟

(出典:気象庁「台風第15号による暴風・大雨」)

2013年(平成25年)

2013年の台風18号は東海地方で猛威を奮い、非常に多くの雨や暴風を巻き起こしており、被害も拡大しています。

台風第18号

9月13日に小笠原諸島近海で発生した台風は、大型の台風となり暴風域を伴いました。その後北上を続け、16日に暴風域を伴ったまま愛知県豊橋市付近に上陸。
これにより三重県などで竜巻などの突風が発生しました。
また総雨量では三重県宮川で575.5mm、東海地方を中心に400mmを超え各地で統計開始以来の観測史上1位を更新しました。
さらに愛知県セントレア空港では26.3m/sの最大風速を観測しています。

人的被害[全国] 人数
死者 6名
行方不明者 1名
負傷者 143名
住家被害[全国] 棟数
全壊 48棟
半壊 208棟
一部損壊 1,394棟
床上浸水 3,011棟
床下浸水 7,078棟

(出典:気象庁「台風第18号による大雨」)

2014年(平成26年)

この年は2つの台風と前線の影響により記録的な豪雨となりました。そのため甚大な被害となっています。

平成26年8月豪雨(台風第11号)

台風11号は7月29日にマリアナ諸島付近で発生し、強い勢力で日本の南海上を北上.。10日に高知県安芸市付近に上陸した後、次第に速度を速めながら四国地方、近畿地方を通過しました。

先に通過した台風12号や台風11号の周辺の風と高気圧縁辺の風の影響で、8月5日から10日にかけて、前線が西日本の日本海側から北日本にかけて停滞。

これらの影響を受けて全国各地で大雨となったほか、台風12号の接近と台風第11号の接近および上陸により、8月7日から11日にかけて沖縄・奄美から東海地方にかけて暴風となりました。
そして台風11号による被害は北陸、東海、近畿、中国、四国など広範囲に及びました。

人的被害[全国] 人数
死者 6名
負傷者 92名
住家被害[全国] 棟数
全壊 14棟
半壊 162棟
一部損壊 857棟
床上浸水 1,648棟
床下浸水 5,163棟

(出典:気象庁「台風第12号、第11号と前線による大雨と暴風」)

2017年(平成29年)

西日本から東北地方の広い範囲で、様々な被害を出したのがこの年の台風21号です。

台風第21号

10月16日にカロリン諸島で発生した台風は、23 日に超大型で強い勢力のまま静岡県御前崎市付近に上陸。
台風を取り巻く発達した雨雲や本州付近に停滞した前線の影響により、西日本から東日本、東北地方の広い範囲で大雨となっています。
これにより三重県伊勢市小俣で539mmとなり、観測史上 11位の値を更新しています。
また21日から23日にかけての降水量が近畿地方や東海地方を中心に500mmを超える記録的な大雨となりました。
これらの影響で西日本から東北地方の広い範囲で河川の氾濫や浸水被害、土砂災害などが発生しています。

人的被害[全国] 人数
死者 8名
負傷者 215名
住家被害[全国] 棟数
全壊 5棟
半壊 15棟
一部損壊 630棟
床上浸水 2,456棟
床下浸水 3,426棟

(出典:気象庁「台風第21号及び前線による大雨・暴風等」)

2018年(平成30年)

停滞していた前線と台風の接近による影響で、広範囲に大雨を降らせ、各地で特別警報が出るほどの災害となったのが、平成30年7月豪雨です。

平成30年7月豪雨

6月28日から北日本に停滞していた前線は、7月5日には西日本まで南下してその後停滞しました
また6月29日に日本の南で台風7号が発生しましたが、この前線と台風の影響により、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨となりました。

6月28日から7月8日までの総降水量が東海地方で1,200mmを超えるところがあるなど、7月の月降水量平年値の2~4倍となる大雨となったところがありました。

また東海地方を含む多くの観測地点で24、48、72時間降水量の値が観測史上第1位となるなど、広い範囲における長時間の記録的な大雨となっています。
この影響で岐阜県などの1府10県に特別警報を発表し、最大限の警戒が呼びかけられました。

