安全な水とトイレを世界中に

水不足問題による水ストレスとは?水資源危機について知ろう

水不足問題は様々な問題を引き起こします。今後さらなるリスクを生むとも言われていますが、現在も水ストレスに苛まれている人が大勢おり、過去には水を巡る紛争さえ起こるほど深刻な問題となっているのです。

この水ストレスや水紛争とはなんなのでしょうか。この記事では水資源の危機についてや水不足問題で起こるリスクなどについて紹介します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」のターゲットや現状は?

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世界の水不足問題と今後のリスク


現在、水の問題は深刻であり、特に水不足問題は今後のリスクも踏まえ注目されています。

飲み水の現状

2000年以降、下記表でもわかるように、世界では安全に管理された飲み水を利用できる人が増え、改善された飲料水源を利用できる割合も増えていることから、以前よりは水に関する問題は解決に向けて前進しているとの見方もあります。

安全に管理された飲み水を利用できる人の割合
2000年 61%
2017年 71%

 

改善された飲料水源を利用できる割合
1990年 76%
2015年 90%

しかしその一方で、2017年では22億人が管理された安全な飲み水を得られず、そのうち1億4,000万人ほどは未処理の地表水を利用得ざるを得ない状況です。

そして、7億8,500万人もの人が水源が改善されず、限定的な飲み水を使用する場所で暮らし、そのうちの9割はサハラ以南のアフリカ、東アジア、東南アジア、南アジアの人々なのです。

また、未処理の地表水を使用している人の半数以上は、サハラ以南のアフリカに住んでいる人であり、今も深刻な水問題を抱えている地域でもあります。

水不足の現状と現状から予測できる2050年の水問題

水問題の要因の1つに水不足問題による影響が挙げられます。

現在、世界人口の40%以上にあたる36億人が水不足に悩まされており、今後も上昇すると予測されています。この状況が続けば、2050年には次のような問題が予測されています。

  • 約97億人になると予測される世界人口の約半数が水不足にさらされる。
  • 4人に1人は慢性的な水不足の影響を受ける

この影響は人々の生活に様々な影響を及ぼします。飲み水の問題だけでなく、世界の穀物生産の約半分に影響し、水ストレスによるリスクを負うことになります。

さらに砂漠化の進行を早めることになり、約100カ国、およそ10億人の生計を脅かすとも考えられているのです。

これらの問題は増加する人口や食糧を得るための農業、産業により要求する水循環の環境が増え続けていること、さらに近年の気候変動が原因とされています。

(出典:ユニセフ公式サイト)
(出典:国土交通省公式サイト「水資源問題の原因」)
(出典;国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所「目標6: 安全な水とトイレをみんなに」)

水ストレスとは


このような水不足問題において水ストレスという指標が用いられます。

水ストレスとは1人当たりの年間使用可能水量あるいは年利用量を河川など潜在的年利用可能量で除いた値を用いられます。
年間使用可能水量であれば、1700tを下回り、日常生活に不便を感じる状態を示したものが水ストレスとなるのです。

特に水ストレスが極めて高いレベルとなると、国内の農業、家庭、工業用水などを十分に利用できない人が80%に上っている状態で水不足が非常に高い状況になっていることが伺えます。

そしてその高いレベルでの水ストレス状態に直面している地域は世界17カ国、18億人にも上るといわれており、このままいけば2025年までに48カ国の28億人が水ストレスあるいは水不足にさらされると予測されています。

その中で水問題のリスクが最も厳しいのがカタールであり、中東や北アフリカがその脅威に晒されています。
他にもインド南部にある都市では熱波とモンスーンにより、いくつかの淡水湖が干上がって水不足が引き起こされ、抗議活動や暴動を招いてしまっています。
極めて高い水ストレスを抱える地域では、地表水や地下水から水を得ており、最大80%をそこから得なければならず、ちょっとした雨不足でも深刻な影響となってしまいます。
気候変動により、現在先ほど挙げた37カ国の国と地域で、このような高い水ストレス状態に直面することとなってしまっているのです。

(出典:国土交通省「日本の水資源と水需給の現況」)

水不足問題の原因は?


