安全な水とトイレを世界中に

SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」のターゲットにある「安全で安価な飲料水」の実態とは

日本にいれば、安全で管理された水を利用することができます。

それは日本の水道設備がしっかり整備されたものであり、多くの人々の努力によって成り立っているからです。

しかしこのような設備を利用していつでも安全な水が利用できるのは、実は恵まれた環境なのです。

世界の水事情について紹介します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」のターゲットや現状は?

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安全な水とトイレがない世界


日本では蛇口から安全な水が得られ、衛生的に管理されたトイレを利用することができます。

自宅やビル、学校、公園などいたるところで当たり前に使えますが、世界では必ずしもそうとは限りません。

上下水道の設備がないだけでなく、そもそも水を供給する設備がない、衛生的で管理された個室トイレどころか、トイレそのものがないという国や地域もあります。

この地球上にある水の約1割を農業や工業、飲料水、生活用水に利用しています。そのため水が足りないということはありません。

もちろん砂漠などのように雨が降らない地域で水が得られないことはあるかもしれませんが、基本的には水を得られる設備が整備され、維持する体制や技術、予算があれば水を得ることはできます。

安全な飲み水や衛生施設にアクセスできない人は、この世界に大勢います。

そういった人々を減らし、安全な飲み水を得られる人を増やすために国連採択されたミレニアム開発目標(MDGs)では、2010年までに安全な飲み水にアクセスできない人口の割合を22%から11%にまで半減させました。

これは世界人口が53億人だった1990年から世界人口が69億人にまで増えた2010年までの結果であることから、確実に安全な水にアクセスできる人は増えています。

同期間に衛生施設を利用できなかった人口割合も45%から37%まで減少し、改善が見られます。

しかし、それでも水不足や劣悪な水質、衛生施設の不備は教育や医療に悪影響を及ぼしていることから、MDGsの後継である持続可能な開発目標(SDGs)で目標6として「安全な水とトイレを世界中に」を掲げました。

この目標では安全な飲み水やトイレなどにアクセスできない人を減少させるのではなく、全ての人々に提供することを目指しています。

  • 安全な飲み水や衛生施設にアクセスできない人は、世界に大勢いる
  • 2010年までに安全な飲み水にアクセスできない人口の割合を22%から11%にまで半減
  • 水不足や劣悪な水質、衛生施設の不備は教育や医療に悪影響を及ぼしていることから、MDGsの後継である持続可能な開発目標(SDGs)で目標6として「安全な水とトイレを世界中に」を掲げた
  • (出典:国際開発センター「目標6 安全な水とトイレを世界中に」,2018)

    安全で安価な飲料水は得られているのか


    SDGsの目標6ではターゲットの中に「2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。」というものが定められています。

    実際に、世界では安全で安価な飲料水が全ての人に提供できているのか、その実態について見ていきましょう。

    飲み水へのアクセス状況は?

    ユニセフの報告によれば、2017年時点で、世界で22億人が安全に管理された飲み水を使用できずにいます。

    このうち1億4,400万人は湖や河川、用水路などの未処理の地表水を使用しています。

    安全に管理された水を利用できる人の割合は世界全体の71%にあたる53億人です。安全に管理された水を利用できない人々は、飲み水へのアクセス状況が次の4つに分かれます。

    飲み水へのアクセス状況定義利用者の世界人口割合
    基本的な飲み水を利用できる待ち時間を含めて自宅から往復30分以内で水を汲んでくることができる、改善された水源から得られる飲み水19%  (14億人)
    限定的な飲み水を利用している待ち時間を含めて自宅から往復30分よりも長い時間をかけて水を汲んでくることができる、改善された水源(外部からの汚染、特に人や動物の排泄物から十分に保護される構造を備えている水源。例えば、水道、管井戸、保護された掘削井戸、保護された泉、あるいは、雨水や梱包されて配達される水など)から得られる飲み水3%(2億600万人)
    改善されていない水源を利用している保護されていない井戸、保護されていない泉、地表水など外部からの汚染、特に人や動物の排泄物から十分に保護される構造を備えていない水源6%(4億3500万人)
    池や川の地表水を利用している川、ダム、湖、池、小川、運河、灌漑用運河といった水源から直接得られる水2%(1億4400万人)

    地表水を利用している割合は、全体からすれば世界人口の2%と少ないのですが、それでも1億4,400万人が、動物などが利用するような風さらしの管理されていない不衛生な水を日々使っているということになります。

    そうでなくても全体で29%の人々が「安全」ではない、水を利用していることになります。

    これは非常に深刻な状況であり、安全でない水の利用は人々の健康を害する要因になることから、改善されなければいけない状況です。

    安全に管理された水を得られない地域

    SDGsは2015年に目標とターゲットを設定する際、「安全に管理された水」という定義を生み出しました。

    水質の安全性に加え、必要なときにいつでも手に入れられることが、条件として明確に示され、達成されなければならない目標となったのです。

    もう少し具体的な状況を整理すると、限定的な飲み水や改善されていない水源、地表水を利用している人のうち10人に9人はサブサハラアフリカ(4億人)、東アジア・東南アジア(1億6100万人)、中央アジア・南アジア(1億4500万人)で暮らしています

    つまりそのほとんどがアフリカとアジアに集中していると言うことです。

    さらに河川や湖などの地表水を直接汲んで利用している人の半数以上はサブサハラアフリカ在住であることも分かっています。

    ただし、これらは推計によるものも含まれています。世界では水と衛生サービスの質に関するデータが不足しており、報告書には安全に管理された飲み水に関して96カ国に推計が含まれているのです。

