東日本大震災

東日本大震災復興特別区域法とは?わかりやすく解説

東日本大震災では多くの街が甚大な被害を受け、復興には相当な時間がかかると言われていました。

政府はこの状況を受け、東日本大震災復興特別区域法を出し、支援に当たっています。
この制度により、場所によってはこれまでにない早さで支援を受けられたり、復興に向けた取り組みを行えた区域もあるのです。
この東日本大震災復興特別区域法とはどのような法律なのかを紹介します。

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東日本大震災復興特別区域法(復興特区制度)とは


東日本大震災復興特別区域法は、大震災及び原発事故による未曾有の災害に対して、復興を支援するために復興特別区域を認定し、この区域における円滑で迅速な推進を目指しています。
そして支援やその他の施策に関する基本方針、復興推進計画の認定に関する基本事項、復興特別区域における特別措置なども定めている法案です。

これにより復興を行うべき区域に限定して、規制や手続き、財政、金融、税制上の特別措置において既存の枠組みなどにとらわれずに復興の促進を促すことを目的として作られています。

(出典:復興庁公式サイト)

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東日本大震災復興特別区域法の狙い

この法案の狙いは、復興の加速であり、そのために様々な特例措置を実施しています。
具体的には、以下のように復興を助ける様々な特例が受けられるメリットがあります。

  • 住宅の確保や産業の活性化
  • まちづくり
  • 医療・福祉などの各分野の復興を促進する「規制・手続きに関する特例」
  • 被災地の雇用機会の確保の促進としての「税制上の特例措置」
  • 復興の中核となる事業の円滑な実施を支援する「復興特区支援利子補給金」
  • また東日本大震災復興交付金の交付も受けられるため、地方公共団体が定めた復興プランに基づく地域づくりを財政面で支援してもらえる利点もあります。

    これによって速やかな復興に向けた財源の確保などが可能になるのです。

    (出典:首相官邸公式サイト)

    復興特別区域とは

    この法案における復興特別区域とは、東日本大震災で一定の被害が生じ、復興に際して復興推進計画や復興整備計画など作成できる地方公共団体が認定される区域です。

    認定された区域に対し、医療や産業、住宅分野などでの規制などの特例や産業再生を支援する税や財政、金融上の特例などをワンストップで適用する法案です。

    復興に関する方向性はその地域の特性や中核となる産業など様々であるため、それぞれの状況や特性に合わせて作成されたオーダーメイドメニューに基づいて、地域限定で特例措置を実施。そして復興を加速する仕組みを構築することを目的としているのです。

    この法案及び特区制度は、活用することで地域の創意工夫に基づく復興を強力に支援しています。

    復興特別区域の種類

    復興特別区域には8つの種類分けがされています。

    種類 概要
    復興まちづくり推進 安全・安心な街の実現や住居・都市施設などの迅速な復興を実現し、二度と津波被害による人的被害を出さない街づくりを目指す
    民間投資促進 被災した企業の早期の事業再開及びものづくり産業の更なる集積、そして低炭素型産業の東北への集積を目指す
    水産業復興 壊滅的な被害を受けた水産業の早期復興だけでなく、生産や加工、販売の一体化などの実施による競争力のある水産業の構築を目指す
    農業・農村モデル創出 甚大な被害を受けた農業の早期復興と農村モデルの創出に伴う収益性の高い農業の実現を目指す
    交流ネットワーク復興・強化 交通インフラを迅速に復旧させるとともに、災害に強いネットワーク機能の強化や防災機能の強化を目指す
    クリーンエネルギー活用促進 原発などの問題を受け、復興にあたりクリーンエネルギーの積極的導入や環境配慮型の経済発展が両立した先進的地域の実現を目指す
    医療・福祉復興 津波による壊滅的被害を受けた沿岸部での医療や福祉サービスの確保及び先進的な地域包括医療体制の構築を目指す
    教育復興 同沿岸部の教育環境の速やかな復興、防災拠点としての地域コミュニティを学校に付与する、精神的・経済的な被害を受けた児童生徒に対する万全のケア、地域の復興や未来を支える人材育成、学業継続の支援、被害を受けた貴重な文化財の修復及び保全を目指す

    (出典:復興庁公式サイト)

