大雨・台風

台風の目とはどんな意味?台風の目の中は安全なの?

私たちが生活する日本列島では、7~10月にかけて台風が多く上陸します。台風の時期になると、ニュースや天気予報で「台風の目」という言葉を耳にする機会も増えるのではないでしょうか。

この記事では、台風の目の意味や仕組みを中心に紹介します。台風の目に関する正しい知識を持って、台風への防災意識を高めましょう。

大雨・台風による被害や防災対策は?日本であった過去の災害とは

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台風の目(台風の眼)とは?


台風は、上から見て半時計回りの渦を巻いていますが、その渦巻きの中心には目のように空いた穴の部分があります。それが台風の目です。

台風の目の中は雨や風が比較的弱く、青空が見えることもある程の穏やかな領域です。しかし、台風の目の中心から離れるにつれ、周辺では強い雨風が吹き、危険を伴います。
激しい台風から身を守るためにも、まずは台風の目の意味や、台風の目はどのようにしてできるのかを理解しましょう。

台風の目の意味

気象予報用語としての台風の目(英語表記:eye of the typhoon)は、台風の中心(気圧の最も低い場所)付近にある、風が弱く雲が少ない部分を指す言葉です。
気象庁によれば、台風は巨大な空気の渦巻きとなっており、反時計回りに強い風が吹き込むとされています。進行方向に向かって右側は、台風の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に吹くことから、風が強くなり被害が生じやすくなります。

ちなみに台風の目という言葉は、気象予報用語としてだけでなく、慣用句や運動会の競技としても使われます。
慣用句としての台風の目は、大きく世を賑わせている物ごとの中心人物を意味しています。
そして、運動会の台風の目は、4~5人で1チームとなり、全員で長い棒を持ってコース中心にある三角コーンを一周し、ゴール(出発点)を目指して戦うリレー競技です。

台風の目はなぜできる?

台風の目ができる理由には、遠心力が大きく関わっています。
台風の中では強い風が中心部に向かって反時計回りに吹き込んでおり、台風の中心では空気がとても速く回転しているため、外側に引っ張られる「遠心力」が強く働きます。

この台風に働く遠心力によって雲が外に弾かれてしまい、中心に向かって風が吹き込めなくなる部分が生じます。この風が吹き込めなくなる部分が、台風の目となるのです。

  • 台風の目とは、台風の中心(気圧の最も低い場所)付近にある、風が弱く雲が少ない部分を指す
  • 台風の目ができる理由には、遠心力が大きく関わっている
  • 台風の目の中は安全?


    台風の目の中は比較的風が弱く、雲のない晴れた空になることもあることから、「台風の目の中は安全だ」と思っている人もいるかもしれません。
    しかし、台風の目の中にいるからといって、必ずしも安全というわけではないのです。
    次に、台風の構造や仕組みに触れて、台風の目の中は安全なのかを理解していきましょう。

    台風の構造や仕組み

    台風は、一年中熱帯地域の海上で、最も多く発生しています。
    熱帯地域の海上に空気の渦ができると、渦の中心に向かってたくさんの水蒸気を含んだ空気が流れ込み、上昇気流が発生して雲ができます。

    作られた雲は高く成長して積乱雲になり、水蒸気が水粒へと変化します。このとき、多くの熱を放出し、熱が周りの空気を温めることで、上昇気流はさらに強くなります。
    これらが繰り返されることによって、最初は小さな渦でも大きな渦となり、熱帯低気圧が発生します。そして、熱帯低気圧がさらに発達し、台風となるのです。

    台風は巨大な空気の渦巻きで、高さは発達したもので約15キロメートルあります。
    台風の下層では、反時計回りに台風の中心に向かって空気が吹き込みながら上昇を、台風の上層では時計回りに空気が発散されています。

    そんな台風の中心付近が台風の目となっており、台風の目では下降気流が見られます。そのため、上昇気流がなく雲もないことから、雨風は弱まる仕組みとなっているのです。
    しかし、台風の目の周辺は、強烈な暴風雨になります。そのため、台風の目を抜けた後は危険性を伴います。
    また、強烈な暴風雨となる台風の目の周辺のすぐ外側は、強い雨が連続的に降ります。

    そして、台風の目の外側(台風の中心から200~600キロメートル)は、断続的に激しいにわか雨や雷雨、竜巻を引き起こすことがあるのです。
    このことから、台風の目だからといって、決して安全ではないことが分かります。

    台風の目の中はなぜ晴れる?

    台風は強い風が中心に向かって反時計回りに吹き込んでおり、特に台風の中心では空気がとても速く回転しています。速く回転することで遠心力が働き、雲が外側に強く引っ張られることから、台風の目の中には雲が見えなくなります。
    雲を作るような上昇気流も台風の中心にはないため、穏やかな晴れた天気となるのです。

    台風の目の中は風も吹かない?