    そのため、前述した数よりもっと多くの人が安全に管理された飲み水を利用できていないおそれもあります。

    安全な飲み水が利用できない人が増加する可能性も

    水の使用に何らかの制約がかかっている状態を表す指標に「水ストレス」があります。

    「水ストレス」とは、年間取水総量を年間の利用可能な水資源総量で割った比率です。

    「水ストレス」が25%を超えている地域は、住民が水を十分に利用できていないとしています。

    2012年には水ストレスが25%以上の地域で、20億人が生活しているとの報告がありました。

    水不足に悩んでいる国は北アフリカや西アジアなどに多く見られ、2011年時点の北アフリカの水ストレスは95%、西アジアは54%、中央アジアは50%、南アジアでも48%といずれも高い水準であることが報告されています。

    水不足の傾向が見られた国は、1998年の36ヶ国だったのが、2011年には41ヶ国に増加しました。

    それは干ばつや多発する砂漠化などによる影響ですが、このうちの10カ国では再生可能な淡水が枯渇寸前にまで追い込まれ、従来と異なる水源に頼らざるを得なくなりました。

    このまま干ばつや砂漠化が進行すれば、2050年までには4人に1人以上が慢性的な水不足の影響を受ける可能性が高いと考えられています。

    これは安全な水を利用できている日本も例外ではありません。

    日本でも暖冬などの影響により、冬の積雪が減ってしまうことがあります。そうなると夏場に水源の枯渇が起こる可能性があるのです。

    また水質汚濁や水源汚染が、日本を含む世界中で見られます。

    特に日本は都市用水の水源の75%を河川や湖沼が占めていることから、工場や生活排水などによる水質汚濁や資源汚染が進行すれば、安全に管理された水を利用できなくなる可能性も否定できません。

  • 2017年時点で、世界で22億人が安全に管理された飲み水を使用できず、このうち1億4,400万人は湖や河川、用水路などの未処理の地表水を使用
  • 限定的な飲み水や改善されていない水源、地表水を利用している人のうち10人に9人はサブサハラアフリカ(4億人)、東アジア・東南アジア(1億6100万人)、中央アジア・南アジア(1億4500万人)で暮らしている
  • 水不足に悩んでいる国は北アフリカや西アジア

  • (出典:ユニセフ「安全な水」)
    (出典:ユニセフ「SDGsの指標に基づく初の報告書発表」)
    (出典:国際開発センター「目標6 安全な水とトイレを世界中に」,2018)
    (出典:国連開発計画「目標6: 安全な水とトイレをみんなに」)

    SDGs目標のターゲットにある「安全で安価な飲料水」を届けるために必要なこと


    安全で管理された安価な飲料水を得られないような状況を改善するためには、いくつかの取り組みが必要となります。

    まず、現在深刻な水不足により、地表水などを利用せざるを得ないサブサハラアフリカや南アジア地域に、安全な水を届けることです。

    そのためには上下水道などの設備の整備だけでなく、維持する体制を整えるための資金や技術、経営面でのサポートを先進国が率先して行っていく必要があります。

    このサポートは先進国だけでなく、民間企業などによる投資によって行われることで、より効果的かつ効率的、持続的な経営が可能になります。

    またそれが持続的に安価で提供されるためには、新しい水機器の開発も必要となるでしょう。

    ただしこれらはすぐに取り掛かれるものではなく、長い時間がかかることから、直近の問題解決として井戸や貯水槽の設置などが効果的です。

    井戸や貯水槽の設置については、民間企業や支援団体による活動により、既に整備されている地域もあります。

    国内でも流水管理や節水農業の推進により、生態系に悪影響を及ぼさないように配慮しつつ、大切な水を効率的に使用できる取り組みも行っていかなければいけません。

  • 深刻な水不足により、地表水などを利用せざるを得ないサブサハラアフリカや南アジア地域に、安全な水を届ける
  • 上下水道などの設備の整備だけでなく、維持する体制を整えるための資金や技術、経営面でのサポートを先進国が率先して行っていく必要がある
  • 直近の問題解決として井戸や貯水槽の設置も必要
  • (出典:国際開発センター「目標6 安全な水とトイレを世界中に」)
    (出典:ユニセフ「水と衛生活動の取り組み」)

    みんなが健康的に生きていくために必要な安全な水を届けよう


    水は生きていく上で何よりも大切なものです。飲み水や生活用水などその用途は様々ですが、いずれも安全に管理されており、安心して使える衛生的な水であることが望まれます。

    安全でない水は健康を害する恐れがあり、全ての人が安全な水を使えなければいけません

    現在の状況はその理想には程遠く、多くの課題も残っています。

    課題は各分野の専門家によってでしか解決できないこともありますが、私たちにもできることはあります。

    例えばNPO・NGOに寄付することで、集まった寄付金を資金として、安全な水が使えない地域に井戸の建設などを行ってもらうことです。

    もちろんこれだけではありませんが、根本的な解決にはならなくても、今の状況を改善する手助けになります。

    水の問題について考え、一人ひとりが行動を起こしていくことは、何より重要な一歩となります。

    年間約50万人が参加、
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    「ちょっといい明日づくり」に挑戦する私たちgooddoと一緒に、まずは無料で社会支援をしてみませんか?

    この無料支援は、「世界中の子どもたちの命と健康を守る」ために活動している「公益財団法人 日本ユニセフ協会」に10円の寄付として贈られます。

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