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2019年、台風19号により計画運休となった路線やその背景とは

この記事を要約すると

2019年は2度にわたる大型の台風の襲来により、各地で大きな被害を出しました。
日本は台風が多く上陸する島国であり、防災に対する経験も高いですが、それでも被害は出ます。
特に近年は異常気象からか大型で勢力が強い台風が複数個上陸しています。

そんな中で被害や混乱を避けるため鉄道の計画運休を行うという予防措置が実施されました。
台風19号の接近時に行われていますが、どのような背景でどの路線が運休となったかなどをこの記事で紹介します。

大雨・台風による被害や防災対策は?日本であった過去の災害とは

台風19号では多くの鉄道会社が計画運休を発表


2019年10月6日にマリアナ諸島の東海上で発生した台風19号は非常に大型で強い勢力のまま10月12日に伊豆半島に上陸しました。

これにより静岡県や新潟県、関東甲信地方、東北地方を中心に記録的な大雨を記録しています。神奈川県箱根町では総雨量が1000ミリに達し、関東甲信地方と静岡県の17地点でも500ミリを超える雨量となりました。

また、東京江戸川臨海では観測史上第1位となる最大瞬間風速43.8メートルを観測し、他7ヵ所でも最大瞬間風速40メートルを超えたとも言われています。
この影響から12日には千葉県市原市で竜巻と見られる突風も発生しています。
台風による死者は94人にものぼり、茨城県と埼玉県、千葉県で起きた住宅被害は3,185棟になりました。

そのうち、全壊が12棟、半壊が128棟、一部損壊が191棟、床上浸水が1,397棟、床下浸水が1,457棟と記録されており、ほとんどが千葉県で深刻な被害となっています。
このような被害を出す中で鉄道関係は大きな被害を出すことを免れています。
事前に国土交通省が計画運休を発表し、それに従って全国で全線運休、または一部運休の措置をとったことによるものです。

  • 2019年10月6日にマリアナ諸島の東海上で発生した台風19号は非常に大型で強い勢力のまま10月12日に伊豆半島に上陸した
  • 東京江戸川臨海では観測史上第1位となる最大瞬間風速43.8メートルを観測
  • 国土交通省が計画運休を発表し、それに従って全国で全線運休、または一部運休の措置をとった

(出典:内閣府「防災情報のページ 令和元年台風第19号等に係る被害状況等について」,2019)

台風15号の反省を踏まえた対応

2019年は台風19号以前にも台風15号が東日本に大きな被害をもたらしました。
台風15号でも計画運休は実施されましたが、課題も残る結果となりました。

これは運転再開時に多くの使用者が駅に集中することとなり、鉄道事業者の輸送力に限界が生じて駅での入場規制などの混乱が発生したという点です。

この反省を踏まえ、台風19号の上陸前に発表された計画運休は余裕を持った再開予定を発表することになりました。
10月11日に発表された運休計画は12日午前から順次行われました。
課題となっていた運転再開に関しては、被害の具体的な状況や点検・復旧の進捗状況などをこと細かく

情報提供すること、路線の状況に応じた情報提供の工夫をすることなどが取り決められていました。
これに加えて運転再開は「13日昼頃まで運休」と先んじて発表したこともあって、大きな混乱を起こすことなく、鉄道の運転再開を行うことができました。

  • 2019年は台風19号以前にも台風15号が東日本に大きな被害をもたらした
  • 台風15号でも計画運休は実施されたが、運転再開時に多くの使用者が駅に集中し、駅での入場規制などの混乱が発生
  • 台風15号での反省を踏まえ、台風19号の計画運休は余裕をもって発表したことにより、大きな混乱を起こすことなく鉄道の運転再開を行うことができた

(出典:国土交通省「鉄道の計画運休の実施についての取りまとめ」)

(出典:国土交通省「台風19号における計画運休に向けて」)

台風19号で計画運休が実施された路線


台風19号では広い範囲での被害が予想されたため、JR各線や私鉄が軒並み運休を発表し、大きな被害の発生を免れています。
では、どれだけの鉄道事業者がどのように計画運休を実施したのか鉄道事業者と各路線ごとにまとめました。

