パートナーシップで目標を達成しよう

SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」のターゲットにある「マクロ経済」とは?

私たちは日々労働などで収入を得て、消費を行い、経済活動を行っています。一家計の中ではわずかな動きかもしれませんが、それは国全体や世界全体で見れば非常に大きな動きとなり、世界の経済状況を把握する手がかりになります。
そういった景気動向を広い視野で分析し、把握する方法としてマクロ経済が利用されています。

国連サミットで採択されたSDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」のターゲットには「マクロ経済」に関する内容も含まれています。

この記事ではSDGsのターゲットにもなっているマクロ経済について紹介します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」のターゲットや現状は?

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SDGs目標17の「パートナーシップ」に見る経済の政策

世界では様々な問題があり、それに対して各国が取り組みを行っています。それは国が各々で行うものではなく、多種多様な協力の下、実施されています。

国連では2015年に持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。そこには世界の問題に対して16の目標(ゴール)が掲げられ、達するためのターゲットも設定されました。
SDGsには17番目の目標が存在しますが、これは1から16までの目標を達成するため「実施手段」と「パートナーシップによる達成」が謳われています。

この目標を元に世界は協力し、今ある問題を2030年までに全て解決し、設定したゴールに達するよう取り組んでいます。

SDGs目標17の実施手段の中には「制度・政策」があります。そのターゲットには、世界的なマクロ経済の安定を促進することが盛り込まれていますが、このマクロ経済とは何なのか、簡単にはなりますが、解説していきます。

  • 国連は2015年に持続可能な開発目標(SDGs)を採択した
  • SDGs目標17では、1から16までの目標を達成するため実施手段として「制度・政策」がある
  • 「制度・政策」のターゲットには、世界的な「マクロ経済」の安定を促進することが盛り込まれている

  • (出典:国際開発センター「目標17 パートナーシップで目標を達成しよう」,2018)

    マクロ経済学とミクロ経済学

    マクロ経済を紹介するためには、ミクロ経済についても触れておかなければいけません。

    まずマクロ経済についてですが、マクロは「巨大な」という意味を持ち、マクロ経済は政府や企業、家計を一括りにした経済社会全体の動きを言います。

    国や政府レベルで物価や消費、金融などの動きを国全体から捉えることであり、景気の良し悪しや円高、失業率の増減などのニュースはマクロ経済の要素の1つで、広く大きな視点で世の中の動きを見ることで、日本経済の先行きを予測することができます。

    それに対してミクロ経済は個人の家計や企業を採用単位として、その行動や意思決定がどのように行われるかを扱う経済学の領域です。

    ミクロ的な(狭い)視点から経済を分析することからこのように呼ばれています。個々の経済主体の行動に焦点をあて、市場においてどのように価格決定が行われるのか、資源がどのように企業や家計に分配が行われるのかといった研究はミクロ経済の領域です。

    マクロ経済学の歴史

    マクロ経済学は1960年代にまで遡ります。マクロ経済は別名ケインズ経済学とも呼ばれています。これはマクロ経済を提唱したのがジョン・メイナード・ケインズというイギリスの経済学者であったことが由来となっています。

    ケインズは政府が積極的に市場に介入することで景気をコントロールする、というそれまでの経済学からは考えられないような提唱を行いました。

    ケインズは第二次大戦期間を代表する経済学者であり、この大戦間期の経済変動に対して行われた経済学の取り組みの結果として、マクロ経済は誕生しています。

    財政や金融政策ではケインズの提唱した理論の構造に基づいて議論されていましたが、学術的な世界では、1970年代以降マクロ経済学は、ルーカス、サージェントなどによる合理的期待理論、プレスコットなどの実物的景気循環理論(リアル・ビジネス・サイクル)を通して、新古典派的なマクロ経済学へとその姿を一変しました。

    新古典派の経済学は、財政・金融政策の効果について、景気安定化のために財政・金融政策がやれることはほとんどない、というケインズ経済学とはまったく異なる考え方をしました。

    しかし経済的な大損失が起こったことで有名なリーマン・ショック後の世界経済では、学界の主流である実物的景気循環理論とは全く逆に、財政・金融政策が世界中で積極的に活用されたのです。

    これはケインズ経済学にある積極的な財政・金融政策の基礎にほかなりません。もちろんケインズ経済学がすべてにおいて全く正しかったわけではなく、ケインズ経済学の「ミクロ的基礎づけ」については議論がなされました。

