2011年、阪神淡路大震災を超える大きな被害をもたらした東日本大震災が起こりました。
多くの被害と爪あとを残したこの大災害は、東北地方を中心に多くの人の命を奪ったのです。
その中には福島県も含まれますが、この地域では地震だけでなく、津波や原発事故の影響を大きく受けることとなってしまいました。
この記事では福島の具体的な被害や、現在の復興状況について紹介します。
災害支援の方法は?東日本大震災の被害の大きさをあらためて知り、被災者や被災地のためにできることを考えよう
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東日本大震災の福島県の被害
東日本大震災では各地で大きな被害をもたらしました。
その揺れは凄まじく、震度5以上を観測した地域が非常に多かったことも知られており、福島県では以下のような震度そして被害が記録されています。
福島県で震度5以上を観測した各市町村
震度6強 | 白河市 須賀川市 二本松市 鏡石町 楢葉町 富岡町 大熊町 双葉町 浪江町 新地町 |
震度6弱 | 郡山市 桑折町 国見町 川俣町 西郷村 中島村 矢吹町 棚倉町 玉川村 浅川町 小野町 田村市 福島伊達市 いわき市 相馬市 福島広野町 川内村 飯舘村 南相馬市 猪苗代町 |
震度5強 | 福島市 大玉村 天栄村 泉崎村 矢祭町 石川町 平田村 古殿町 三春町 本宮市 葛尾村 会津若松市 喜多方 市磐梯町 会津坂下町 湯川村 会津美里町 |
震度5弱 | 塙町 鮫川村 下郷町 西会津町 柳津町 南会津町 |
(出典:日本気象協会「地震情報」)
福島県の被害状況
死者 | 4,108人 |
行方不明者 | 1人 |
重傷者 | 20人 |
軽症者 | 163人 |
全壊 | 15,435棟 |
半壊 | 82,783棟 |
一部破損 | 141,053棟 |
データは2019年9月時点
(出典:福島県公式サイト)
福島県では最大震度6強を記録し、10市町村で大きな揺れが発生。
この地震により死者は4,000人にものぼり、非常に多くの家屋が倒壊したことがわかっています。
これは揺れだけでなく、二次災害の火災や津波などの被害でもあり、東日本大震災の悲惨さが伺える数値となってしまいました。
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東京電力福島第一原発で爆発事故が発生
この震災により、福島県にある東京電力福島第一原発では爆発事故が発生しました。
地震発生により原子炉が自動停止し、津波による電源の喪失もあり原子炉内の冷却注水機能が失われたため、水蒸気による原子炉内圧の上昇と燃料空焚きによる温度上昇が発生。
その結果水素爆発と炉心溶融が起こる結果となってしまいました。
そして、この爆発により溶融燃料の一部が圧力容器から格納容器へ流下し、格納容器が劣化、そして高レベル汚染水の流出や放射性物質の大気中への放出が起こってしまったと言われています。
爆発を起こしたのは1号機、3号機、4号機であり、2号機を含む4機全てで燃料溶融が起こっています。これにより今も原子炉は停止し、廃炉に向けた取り組みが行われている状況です。
この爆発事故は深刻な事故としてINES(国際原子力・放射線事象評価尺)評価で最高レベルの7に認定されてしまいました。
これはかつて旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故と同じレベルになります。
(出典:環境省公式サイト)
広範囲に渡り避難指示が発令
東日本大震災、そして福島第一原子力発電所の爆発事故により、広範囲にわたって避難指示が発令されることとなりました。
これは放射性物質の放出及び拡散による住民の生命や身体の危機を回避するための発令です。
3月11日に原子力非常事態宣言発令後、2時間ほどで県の半径2km圏内に避難指示が出されましたが、その30分後には修正され、半径3km圏内にまで拡大。
また半径10km圏内には屋内退避指示も出されています。
そして翌日には半径20km圏内に避難指示が出され、3月15日には20~30km圏内への屋内退避指示も追加されました。
最終的な避難指示の範囲や警戒区域は以下となり、避難者数は最大5万人超にもなったと発表されています。
(出典:ふくしま復興ステーション)
現在の避難区域
この避難指示も現在は多くの地域で解除され、今は元住んでいた地域に帰れている人も大勢います。これは各市町村の除染実施状況が進んだことによります。
しかし、原発事故の影響が色濃く残ってしまっている場所もあり、現在でも旧計画的避難区域と旧警戒区域は除染特別地域に指定され、大熊町と双葉町の一部は避難指示解除準備区域や居住制限区域の指示が残ったままです。
これらも2020年3月までには避難指示の解除ができるよう、国や地方自治体が様々な取り組みを行っています。
(出典:福島県公式サイト)
南相馬市といわき市で津波の被害も
福島県の被害は原発事故だけに留まりません。太平洋側に面している県であることから、岩手県や宮城県同様に津波の被害も受けています。
先述した倒壊した家屋の多くがこの津波被害によるものです。特に南相馬市といわき市での被害は甚大なものとなりました。
南相馬市
南相馬市では地震が発生した3月11日15:35頃に津波が到達しました。
この津波により、津波被害は40.8k㎡にも及び、南相馬市では2012年6月時点で確認されている死者数が588人、負傷者59人、全壊や大規模半壊など全ての被害世帯数は1,509世帯にものぼります。
また上記の放射性物質の拡散による被害もあり、津波とあわせて多くの方が市内外に避難を余儀なくされました。
(出典:南相馬市公式サイト)
いわき市
いわき市でも、15時39分に津波を観測しています。
その際の津波の高さは3.3mと非常に高く、一部道路を障害物で通行止めにし、家屋や建築物を次々と飲み込んでいきました。
この地震と津波による死者はいわき市だけでも308人となり、建物被害は全半壊24,750戸の甚大な被害となりました。
(出典:いわき市公式サイト)
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福島県の復興状況は?