事業者名 全線運休 一部運休
JR東日本 東北新幹線
山形新幹線
秋田新幹線
上越新幹線
北陸新幹線
山手線
京浜東北線
根岸線
横須賀線
京葉線
武蔵野線
赤羽線
南武線
横浜線
相模線
信越線
両毛線
吾妻線
川越線
日光線
烏山線
水戸線
水戸線
八高線
鶴見線
鹿島線
東金線
久留里線
伊東線
大湊線
八戸線
花輪線
山田線
大船渡線
釜石線
北上線
陸羽東線
陸羽西線
仙山線
仙石線
石巻線
気仙沼線
磐越東線
白新線
越後線
弥彦線
飯山線
篠ノ井線
大糸線
小海線
東北線(東京~黒磯)
高崎線(東京~高崎)
常磐線(日暮里~水戸)
常磐線(水戸~いわき)
総武線(東京~佐倉)
総武線(佐倉~銚子)
中央線(東京~高尾)
中央線(高尾~小淵沢)
東海道線(東京~熱海)
成田線(佐倉~成田空港)
成田線(我孫子~松岸)
上越線(高崎~水上)
水郡線(水戸~常陸大子)
水郡線(上菅谷~常陸太田)
青梅線(立川~青梅)
青梅線(青梅~奥多摩)
外房線(千葉~上総一ノ宮)
外房線(上総一ノ宮~安房鴨川)
内房線(蘇我~君津)
内房線(君津~安房鴨川)
東北線(黒磯~小牛田)
東北線(小牛田~一ノ関)
東北線(一ノ関~盛岡)
奥羽線(福島~横手)
常磐線(いわき~富岡)
常磐線(原ノ町~仙台)
米坂線(米坂~今泉)
磐越西線(郡山~喜多方)
只見線(会津若松~会津川口)
羽越線(新津~鶴岡)
信越線(新潟~直江津)
上越線(宮内~水上)
JR東海 御殿場線
武豊線
飯田線
太多線
参宮線
名松線
東海道新幹線(東京~名古屋)
東海道新幹線(名古屋~新大阪)
東海道線(熱海~米原)
東海道線(豊橋~米原)
身延線(富士~鰍沢口)
身延線(鰍沢口~甲府)
中央線(名古屋~塩尻)
関西線(名古屋~亀山)
高山線(岐阜~猪谷)
紀勢線(名古屋~新宮)
JR西日本 大糸線
七尾線
城端線
高山線
氷見線
越美北線
小浜線
草津線
舞鶴線
桜井線
山陽新幹線(新大阪~岡山)
山陽新幹線(岡山~広島)
山陽新幹線(広島~博多)
北陸線(近江塩津~敦賀)
湖西線(和邇~近江塩津)
福知山線(新三田~福知山)
山陰線(園部~東浜)
関西線(亀山~加茂)
紀勢線(新宮~紀伊田辺)
紀勢線(紀伊田辺~御坊)
紀勢線(御坊~和歌山)
紀勢線(和歌山~和歌山市)
和歌山線(王寺~五条)
和歌山線(王寺~五条)
東武鉄道 伊勢崎線
亀戸線
大師線
桐生線
小泉線
佐野線
日光線
鬼怒川線
宇都宮線
野田線
東上本線
越生線
  西武鉄道 池袋線
西武秩父線
新宿線
西武園線
国分寺線
多摩湖線
西武有楽町線
豊島線
狭山線
拝島線
多摩川線
  京王電鉄 京王線
相模原線
高尾線
競馬場線
動物園線
井の頭線
  東急電鉄 東横線
目黒線
田園都市線
大井町線
東急多摩川線
池上線
こどもの国線
  小田急電鉄 小田原線
江ノ島線
多摩線
  相模鉄道 本線
厚木線
いずみ野線
  東京地下鉄   丸ノ内線(茗荷谷~銀座)
日比谷線(北千住~南千住)
東西線(東陽町~西船橋)
千代田線(北千住~北綾瀬)
有楽町線(和光市~地下鉄成増)
有楽町線(豊洲~新木場)
副都心線(和光市~地下鉄成増)
東京都交通局 大江戸線
日暮里・舎人ライナー
荒川線
新宿線(大島~本八幡)
三田線(本蓮沼~西高島平)
横浜高速鉄道 みなとみらい21線   首都圏新都市鉄道 常磐新線   東京モノレール 東京モノレール羽田空港線   多摩都市モノレール 多摩都市モノレール線   ゆりかもめ 東京臨海新交通臨海線   東京臨海高速鉄道 りんかい線   東葉高速鉄道 東葉高速線   鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線   ひたちなか海浜鉄道 湊線   関東鉄道 竜ヶ崎線
常総線
  わたらせ渓谷鐵道   わたらせ渓谷線(大間々~間藤) 真岡鐵道 真岡線   野岩鉄道 会津鬼怒川線   小湊鉄道   小湊鉄道線(上総牛久~上総中野) 銚子電気鉄道 銚子電気鉄道線   いすみ鉄道 いすみ線   箱根登山鉄道 鉄道線   伊豆箱根鉄道 大雄山線
駿豆線
  箱根登山鉄道 鉄道線   伊豆箱根鉄道 大雄山線
駿豆線
  青い森鉄道   青い森鉄道線(青森~八戸)
青い森鉄道線(八戸~三戸)
IGRいわて銀河鉄道 IGRいわて銀河鉄道線   三陸鉄道 北リアス線
南リアス線
  仙台空港鉄道 仙台空港線   阿武隈急行 阿武隈急行線   会津鉄道 会津線   名古屋鉄道 名古屋本線
西尾線
三河線
豊田線
蒲郡線
常滑線
空港線
築港線
河和線
知多新線
瀬戸線
小牧線
各務原線
犬山線
広見線
津島線
尾西線
竹鼻線
羽島線
  伊豆急行 伊豆急行線   岳南電車 岳南線   大井川鐵道 大井川本線
井川線
  遠州鉄道 鉄道線   天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線   豊橋鉄道 渥美線
東田本線
  愛知環状鉄道 愛知環状鉄道線   名古屋臨海高速鉄道 西名古屋港線   愛知高速交通 東部丘陵線   名古屋ガイドウェイバス ガイドウェイバス志段味線   明知鉄道 明知線   長良川鉄道 越美南線   樽見鉄道 樽見線   伊勢鉄道 伊勢線   三岐鉄道 三岐線
北勢線
  信楽高原鐵道 信楽線  