    ただケインズ経済学、ひいてはマクロ経済学の分析は現在の経済において意味があるものであったことが分かります。

  • 政府や企業、家計を一括りにした経済社会全体の動きのことをマクロ経済と言う
  • マクロ経済は別名ケインズ経済学とも呼ばれる
  • ケインズは政府が積極的に市場に介入することで景気をコントロールする、というそれまでの経済学からは考えられないような提唱を行った
  • (出典:SMBC日興証券「初めてでもわかりやすい用語集」)
    (出典:経済社会総合研究所「昭和恐慌をめぐる経済政策と政策思想」,2003)
    (出典:経済産業研究所「確率的マクロ均衡とケインズ経済学のミクロ的基礎づけ」)

    マクロ経済の利用

    マクロ経済は国内において景気動向の把握に利用されています。その予測には、経済統計が必
    要になるのですが、GDPや個人消費、設備投資、住宅投資、公共投資、輸出入・国際収支、生産・出荷・在庫、企業収益・業況判断・倒産、雇用、物価、金融が利用されています。

    このように景気動向により変化するマクロ経済学的数値を「マクロ経済変数」と言い、この数値に注目して、国全体としての消費や投資、輸出入、賃金率、一人当たりの所得などの動向を分析します。

    経済予測、特にマクロ経済予測の場合は、国内総生産、消費や投資、インフレ率など、マクロ経済変数の将来的数値を様々な手法で予測することを意味します。

    また、マクロ経済は公共投資に対しての効果の計測などにも利用されます。
    実際に2019年には国土交通省において、経済効果の高いインフラ整備に取り組む必要性があり、取り組むためには個々のインフラ整備事業の整備効果だけでなく、その時々の経済情勢を考慮した上、マクロレベルでの経済効果を定量的に把握する必要がありました。
    そのため、インフラ整備によるマクロ経済効果を把握するためのマクロ経済モデルの構築を試みました。

    マクロ経済による一例・中国経済の動向

    マクロ経済学による景気動向分析は国内のみならず、海外の景気動向も分析しています。

    隣国である中国は急速な変化をしており、2017年の分析によると、実質GDP成長率は6.9%となり、中国政府の成長率目標を上回る7年ぶりの年ベースの上昇となりました。

    その要因を分析したとき、2017年に純輸出がマイナスからプラスに転じた影響が大きく、消費も全体の成長の過半を占めており、経済成長の柱となっています。

    業種別に見れば、第3次産業が第2次産業を上回る伸びを示しており、特に情報通信・情報技術サービス、対事業所サービスなどのサービス業は二桁成長を達成しているなど、その成長が著しい業種となっています。

    このようにその国の経済がどのように成長し、その要因が何なのかマクロレベルで分析して把握するのがマクロ経済学の特徴と言えます。

  • マクロ経済は国内において景気動向の把握に利用されている
  • マクロ経済は公共投資に対しての効果の計測などに利用されている
  • マクロ経済学による景気動向分析は国内のみならず、海外の景気動向も分析している

  • (出典:日本貿易振興機構「マクロ経済-経済予測」)
    (出典:内閣府「マクロ経済統計リンク集」)
    (出典:国土交通省「公共投資の経済効果を計測するマクロ経済モデルの構築に関する調査研究」,2019)
    (出典:経済産業省「急速に変化する中国経済」,2018)

    SDGsの目標達成に向けて国内や世界の経済状況を把握することが重要

    普段生活している中で、マクロ経済学に触れることはなかなかないかもしれませんが、国内や世界の景気動向を探るためには、必要な学問です。

    日本はリーマン・ショックを含め、長い間不況に苦しみました。世界もリーマン・ショック以降、様々な経済政策の下、国内の景気の安定を図ってきました。その効果が出ているのか、景気動向はどうなっているのか把握するためにはマクロ経済は重要な指標になります。

    もちろんマクロだけでなくミクロ経済についても分析は必要ですが、国や世界など巨大な枠組みで把握するためにはマクロ経済による分析、そしてケインズが提唱する政府による積極的な市場への介入はときに必要となります。

    SDGsにおいては、マクロ経済は世界の経済を指し、その安定を国々が協調して、促進されるべきであるとしています。世界が不景気にあるときや混乱にあるときほど、各国が協力し、いち早く世界的なマクロ経済の安定が図られることが望まれます。

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