人的被害[全国] 人数
死者 224名
行方不明者 8名
負傷者 459名(重傷113名、軽傷343名、程度不明3名)
住家被害[全国] 棟数
全壊 6,758棟
半壊 10,878棟
一部損壊 3,917棟
床上浸水 8,567棟
床下浸水 21,913棟

(出典:気象庁「平成30年7月豪雨(前線及び台風第7号による大雨等)」)

台風第24号

9月21日にマリアナ諸島近海で発生した台風は、非常に強い勢力で30日に和歌山県田辺市付近に上陸し、その後東日本から北日本を縦断しました。
東海地方には上陸していないものの、広い範囲で暴風や大雨、高波、高潮となったことにより、南西諸島及び西日本・東日本の太平洋側を中心に、これまでの観測記録を更新する猛烈な風または非常に強い風を各所で観測しました。
高潮については、三重県尾鷲市で最高潮位145センチメートルなど、過去最高潮位を超える値を観測しています。
雨については、9月28日から10月1日までの総降水量が東海地方などで400mmを超えたところや9月の月降水量平年値を超えたところもありました。

人的被害[全国] 人数
死者 1名
行方不明者 1名
負傷者 195名
住家被害[全国] 棟数
全壊 14棟
半壊 94棟
一部損壊 1,749棟
床上浸水 22棟
床下浸水 115棟

(出典:気象庁「台風第24号による暴風・高潮等」)
(出典: 内閣府 防災情報のページ「平成30年台風第24号に係る被害状況等について」)

※2018年10月2日時点

2019年(平成30年)

2019年に千葉県を襲った台風19号は、東海地方にも影響を及ぼし、多くの観測地で記録的な大雨を記録するなど、大きな災害をもたらしました。

台風第19号

台風19号は10月6日に南鳥島近海で発生し、一時大型で猛烈な台風に発達した後、12日に大型で強い勢力のまま伊豆半島に上陸。
台風の接近・通過に伴い、特に静岡県や新潟県などの多くの地点で3、6、12、24 時間降水量の観測史上1位の値を更新するなど記録的な大雨となりました。
またこの大雨について、12日から静岡県や長野県など1都12県に大雨特別警報を発表し、最大級の警戒を呼びかけています。
波については、波高が静岡県石廊崎で13 メートルが観測されたほか、高潮についても静岡県や伊豆諸島で過去最高潮位を超える値を観測したところがありました。

人的被害[全国] 人数
死者 98名
行方不明者 3名
負傷者 484名
住家被害[全国] 棟数
全壊 2,902棟
半壊 20,616棟
一部損壊 24,490棟
床上浸水 17,581棟
床下浸水 25,628棟

(出典:気象庁「台風第19号による大雨、暴風等」)

(出典:国土交通省「令和元年台風第19号等に係る被害状況等について」)

※2019年12月4日時点

(出典:気象庁「災害をもたらした気象事例(平成元年~本年)」)

気候変動の影響により大雨や豪雨が増える可能性


近年は気候変動が進行しており、日本も影響を受け大雨の発生数の増大や台風の大型化が相次いでいます。
今後も短時間強雨や大雨の発生数増大、発生頻度や降水量の増大も予測されるなど、さらなる被害の発生が懸念されます。
そのため集中豪雨や台風が多発する夏期には、これらに対する防災や備えをする必要性が高まります。

(出典:国土交通省「第I部 安全・安心社会の確立に向けた国土交通行政の展開」)

大雨・台風による水害に備えよう


大雨や台風は各地に様々な被害をもたらします。特に記憶に新しいのは大雨による河川の氾濫やそれに伴う浸水被害です。

他にも土砂災害や暴風による家屋の損壊などがありますが、未然に防ぐことは難しいものもあります。

そのためまずはこれらの災害が起きても身を守れるよう、防災への備えをしっかりと行うことが大切です。

避難場所や避難経路をおさえ、大雨や台風が近づいてきたら早々に安全な場所に避難することで、被害から身を守ることができます。

大雨や台風は予報によりある程度の備えができるため、水害に対してしっかりと備え、いつでも対応できるようにしておくことをおすすめします。

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