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大阪府北部地震の被害の大きさは?ブロック塀の倒壊が全国に波紋

この記事を要約すると

2018年に発生した大阪府北部地震では、学校に設置されていたブロック塀が倒壊し、登校中の女児が亡くなりました。

これにより全国の学校や施設でブロック塀の見直しが行われるなどの大きな波紋を呼びました。
この記事ではこの大阪府北部地震の被害の大きさから、このブロック塀の事故、その後の対策などを紹介します。

大阪府北部地震の被害や震源地、行われた支援活動は?震災を振り返り対策をしよう

大阪府北部で発生した巨大地震


大阪府北部地震は平成30年6月18日に発生し、震源が深さ13kmと浅く、マグニチュード6.1、最大震度6弱と大きな地震となりました。

震度5強や5弱を観測した地域も多く、東は関東、西は九州まで広い地域で揺れを観測しています。

死者6名、建物全壊18棟と阪神大震災や東日本大震災に比べれば人的、物的被害は少なかったものの、負傷や半壊、一部損壊は多く発生しています。
大阪府では道路の復旧がまだ完了していないなど、今なお地震の爪痕は残っています。

(出典:大阪府公式サイト,2018年11月2日時点)
(出典:総務省消防庁公式サイト)

地震によるブロック塀の倒壊で女児が犠牲に


建物の損壊が多く発生した大阪府北部地震では、高槻市の小学生が倒壊したブロック塀の下敷きになるという被害が起こりました。

地震が起こったのは平日の朝8時前、高槻市立寿栄小学校に設置されていたブロック塀が地震の揺れにより倒壊。登校中の少女がブロック塀の下敷きとなり命を落としました。

ブロック塀は高さ1.9mの壁の上にさらに1.6mほど積み上げられられていました。
このブロック塀は建築基準法の違反だったため、ニュースでもこの事件は大きく取り上げられました。

建築基準法では、ブロック塀の高さは2.2m以内と決められており、今回倒壊した壁とブロック塀の高さは3.5mと基準を大きく超えた高さとなっていたのです。1.2m以上のブロック塀の場合は、主壁を補強する控え壁(ひかえかべ)を作らなければいけないとされているにも関わらず、その対応もされていませんでした。

地震が起こる3年前の2015年には防災アドバイザーによりブロック塀が指摘されていましたが、高槻市の教育委員会は簡易検査で問題ないと判断し、この問題が放置されていたことにより起こってしまった事故です。

この事件を受け、文部科学省は全国の学校へ調査・安全性に問題があるブロック塀への対策を求めました。
その後、塀の安全対策のために、学校の塀だけでなく一般の建築物を対象に、既設の塀の安全点検及びそのチェックポイントを作成、危険と判断されたものについては調査を行いました。

(出典:国土交通省公式サイト)

これを機に安全対策を推進する方針が示される

この事件を受け、国土交通省は以下のような安全対策を推進する方針を示しています。

  • チェックポイントを用いて安全点検を行うこと
  • 安全点検の結果、危険性が確認された場合には、付近通行者への速やかな注意表示及び補修・撤去等が必要となること

これらを特定行政庁に対して、所有者などに注意喚起するよう要請をしました。
さらに取り組みとしては、学校設置者に対して特定行政庁が連携して対応するよう伝えられています。

他にも大阪府北部地震を震源とする地震にかかる被災建築物応急危険度判定において、地方公共団体に対して、塀のひび割れや傾きなどに留意して実施するように通知も出しています。

具体的なチェックポイントとしては以下のような基準が決められました。

1.塀は高すぎないか ・塀の高さは地盤から2.2m以下か。
2.塀の厚さは十分か ・塀の厚さは10cm以上か。(塀の高さが2m超2.2m以下の場合は15cm以上)
3.控え壁(ひかえかべ)はあるか(塀の高さが1.2m超の場合) ・塀の長さ3.4m以下ごとに、堀の高さの1/5以上の控え壁があるか。
4.基礎があるか ・コンクリートの基礎があるか。
5.塀は安全か ・塀に傾き、ひび割れはないか。
6.塀に鉄筋は入っているか ・塀の中に直径9mm以上の鉄筋が縦横とも80cm以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に横筋は縦筋にそれぞれ掛けられているか。
・基礎の根入れ深さは30cm以上か。(塀の深さが1.2m以上の場合)

上記6項目をチェックすることで、塀の安全性の確認を行いました。その結果全国でも安全性が確保されていない塀が次々と見つかることなり、対策が急がれています。
それに伴い、安全確保対策についても国土交通省は4つの対策を打ち出しました。

  • まずは安全性チェックを行うとともに、除却・改修について徹底的な普及啓発を実施
  • 耐震改修促進法の枠組みを活用し、既存不適格の塀を有する建築物の耐震診断・改修を促進
  • 現行基準に適合しない塀の撤去・改修に対する支援制度の活用について、周知を図るとともに、さらなる支援策の必要性について検討
  • パトロールや報告徴収等により違反を発見した場合には、厳正に対処

このように、再発防止に向けて継続的な取り組みを行っている状況です。この安全対策が行われたことにより、各地で様々な働きが見られるようになっています。

その中でも名古屋市では主要新聞広告欄や広報誌を使って安全確認の呼びかけや、チラシの全戸回覧の実施、福岡県では安全パトロールの実施、京都市ではブロック塀などの安全対策に係る専用窓口の設置など、普及啓発や点検実施などについての具体的な施策も行われています。

(出典:国土交通省公式サイト)

地震の際は近くの壁や建物の倒壊に注意


これまでの地震でも建築物やの倒壊などは被害としていくつもありました。
しかし、この大阪府北部地震では少女の命が奪われたことで、安全性が確保されていないブロック塀の危険性が浮き彫りとなる結果となりました。

本来であれば、そのような事故が起こる前に対策が行われなければいけませんが、痛ましい事故が起こったことにより、全国的に安全性の確認や対策が見直されるかたちになりました。

現在は対策も講じられ、安全性の確保や撤去などが進むことで危険なブロック塀は減りつつありますが、地震時の危険がなくなるというわけではありません。

地震が起こったときには落ち着いて安全を確保できる行動をとり、高い建物や壁の倒壊、頭上からの落下物などには十分に注意して行動しましょう。

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