日本各地に大きな爪あとを残すこととなった東日本大震災は特に東北の太平洋側に面した地域に甚大な被害をもたらしました。
それらは今も爪あとを残したままのところもあり、復興に向けた取り組みを続けている人々がいます。
岩手県もその1つであり、東日本大震災で大きな被害を受け、今も復興するための取り組みを続けているのです。
ではどのような被害がもたらされ、復興状況はどうなっているのかご紹介します。
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東日本大震災の岩手県の被害
各地で大きな被害をもたらした東日本大震災ですが、東北の太平洋側に位置する岩手県でも大きな揺れと被害を与えました。
震度5以上を記録した市町村も多く、最大震度6弱の揺れを観測した地域も複数ありました。それだけでなく津波による被害もあり、死者や建物被害は甚大なものなっています。
以下は東日本大震災で記録した揺れと観測した市町村、そして被害状況などをまとめたものになります。
岩手県で震度5以上を観測した各市町村
震度6弱 | 大船渡市 釜石市 滝沢村 矢巾町 花巻市 一関市 奥州市 |
震度5強 | 宮古市 山田町 盛岡市 八幡平市 北上市 遠野市 平泉町 |
震度5弱 | 久慈市 普代村 野田村 二戸市 雫石町 葛巻町 岩手町 軽米町 紫波町 |
(出典:日本気象協会「地震情報」)
(出典:岩手県東日本大震災の記録)
岩手県の被害状況
死者 | 4,673人 |
行方不明者 | 1,169人 |
負傷者 | 208人 |
全壊 | 18,370棟 |
半壊 | 6,502棟 |
一部破損 | 13,078棟 |
(出典:岩手県公式サイト)
(出典:岩手県東日本大震災の記録)
これだけみても非常に多くの死傷者を出し、全壊や半壊、一部損壊の建物だしたことがわかります。
この被害は揺れよりも、その後に起きた津波や火災によるものが大きく、これだけ被害が広がる形となってしまいました。
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未曾有の津波と津波火災
岩手県では太平洋側で発生した津波により甚大な被害を受けました。
浸水面積はる宮城県や福島県より狭いですが、それでも58k㎡もの面積が津波に飲み込まれたのです。
陸前高田市では中心部にまで津波が押し寄せ、行政機能や商業施設を根こそぎ飲み込み、避難所に指定されていた市役所などを全壊させるなどの被害を及ぼしました。
陸前高田市は大きな被害を出した町の1つであり、その他宮古市以南の沿岸部にある町は最大8.5mを越える津波高(平常潮位と実際に観測された潮位の差)を記録。浸水高(洪水・津波などで浸水した際の、水面から地面までの高さ)は最大18.3mに及ぶなど津波による大きな被害を受けた町がほとんどです。
観測史上最大規模の津波を受け家は押し流され、津波が去った後の地には災害廃棄物が残されるだけでなく、津波によって起こされた火災や山林火災によって町は焦土と化してしまいまいました。
山田町では津波により発生した火災により、町の様々な場所で火の手が上がりました。
消火活動がすぐさま行われようとしていましたが、瓦礫により火災現場に近づけなかったことや、地震の影響で断水状態に陥り、消火活動が難航。
さらに海風によって火が煽られて山まで達し山林火災まで引き起こす結果となったのです。
数日間にわたって燃え続けた山林火災も鎮火したかに見えましたが、完全な消火にはいたっておらず4月まで断続的に煙が上がることになったのです。
山田町は津波火災が起きた一例に過ぎず、津波に襲われた町では次々と津波火災が起こり、人々が住む場所を奪ってしまったのです。
まさに未曾有の大災害となったのが東日本大震災の津波と津波火災でした。
(出典:岩手県東日本大震災津波の記録)
釜石市の山林火災
釜石市でも山林火災が起こっています。火災そのものは津波から発生したものが原因とされていますが、その後大規模な火災が発生し、山田町同様に山林へ燃え広がってしまいました。
釜石市では度々山林火災が発生していますが、この大規模な津波の被害の後、山林火災が大きく広がってしまい、消火活動を行いました。
津波火災とは
このような大きな被害をもたらした津波火災とは、津波によって引き起こされる火災であり、二次災害に挙げられる現象の一つです。
津波火災の原因は、海水よりも津波が運んでくる流出物、そして引火性の原料などが原因なのです。
津波に飲み込まれ流されてきた流出物に重油などの燃料に引火した火が燃え移り、火災が発生します。
津波はあくまでその要因を作るだけですが、津波そのものが大規模であることが多いことから、火災が広がる原因にもなるのです。
東日本大震災では車両のバッテリーが海水に流され引火したと推測される事例や、重油タンクが飲み込まれ、そこから燃料が漏れたことで引火し燃え広がったといった事例が発生しています。
(出典:地震調査研究推進本部事務局公式サイト)
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岩手県の復興状況は?