上記を見ると、東日本の鉄道の多くが全線運休あるいは一部運休を実施しています。
また、東海から関西までの一部地域でも運休を行うなど、念入りな計画運休であることもわかります。

実際にこの地域では大きな被害は出ず、運休を行ったことで大きな混乱が起こらなかったと考えることができます。

  • 台風19号では広い範囲での被害が予想されたため、JR各線や私鉄が軒並み運休を発表
  • 東日本の鉄道の多くが全線運休あるいは一部運休を実施、東海から関西までの一部地域でも念入りに計画運を行った
  • 東海から関西地域では大きな被害は出ず、運休を行ったことで大きな混乱が起こらなかった

(出典:国土交通省「台風第19号に伴う鉄道の計画運休の実施予定について」,2019)

大型台風が来るときはしっかり備えよう


台風は自然現象である以上、回避することはできません。しかし、地震などと違い予測ができるため被害をできるだけ抑えることはできます。

防災グッズを前もって準備しておくことや、台風が最接近する前の早めの避難など身を守る術はあります。

台風19号でも記録的な大雨による浸水が千葉県などで目立ちました。
台風15号でも千葉県は大きな被害に見舞われていますが、畳み掛けるように再び台風がこの地を襲っています。

私たちの命は自分で守る必要があります。
防災の意識を高め、日ごろから台風や暴風雨に備えて準備をしてはいかがでしょうか。

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