この世界には多くの問題があり、その解決のためSDGsという目標を定め、世界で協力していくことで解決を目指しています。
その協力のあり方も様々であり、先進国と開発途上国の状況の違いや格差から、その是正のために行われる双方の協力による取り組みもあります。
国連サミットで採択されたSDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」のターゲットに「南北協力」についての内容も含まれています。
この記事ではSDGs目標達成に必要な「南北協力」について、現状や課題を含めて紹介します。
持続可能な開発目標・SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」のターゲットや現状は?
『紛争・貧困などによって困難に直面する子どもたち』
を無料で支援できます!!
本サイト運営会社のgooddo(株)が応援している『ワールド・ビジョン・ジャパン』の公式LINEを友だち追加すると、「困難に直面する子どもたちのために活動」するワールド・ビジョン・ジャパンに、gooddoから支援金として10円をお届けしています!
支援は簡単。あなたがLINE友だち追加するだけ!一切負担はかかりません。この無料支援にあなたも参加しませんか?
SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を解決するために
私たちの世界には様々な問題があります。それは貧困であったり教育であったり、飢餓、紛争、人権、ジェンダーなど多種多様な問題です。
これらの問題を解決するために国連では持続可能な開発目標(SDGs)を2015年に採択しました。SDGsでは世界で起こる問題について17の目標と169のターゲットを定め、世界全体で解決するための取り組みを行うことを約束しています。
この中で1~16までは各問題について着目し、2030年までに達成すべき目標として掲げられていますが、目標17だけは少々異なります。
目標17では1~16を達成するための実施手段の強化とパートナーシップの活性化に向けた「パートナーシップで目標を達成しよう」という内容を定めています。
実施手段としては資金や技術、能力構築、貿易、制度・政策といったものに分類され、これらを用いて目標を達成することを目指しています。
パートナーシップに関してもいくつかターゲットが定められていますが、その中には南北協力を向上させることによる開発途上国の支援強化などが謳われています。
次章では、この南北協力とは何なのか解説していきます。
(出典:国際開発センター「目標17 パートナーシップで目標を達成しよう」,2018)
SDGs目標17のターゲットにある「南北問題」と「南北協力」とは
南北協力について紹介するには、まず南北問題について触れなければいけません。
南北問題とは、1960年代に入り起こった先進国と開発途上国の経済格差の問題であり、経済的に豊かな国が北側、貧しい国が南側に偏在していたことから、「南北問題」と呼ばれるようになりました。
なぜ開発途上国が貧困な国となってしまうのか、それについては後述しますが、このような経済格差は世界的な問題として取り上げられ、世界全体で取り組むべき問題として注目を集めました。
開発途上国の経済力では貧困の状態を改善することはできず、経済的に発展している先進国の協力が必要不可欠です。
そのため資金や技術供与、運営方法などの支援を先進国が行うことで開発途上国との経済格差を是正することを目的とした相互の協力として「南北協力」が行われました。
南北問題に見る開発途上国の貧困の現状と課題
開発途上国の多くが貧困状態にあるのは、いくつかの理由が存在します。
世界銀行が発表したデータによると、2016年時点で世界で最貧困層と定められる基準の1日1.90ドル未満で生活する人口は約7億6,700万人と言われています。そのほとんどは開発途上国に住んでおり、半数が18歳未満であることが世界銀行グループの報告で分かっています。
極度の貧困下で暮らす子どもの割合で見ても、サブサハラアフリカに住む割合が全体の50%であり、二番目に高いのが南アジアの約36%で、インドだけでも30%以上を占めていると言われています。
このように開発途上国では高い割合で極度の貧困の中にある人がいて、国全体が貧困国となってしまっています。先進国と比べ経済格差が大きく開いていることが伺えます。
ではなぜこのように貧困になってしまうのか、その理由の1つに不利な貿易やインフラの格差といった問題が浮上します。
貧困国では十分なインフラ整備を行うための経済力がなく、整備不足が経済発展を阻害してしまっています。先進国と途上国の間のインフラ格差は、そのまま経済格差につながっていると言っても過言ではありません。