津波や火災に大きな被害と爪あとを残された岩手県ですが、現在は復興に向けた様々な取り組みが進められています。
岩手県で被災した町を復興させるため、具体的に以下のような事が行われています。
岩手県では「東日本大震災津波復興基本計画」を2011年から2018年までの8年間で実施し、基盤復興から本格復興、そして更なる発展への連結期間の3期で進めてきました。
またこれからは「いわて県民計画」を2019年から2028年までに推し進めていく考えであり、これを最重要課題として復興推進を行っています。
これらの計画により、災害廃棄物の処理は完全に終わり、災害公営住宅の整備などもほぼ完成している状態です。
一方で漁業や養殖業の復旧は思うようには進んでおらず、産地魚市場水揚げ量や養殖生産量は災害前の数字の6割程度に留まっている状況です。
また避難者数は大震災のピーク時には54,000人を超えていましたが、2019年3月時点では4,200人程度にまで減っています。
それでもまだこれだけの人が避難を余儀なくされている状態な上、人口減少が止まらないという状況も生まれています。
岩手県の復興はまだまだこれからであり、課題も残っている状況にあることがわかります。
(出典:岩手県公式サイト)
(出典:いわて三陸 復興のかけ橋)
(出典:復興庁公式サイト)
津波に耐えた奇跡の一本松
大きな被害を受けた陸前高田町の高田地区と広田湾の間には、かつて7万本のアカマツやクロマツが生え、防潮林の働きをした高田松原が存在していました。
この防潮林が大震災の津波に飲み込まれ、そのほとんどがなぎ倒される中でたった1本だけ倒れず残った松がありました。
その松は復興のシンボルとして「奇跡の一本松」と呼ばれ、塩害による被害から守るため防腐処理などが行われました。
今もその場所に立ち続ける奇跡の一本松は全国で有名となり、保存プロジェクトも立ち上げられ、2013年には奇跡の一本松保存事業が完了しました。
今もなおそこにシンボルとして陸前高田町の復興を見守っています。
岩手県の復興支援をしよう
このような復興を遂げる岩手県ですが、現地の人々、行政、関係機関が復興への取り組みに注力しています。
私たちもこのような取り組みを応援するだけでなく、実際に復興を支援することもできます。例えば岩手の商品を購入する、岩手を直接訪れる、ボランティアや義援金、寄付金などを行うと言った方法があります。
ではこれらがどう復興支援につながるのか、その方法はどうすればいいのか、ご紹介します。
岩手の商品を買って応援
岩手の商品を購入することは復興の支援や応援につながります。
現在、岩手の漁業や養殖業の再生が思わしくないのは先述した通りですが、岩手で収穫されるカキやウニ、ワカメ、秋サケなどの海産物は評判が高いとされています。
また復興支援を目的として開発した商品なども販売されており、このような商品を購入することで、産業が活性化し、再生を加速させる可能性もあります。
現地で購入できなくても、通販などを利用して手に入れることができるので、家にいながら岩手の復興支援が行えます。
岩手を訪れて応援
実際に現地を訪れて観光をすることで、活性化の助力を行うこともできます。
現在は復興の進行から、観光などもできる状態にまで回復しています。そのため各地へ赴き、観光することで産業を元気付けることにもつながります。
またその情報を、SNSをつかって発信していくことで、より多くの人が興味を持ち観光に訪れてくれるかもしれません。
先ほど紹介した奇跡の一本松をはじめ、魅力のある場所はたくさんあります。今の岩手を見て回ることで発見できることや、現地の人を元気付けることもできるかもしれません。
ボランティアや義援金、寄付金で応援
ボランティアや義援金、寄付金での応援も可能です。
岩手県では今もボランティアを必要としている場所があり、その受け入れも行われています。
岩手県の公式サイトではその受け入れ情報などを得ることができるため、まずはそこで情報を得て、どのようにボランティアに参加するか知る必要があります。
また義援金に関してはゆうちょ銀行あるいは岩手銀行や東北銀行など記入機関を通して贈ることができます。
寄付金も同様ですが、こちらは寄付申込書を記入の上、事務局へ送り、岩手銀行を通して贈ることが可能です。
(出典:岩手県公式サイト)
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岩手県の復興を願い、応援しよう!
岩手県では震災の爪あとが今も残り、完全な復興にはまだまだ時間もかかる状況ですが、それでも着実に復興は進んでいます。
私たちができる応援方法を知り、それらを行っていくことが、岩手の人々の力になるのではないでしょうか。