東日本大震災

東日本大震災で津波の被害が大きくなった理由とは

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、未曾有の被害を引き起こしました。
死者は2万人近くにも及び、多くの人々が悲しみに暮れたのです。

また、本震災で、特にも顕著なのが観測史上最大とも言われた津波の被害。
大規模な津波被害によって、岩手県・宮城県・福島県の沿岸地域で死者・行方不明数が増加しました。

今回の記事では、津波に焦点を当てて、東日本大震災における津波被害が大きくなった理由について解説します。
(出典:総務省報道資料,2019年3月)

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東日本大震災で世界を震撼させた津波


東日本大震災で大きな被害を生んだきっかけとなったのは、世界を震撼させた津波です。
主に、岩手・宮城・福島県を中心とした太平洋沿岸部を巨大津波が襲いました。

各地を襲った津波の高さは、福島県相馬で9.3m以上、岩手県宮古で8.5m以上、大船渡で8.0m以上、宮城県石巻市鮎川で7.6m以上を観測。

また、宮城県女川漁港で14.8mの津波痕跡も確認されています。
陸地の斜面を駆け上がった津波の高さを表す「遡上高」は、全国津波合同調査グループによると、国内観測史上最大となる40.5mが観測されました。

他にも、国土地理院によると、青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉における浸水範囲面積は、561k㎡を記録。これは山手線の内側の面積の約8倍にも相当する広さです。

そして、同院が公開した浸水範囲概況図から、今回の津波が、仙台平野等では海岸線から約5km内陸まで浸水していることが確認されています。

(出典:内閣府防災情報のページ)
(出典:港湾空港技術研究所)
(出典:国土地理院公式サイト)

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地震により巨大津波が発生した理由


次に、地震によって巨大津波が発生した理由を説明します。

津波発生のメカニズム

津波とは、地震により海底が隆起あるいは沈降が発生し、海面が変動することです。
海面が変動し、大きな波となって四方八方に伝播します。

津波は、海が深いほど早く伝わり、水深が浅くなるにつれて速度は遅くなるのです。
しかし、遅くなるといっても、その速度は海岸近くで発生した津波においてもオリンピックの短距離選手並みの速さとなります。

「津波」と「波浪」は、多くの人の見解において混同されがちですが、実際には発生の仕組みも、その力にも大きな違いがあります。

「波浪」は、風の力で海面付近の海水だけが動きますが、津波は海底から海面までの全ての海水が動くのです。

また、波長が津波の場合は長く、数kmから数百kmにも及びます。
波の高さは同じでも、津波で沿岸に押し寄せる海水の量は、波浪よりも桁違いに多く、凄まじいい力で陸上に流れ込み、そして引いていくのです。

そして津波は、何度も押し寄せる性質があり、第一波の津波が一番高いとは限りません。

津波が陸地に近づいて速度が遅くなると、後ろの波が前の波に追いつき、複数の波が重なって、その後繰り返しやってくる波の方が高くなることがあるのです。

東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県宮古市・陸前高田市。
その大きな理由としては、三陸地方に特徴的なリアス式海岸が原因です。

リアス式海岸にも多くみられるV字型の湾の奥などでは、津波の力が集中し、局地的に力が集中することがあります。
この原理によって、大規模な被害が発生したと言えるでしょう。

(出典:内閣府防災情報のページ)

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東日本大震災の津波発生メカニズムを研究

東日本大震災で発生した大規模な津波は、大学や独立行政法人が協力して津波発生メカニズムの研究が行われました。

これまでプレート境界断層浅部は地震性滑りを引き起こさない領域とされていましたが、東日本大震災では、海溝軸付近で約50mの水平地殻変動と、約7-10mの垂直地殻変動が推定されており、これらが巨大津波発生の原因になったとされています。

今回の地震が大きな巨大津波を発生させたのは、地質条件に起因した滑りやすい断層であったこと、さらに断層運動時の摩擦発熱による間隙水圧上昇により、非常に低い剪断応力(断層を滑らせる力)のもと断層が滑ったことが原因と結論づけられました。

この研究結果は論文でも発表され、今後は、日本海沿岸などでも新たな視点での地震/津波発生ポテンシャルに関する調査研究、モデル化と数値シミュレーションが必要であるとされています。

また、これまでに得られた地層物性データや検層データ等の詳細解析をさらに進めると共に、国内のみに止まらず、国際的にも今回の新たな知見を元に、防災・減災に対して科学的な貢献が期待されているのです。

(出典:国立研究開発法人 海洋研究開発機構 公式サイト)

今なお続く支援活動

現在も、2011年の東日本大震災の被災地では、復興は「完了」ではなく「継続中」の段階にあります。

発災から15年が経過した2026年現在、インフラや住宅の再建は大きく進みました。仮設住宅はほぼ解消され、多くの人が災害公営住宅や再建住宅へ移行しています。
一方で、被災地の人口は震災前と比べて大きく減少しており、とくに若年層の流出による過疎化と高齢化の進行が深刻な課題となっています。

このような現状を踏まえ、「どこで、誰が、何を必要としているのか」といった情報が公開されています。
その情報をもとに支援者を募ることで、被災地に本当に必要な物資が効率的に供給されています。

そのほかにも、震災の影響で家庭が経済的に困窮し、高校などへの進学・就学が困難になった生徒を対象に、返還不要の奨学金を給付する制度であるまなべる基金が設立されています。

こうした取り組みにより、被災地の子どもたちが将来の進路を自由に選択できる環境づくりが進められています。

現地での復興を支えるボランティア活動は減少傾向にあるものの、現在も活動は継続しています。
イベントの設営・運営に加え、ライターやWebデザイナーなどが関わり、東日本大震災の記憶や教訓を後世に伝えていく取り組みが行われています。

<伝えていくための取り組みの例>

国立国会図書館「ひなぎく」

写真・動画・証言・報道などをまとめて検索できるデータベースです。

東日本大震災津波伝承館 

被災者が体験を語る「語り部活動」を記録・保存しています。

3.11メモリアルネットワーク

各地域の団体や施設をつなぎ、震災の記録・伝承を広げるネットワークです。

● 気仙沼震災記録資料集(宮城県気仙沼市)

地域の有志や団体が中心となって、震災前後の写真や映像を収集・公開しているプロジェクトです。

● 石巻アーカイブ(宮城県石巻市)

地域の記録をデータベース化し、後世に残す活動を行っています。

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私たちの寄付が被災者の大きな力に


2026年現在、大きな被害を受けた地域では復興がさらに進み、住まいの再建もほぼ完了しています。しかし一方で、地域経済の立て直しやコミュニティの再生、心のケアなど、目に見えにくい課題は今なお残されています。時間の経過とともに関心が薄れがちな中で、被災地の現状に目を向け続け、それぞれの立場で支援や関わりを持ち続けることが求められています。

動画はこちら
この記事を書いた人
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