また、先進国と開発途上国の間で不平等な貿易により、不利な立場に置かれているのも貧困の原因となっています。
世界貿易の構造は開発途上国にとって不公平であり、WTOの協定が途上国にとって不利な状況にあることから適切な収入などが得られず、貧困から抜け出せない状態にあります。
さらに紛争や教育格差なども問題の要因となっています。
サブサハラアフリカや中東では紛争が未だに起こる国や地域もあり、政府が機能していない国や地域が存在します。そのため難民などはまともな生活ができず、貧困に苦しんでいます。
そのような国では汚職や癒着なども起こっており、適切な政策が行われない現状があります。
政策が行われず、安全な暮らしができない地域であることから、学校などや教育制度も正常行われず、教育格差が広がる一方です。
子どもたちは将来の途上国の発展にとってなくてはならない存在ですが、満足な教育を受けられないことから、成人後も安定して収入を得られる職に就けないこともあります。
このように、開発途上国では様々な問題によって貧困から抜け出せず、先進国との経済格差が埋まらないことから、南北問題は解決に至らない状態にあります。
(出典:JICA 独立行政法人国際協力機構「発展途上国と貧困の問題」)
(出典:公益財団法人ユニセフ協会「子どもの貧困」,2016)
(出典:内閣府「諸外国における子供の貧困に関する指標の状況」,2017)
先進国としての南北協力
開発途上国との経済格差是正には、先進国の協力は必要不可欠です。そのため北側に栄える先進国は開発途上国に対して様々な支援と協力を行っています。
SDGsはその中核となり、南北問題に関してパートナーシップによる協力で解決に向かうよう指針を示していますが、その前身であるミレニアム開発目標(MDGs)からこの問題に関しての取り組みが行われていました。
日本も先進国の立場でODAや国際協力機構を通じて、開発途上国に様々な協力を行っています。
例えば貧困の削減のため、開発途上国における人材育成や能力開発、政策・制度の改善、社会・経済インフラの整備など貧困の問題になっている項目について、幅広く取り組んでいます。
各種事業において、貧困層を直接的な支援の対象とする貧困対策から、貧困層が自ら行う事業から得る収益を増大させるような工夫を組み込む貧困配慮の2つを軸に行われています。
また、貧困層に良質で多様な金融サービスへのアクセスと活用を促進し、経済発展に必要な消費と支出の平準化や資産形成、疾病や災害などのリスク対応、所得の多角化と拡大を支援しています。
さらに子どもたちに不足していた教育協力を行い、教育格差に関しての是正も広く行っています。
等しく享受すべき基本的人権であり、将来的に国や世界を支える才能と能力を十分に伸ばして、生きていくための基盤を作ってもらうことを目的として進められています。
開発途上国における貧困層を対象とした事業は、単一の取り組みではなく、各開発分野との横断的な取り組みが必要であり、政府だけでなく多様な主体の役割が重要になります。
公的機関の支援や市民社会との連携だけでなく、民間企業などの連携なども積極的に進め、貧困削減を行っていかなければなりません。
(出典:JICA 独立行政法人国際協力機構「貧困削減」)
(出典:JICA 独立行政法人国際協力機構「教育」)
SDGs目標達成のために南北問題について理解を深めよう
南北問題は南側に多い開発途上国の問題ではありません。このまま開発途上国が経済的に発展しなければ、世界の経済も停滞し、先進国の経済すら危うくなる可能性があります。
世界全体の公平性や人権問題だけでなく、私たちの将来についての問題でもあります。世界ではこの問題をいち早く取り上げ、国連総会などを通して討議が為されてきました。
その結果がSDGsの採択であり、目標17に掲げられた「パートナーシップで目標を達成しよう」ですが、問題は複雑であり、即時解決できる問題ではありません。
そのため根気強くこの問題に取り組み、解決できるように各国が歩み寄って協力していく必要があります。
また問題の解決には政府や関連機関だけでなく、私たち市民レベルでもできることをしていく必要があります。
南北問題、そして南北協力について理解し、SDGs目標達成のためにできることを模索していくところから始めてみましょう。
『紛争・貧困などによって困難に直面する子どもたち』
を無料で支援できます!!
本サイト運営会社のgooddo(株)が応援している『ワールド・ビジョン・ジャパン』の公式LINEを友だち追加すると、「困難に直面する子どもたちのために活動」するワールド・ビジョン・ジャパンに、gooddoから支援金として10円をお届けしています!
支援は簡単。あなたがLINE友だち追加するだけ!一切負担はかかりません。この無料支援にあなたも参加しませんか?