    台風の目の中は、台風の強い風で生じた遠心力によって、外側に強い力が働いています。そのため、中心まで風は吹き込むことができず、風がほとんど吹くことはありません。

    しかし、台風の目に入ったときの風の吹かない状態は束の間の平穏であって、決して安全ではありません。
    台風の目が通過した後は、風向きが反対の強い風が吹き込んでくるため、引き続き防災意識を持って対策をする必要があります。

  • 台風は巨大な空気の渦巻きで、高さは発達したもので約15キロメートルある
  • 台風の目の周辺は、強烈な暴風雨になる
  • 台風の目が通過した後は、風向きが反対の強い風が吹き込んでくる
  • 台風の目の大きさで台風の勢力が分かる?


    台風の目の直径はおよそ20~200キロメートルにも及びます。
    台風の目は大きい方が勢力が強そうに見えますが、目が大きい場合は中心付近の気圧変化がなだらかになっていることから、一般的にはそれほど強い風にはなりません。

    対して台風の目が丸く、小さく明瞭になるほど、台風の中心付近の風速がある程度強まったことを意味しているため、台風の勢力は強くなる可能性があります。
    台風の目が大きくても例外的に強い勢力を持つことがあるため安心せず、危機感を持って台風対策を行いましょう。

  • 台風の目の直径はおよそ20~200キロメートル
  • 台風の目が大きい場合は中心付近の気圧変化がなだらかになっており、一般的にはそれ程強い風にはならない
  • 台風の目が丸く、小さく明瞭になる程、台風の中心付近の風速がある程度強まったことを意味し、台風の勢力は強くなると可能性がある
  • どれくらいの台風だと避難が必要?警戒レベルについて


    日本列島は台風の上陸が多く、甚大な被害を受けることも少なくありません。しかし、どのくらいの台風で避難が必要なのか、分からないという人も多いのではないでしょうか。
    続いては、どれくらいの台風で避難が必要なのか、警戒レベルについての理解を深めましょう。

    気象庁の「台風に関する気象情報」をチェックする

    台風が発生したときや、台風が日本列島に影響を及ぼす恐れがある場合など、気象庁は「台風に関する気象情報」を発表します。
    気象庁から発表される台風に関する気象情報は、24時間(1日)先までの12時間刻みの予報が3時間ごとに、120時間(5日)先までの24時間刻みの予報が6時間ごとに発表されます。

    予報では、各予報時刻の台風の中心位置、進行方向、中心気圧、速度、最大風速、最大瞬間風速、暴風警戒域などが示されます。
    台風が発生した際は、自身の身を守るためにも、自分の住んでいる地域に台風が近づいてくるのかどうか、必ず気象庁の「台風に関する気象情報」をチェックするようにしましょう。

    地域の気象台や測候所の「台風に関する気象情報」をチェック

    各地域の気象台や測候所は、気象庁本庁が発表した情報をもとに「台風に関する気象情報」を発表しています。

    地域の特性や影響を加味したものが発表されるため、自分の住んでいる地域の台風情報をより詳しく知ることが可能です。
    台風は地域によって影響が違ってくるため、台風が近づいてきたら必ず自分の住んでいる地域の最新の台風情報をチェックして、自分や大切な家族の命を守りましょう。

    避難が必要な台風のレベルとは?

    住んでいる地域に台風が近づいてきたら、避難が必要な台風の警戒レベルを意識しましょう。
    国や都道府県が出す防災気象情報、および市町村が出す避難情報は5段階に整理されており、市町村が発表する警戒レベル3から避難が必要となってきます。

    警戒レベル3では、危険な場所からの避難に時間を要する高齢者などは避難が必要です。
    また、警戒レベル4では、危険な場所から高齢者だけではなく、全員安全な場所へと避難しなければいけません*。

    警戒レベル5ではすでに災害が発生している状態であり、台風のときは雨だけではなく、非常に強い風に見舞われます。警戒レベル5になると、必ずしも避難のために外に出て行動することが安全とは限らないため、状況に応じて、命を守るための最善の行動をとる必要があります。

  • 各地域の気象台や測候所は、気象庁本庁が発表した情報をもとに「台風に関する気象情報」を発表している
  • 警戒レベルは5段階に整理されており、市町村が発表する警戒レベル3から避難が必要となっている
  • 警戒レベル5では、必ずしも避難のために外に出て行動することが安全とは限らないため、状況に応じて、命を守るための最善の行動をとる必要がある
  • *出典:気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」

    台風の目でも油断は禁物!引き続き、警戒を!


    台風の目は風が吹かず、晴天になることもあるため、油断をしてしまいがちです。
    しかし、台風の目が過ぎ去ると非常に強い風雨にさらされるため、水害や土砂災害などの危険性が高まります。
    台風の目に入っても引き続き、自身の住む地域の警戒レベルなどに注視し、身の安全を守るようにしましょう。

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    この記事を書いた人
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