    東日本大震災復興特別区域法(復興特区制度)の対象となる地域

    東日本大震災復興特別区域法では全国で227市町村が対象区域に認定されました。
    その対象区域が以下にまとめられています。

    対象都道府県 対象区域
    北海道 鹿部町 八雲町 広尾町 浜中町(4市町村)
    青森県 八戸市 三沢市 おいらせ町 階上町(4市町村)
    岩手県 県内全市町村(33市町村)
    宮城県 県内全市町村(35市町村)
    福島県 県内全市町村(59市町村)
    茨城県 水戸市 日立市 土浦市 古河市 石岡市 結城市 龍ケ崎市 下妻市 常総市 常陸太田市 高萩市 北茨城市 笠間市 取手市 牛久市 つくば市 ひたちなか市 鹿嶋市 潮来市 常陸大宮市 那珂市 筑西市 坂東市 稲敷市 かすみがうら市 桜川市 神栖市 行方市 鉾田市 つくばみらい市 小美玉市 茨城町 大洗町 城里町 東海村 大子町 美浦村 阿見町 河内町 利根町
    (40市町村)
    栃木県 宇都宮市 足利市 佐野市 小山市 真岡市 大田原市 矢板市 那須塩原市 さくら市 那須烏山市 益子町 茂木町 市貝町 芳賀町 高根沢町 那須町 那珂川町(17市町村)
    埼玉県 久喜市(1市町村)
    千葉県 千葉市 銚子市 市川市 船橋市 松戸市 野田市 成田市 佐倉市 東金市 旭市 習志野市 柏市 八千代市 我孫子市 浦安市 印西市 富里市 匝瑳市 香取市 山武市 大網白里市 酒々井町 栄町 神崎町 多古町 東庄町 九十九里町 横芝光町 白子町(29市町村)
    新潟県 十日町市 上越市 津南町(3市町村)
    長野県 野沢温泉村 栄村(2市町村)
    227市町村

    (出典:復興庁公式サイト)
    (出典:首相官邸公式サイト)

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    東日本大震災復興特別区域法(復興特区制度)の枠組み


    東日本大震災復興特別区域法では3つの枠組みを作り、特例措置の認定を行っています。

    その枠組みは「復興推進計画」、「復興整備計画」、「復興交付金事業計画」の3つに分けられますが、国と地方の協議会では地域からの新たな特例の提案などの協議も行われ、場合によっては特例の追加や充実も行われることがあります。

    しかし特例措置の認定も、東日本大震災復興特別区域法の3つの枠組み内での内容なため、基本的な流れをそれぞれご紹介します。

    復興推進計画の作成

    「復興推進計画の作成」では県あるいは市町村が単独または共同で作成できる計画案であり、これによって個別の規制や手続きの特例、税制上の特例を受けることができます。

    また民間事業者などの提案も可能であり、これが内閣総理大臣の認定を受けられれば、住宅や産業、街づくり、医療や福祉などの規制、手続きの特例、雇用の創出などの支援をする税制上の特例措置などを受けることができるようになるのです。

    復興整備計画の作成

    市町村または県と共同で作成することができる土地利用の再編にかかる特例許可及び手続きの特例などを受けるための計画です。

    この計画は必要に応じて公聴会や公告、縦覧が行われ、復興整備協議会で協議の上、同意を受けられれば計画の公表を行い、土地利用の再編のための特例を受けることができます。

    復興交付金事業計画の作成

    復興交付金事業計画も市町村または県と共同で作成することができる、著しい被害を受けた地域の復興のための事業に関する計画です。

    この計画は内閣総理大臣に提出の上、復興地域づくりを支援する新たな交付金として得ることができます。
    これにより執行を状況に応じて変化させたり手続きの簡素化が行われ、地方負担を全て手当てされる仕組みになっています。

    (出典:復興庁公式サイト)
    (出典:首相官邸公式サイト)

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    東日本大震災復興特別区域法は新しい試み


    東日本大震災復興特別区法はこれまでにない革新的な試みです。

    これまでは復興に向けた取り組みには面倒な手続きや、規制が引っ掛かり、スムーズに進められなかったことも多々あります。
    それらを排除し、できる限り簡素化してスピーディーで強力な支援を行うことが東日本大震災復興特別区法の目的となっているのです。

    これにより被災地で認定を受けた区域の中には復興がかなりの速さで進んでいるところもあります。

    一日も早い復興が実現できることが、被災した人々にとって大きな支援となるのではないでしょうか。

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