このような水不足の問題の要因として、世界人口の増加や気候変動などが挙げられます。
特に人口増加や気候変動は深刻であり、対策や改善を行っていかなければ、いずれさらに深刻な水不足になることは先述した通りになります。

ではそれぞれの原因について見ていきましょう。

世界人口の増加

世界人口は年々増え続けています。2019年現在も77億人がこの地球に住んでいるといわれており、この増加は留まるところを知りません。

先述しましたが、2050年まで人口増加が進めば約97億3,000万人になるとも予想され、20億人の増加が見込まれています。
人口が増加すれば使用する水の量も増え、今でも水不足の状態からさらに多くの水を使用することとなってしまいます。

また、それだけの人口の食糧を生産するためにも水が必要です。農業や産業でも水循環の環境への要求が増え続けていることから、水不足は深刻な状況へと直面することとなるでしょう。
人口増加は水不足への大きな原因となってしまっているのです。

(出典:国際連合広報センター「世界人口推計2019年版」)

気候変動

気候変動も大きな原因となっています。
地球温暖化による影響で近年は大雨による水害や、干ばつによる深刻な水不足が各地で起こっています。

この地球温暖化による異常気象によって、様々な地域で水不足が発生しています。先ほど例に挙げたインドの都市も干ばつによる水不足で暴動などが起こっていました。

またこの異常気象が続けば、砂漠化が進行してしまい、水不足だけでなく人が住める地域が狭くなってしまう問題も起こります。
気候変動による水不足は、直接的また間接的に大きな影響を及ぼすこととなるのです。

(出典:日本ユニセフ 公式サイト)
(出典:国際連合広報センター公式サイト)
(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)

過去には世界のあちこちで水紛争が勃発


このような水問題や水不足は現在から未来への問題ではなく、過去にも深刻な被害をもたらしてきました。その1つが世界で勃発した水紛争です。

陸続きで河川を挟むような国同士ではこのような紛争が起こってきました。紛争といっても戦いが起こったわけではなく、国家間の対立が起こっています。

各地で様々な紛争が起こりましたが、その中でも有名な河川や近隣の国での紛争を4つほど紹介します。

ドナウ川

スロバキアとハンガリーの間で起こった運河のための水利用に関する対立で起こった紛争です。
ダム開発が要因で国家間での環境問題への意識、政治制度の違いが引き金となり紛争へと発展しました。

最終的には1992年にハンガリーが紛争問題の裁定を国際司法裁判所に要求し、両国に罰金の支払いを命じる判決を下すことで決着しました。

漢江(かんこう)

北朝鮮と韓国を流れる漢江でもダム建設を巡る環境問題などで水紛争が起こっています。
韓国のソウルを流れる漢江の上流は北朝鮮にあり、ここに大型のダムが建設されています。

再度戦争に突入した際、このダムから一気に放水することで大反乱を発生させソウルに多大な被害を及ぼすと予想されたことにより、国境近くに水を貯めていない防衛用のダムを建設しています。

直接的な戦いが起こってはいないものの、水利用に対して緊張状態にあり、これも一種の水紛争と言えます。

ナイル川

ナイル川はエジプト文明を生んだ河川として世界的にも有名ですが、今もこの川が流れる国の人々の生活を支えています。
ナイル川は11カ国を流れる国際河川であり、最下流であるエジプトが使用権を持っていました。

他の10カ国はナイル川の使用に関してエジプトに伺いを立てる必要がありますが、水力発電や生活用水、灌漑用水などの自由な利用にエジプトが首を縦に振らない状況が続きました。

これによりナイル川流域の国では反発が置き、エチオピアを中心としてダム建設と水配分に関しての水紛争が起こったのです。

2010年にはエチオピアを中心とした上流5カ国で協定を結び、ナイル川に関する様々な活動を認めると取り決めました。
エジプトは当初反発しましたが、同盟国だったスーダンが2012年にダム建設に対する反対を取り下げたためエジプトが孤立する結果となっています。

インダス川

ナイル川同様に四大文明の1つを築いたインダス川でもインドとパキスタンで水紛争が起こっています。
こちらは水の所有権についての対立であり、インダス川上流域をどちらが領有するかという問題でした。

両国とも人口増加が進み、一人当たりの水使用量が増えたため、インダス川の流量が減れば深刻な問題に直面します。
しかし両国で共有するのは難しいこともあり、両国間緊張は高まっている状態なのです。

(出典:国土交通省公式サイト「水資源問題の原因」)

SDGsの目標「安全な水とトイレを世界中に」達成に向けて取り組もう

上記のように世界では様々な水問題や水不足を抱えており、劣悪な水環境で生活する人々が大勢います。このような状況を打開するために掲げられたのがSDGsの目標「安全な水とトイレを世界中に」です。

これに対して各国の政府や関係機関が積極的に取り組み、改善する試みを行っています。しかし国同士の支援などになるとなかなか簡単にはいかず、各地域への支援は遅々として始まらないことも少なくありません。

そこで直接的に支援に乗り出しているのがNPO・NGOなどの非営利団体です。このような団体が各地域へ赴き、水環境改善のための支援を行っています

しかしこのような活動は寄付や募金なしでは成り立たず、世界で深刻な水問題の解決のためには私たちが行動を起こし、取り組みに参加することも必要です。

他にもSDGsの目標達成のために私たち一人ひとりができることを考え、主体的に取り組む姿勢が目標達成のために必要な大切なことなのです。

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