福島県では復興が進んでいますが、災害復旧工事に関しては全てが完了あるいはあと少しで完了すると言う状況にまで至っています。
東日本大震災で被災した箇所に関しては98%に着手し、そのうちの94%が復旧を終え、2,043件が完了、87件が現在も復旧を続けているとのことです。(2019年9月時点)
また除染実施状況に関しても、先ほど挙げた除染特別区域を除く除染状況重点地域に指定されていた36市町村では2018年3月までに除染の全てを終了しています。
しかし、除染特別地域だけは今も国の除染計画に従い除染事業が行われています。この上に復興は進んでいるものの、県外への避難者は3万1,374人にものぼり、人離れは深刻な状況となっています。
(出典:ふくしま復興ステーション)
災害復興計画に基づき多分野でプロジェクトを継続
福島県では災害復興計画に基づいた多分野でのプロジェクトを継続的に行っています。
先ほどの人離れによる人口減少や高齢化などを受けての復興プロジェクトでもあります。
その大枠は11のプロジェクトに分けられて進行しています。
- 人口減少・高齢化対策プロジェクト
- 避難地域等復興加速化プロジェクト
- 生活再建プロジェクト
- 環境回復プロジェクト
- 心身の健康を守るプロジェクト
- 子ども・若者育成プロジェクト
- 農林水産業再生プロジェクト
- 中小企業等復興プロジェクト
- 新産業創造プロジェクト
- 風評・風化対策プロジェクト
- 復興まちづくり・交流ネットワーク基盤強化プロジェクト
このような重点プロジェクトを定め、避難地域の復興再生やその場所で安心して暮らせる環境づくり、またふるさと福島で働けるよう復興していくことを目的として進められています。
その事業規模は267事業606億円となっており、当初予算規模だけで1兆4603億円が投入される大規模な復興プロジェクトとなっているのです。
(出典:ふくしま復興ステーション)
福島県の復興支援をしよう
福島県では今も震災からの復興のため、様々な取り組みが行われています。
そんな福島県を応援することが私たちにできる復興支援ですが、具体的な応援方法はいろいろあります。
例えば福島の商品を買う、福島を訪れる、ボランティアや義援金、寄付金を行うなどです。
福島の商品を買って応援
福島県では原発事故により様々な風評被害を受けました。
しかし実際は厳しいチェックが行われ、放射能による汚染がほとんどない安全な食べ物ばかりであることが証明されています。
福島産の食べ物や特産品を購入することで、福島の産業が潤うだけでなく、それを食べていくことで周りにも安全であることを知らせていくことができます。
もちろん食べ物だけに限らず、福島で作られているものを購入することで復興の助けとなるのです。
福島を訪れて応援
先述したように、福島の一部を除き除染は完了しています。
また徐々にですが町並みは戻り、観光できるまでに復旧も行われました。
今も福島の奥会津や尾瀬、磐梯山では綺麗で広大な自然が広がり、訪れる人を楽しませています。
このように福島を訪れることで、現地の観光産業などの活性化につながります。
さらにそこでお土産などを購入すれば、上記の応援にも一役買うことになります。
旅行で訪れるだけでも、福島を応援することとなるのです。
ボランティアや義援金、寄付金で応援
ボランティアや義援金、寄付金で応援することもできます。
ボランティアに関しては現在も市町村災害・復興ボランティアセンターや福島県災害ボランティアセンターなどで受付を実施しています。
全ての市町村で受け付けているわけではないため、各団体や市町村へ一度連絡し、現在受け入れ常用や情報などを確認すると良いでしょう。
義援金について
義援金は県庁の保健福祉部社会福祉課にて受け付けています。
もし現地へ行くことが難しい場合はゆうちょ銀行や東邦銀行、福島銀行、大東銀行への振込みが可能です。
受付期間は2020年3月31日までとなっているためご注意が必要です。
寄付金について
寄付金については現在受付を終了しています。
しかし「東日本大震災ふくしまこども寄付金」や「ふるさとふくしま応援寄付金」と言う形での寄付金の募集は継続して行っています。
東日本大震災ふくしまこども寄付金は震災で親を失った子供を支援していくための寄付金であり、ふるさとふくしま応援寄付金はいわゆるふるさと納税として納付することで寄付を行えるという制度になります。
(出典:ふくしま復興ステーション)
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大きな被害を受けた福島を応援しよう
福島県は東日本大震災で大変な被害を受け、大きな爪あとを残しました。
そんな中で現地の人々は復興のために歩みを進め、現在はそのほとんどの地域で新しい生活をスタートさせています。
それでもまだまだ支援の手は必要であり、今度は復興のための活性化に私たちができることで応援することが必要なのです。
上述したように私たちができる応援はいくつもあります。それは福島の人々を元気付け、さらに復興を後押しすることにもつながります。
すぐにできることや時間がかかることもありますが、私たちができることを考え行動していくことをおすすめします。