SDGsとは「持続可能な開発目標」として、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継に、2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際的な開発目標です。
持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成されており、地球上の誰一人として取り残さないことをを目指しています。
先進国、発展途上国の区別なく、すべての国が積極的に取り組む普遍的なものとなっています。
SDGs目標1「貧困を無くそう」の達成に向けて、女性の貧困と男性との格差をなくすために必要なことについて解説します。
(出典:外務省 JAPAN SDGs Action Platform 「SDGsとは?」)
持続可能な開発目標・SDGsの目標1「貧困をなくそう」のターゲットや現状は?
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世界では男女の賃金に大きな格差
OECDが2019年に発表したデータによると、男女間の賃金格差はOECD諸国平均で依然として13.6%もの格差があるとされています。
そして、男女差別に基づいて失われている所得も世界全体で6兆米ドル、対GDP比7.5%となっています。
各国の男女間の賃金差を見ると、日本では24.5%と韓国の34.6%に次いでOECD加盟国2番目の数値を記録。
その他、アメリカが18.2%、イギリスが16.5%となっており、世界全体で改善に向けて取り組むべき問題の一つと言えるでしょう。
(出典:経済協力開発機構(OECD) 「男女平等に向けた歩みは遅すぎる -国際女性デー-」,2019)
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所得において男女の格差が生まれる背景
男女間での賃金格差が生まれる背景には、様々な原因があります。それぞれの問題点を紹介します。
男女間の差異
女性であることが原因で、男性と同等の環境を得られないことについて紹介します。
教育・職業訓練
男性と比較して、女性が学校教育を受ける期間が短かったり、限られた範囲の教育しか受けられない国がいまだにあります。これにより、女性の就労職種が限られたものとなります。
就労経験
女性は家庭において、家事や育児や介護の中心を担うことが多く、断続的な就業パターンになりがちです。長期にわたって就労することでの賃金アップにつながりにくくなっています。
職業分野
女性が多く就業している仕事は、比較的低賃金で社会的地位も低く決定権が少ないものです。
労働時間
家庭内の仕事である家事や育児、介護などを女性が中心となって担うことで、女性は家庭での労働時間が長く、有償労働の時間が短くなりがちです。
企業・分野別の労働組合組織率
女性を中心に雇用している比較的小規模な企業では、労働組合の組織率が低くなっています。組合での団体交渉がないような企業では、賃金水準に男女格差があり、男性より女性が低い傾向にあります。
(出典:同一賃金国際連合(EPIC)「EQUAL PAY FOR WORK OF EQUAL VALUE」 )
女性差別や軽視の風習
社会のルールや伝統的風習により、女の子や女性が教育や社会に参加しづらくなっています。それは、未来への可能性を閉ざすことにもつながります。
女児が教育を受けられない原因
改善されてきてはいますが、いまだに約3,200万人の初等教育年齢の女児が小学校に通えていません。
女児が教育を受けるうえでの障害は下記のとおりです。
(出典:独立行政法人国際協力機構JICA なんとかしなきゃ!プロジェクト 「ジェンダーとは」)
(出典:日本ユニセフ協会 「ジェンダーの平等」,2017)
女性の社会進出が経済成長に大きく影響
2018年時の世界銀行最高経営責任者であるクリスタリナ・ゲオルギエヴァは、「男女間の生涯所得の不平等を放置することにより我々は、160兆ドルを無駄にしている」と公の場で述べています。
ほぼすべての国では依然として、女性が労働参加を高め男性と同等の収入をえることを阻む障壁が存在するのです。このため、国の将来の富の価値といえる人的資本の価値に女性が占める割合は、男性が62%に対しわずか38%にとどまっています。
さらに低所得と低中所得国では、人的資本の価値に占める女性の割合は3分の1以下となっているのです。
(出典:THE WORLD BANK 「男女間の所得格差による富の損失は世界で160兆ドルに」,2018)
女性の労働参加を奨励する国も増加
男女差別が現在も多い中で、女性の労働参加を推奨する国も増加しています。
女性の労働参加の推奨から、働く女性の割合の増加。GDPを押し上げる結果を生み出すのです。
また、女性を暴力から守る法律を定めている国は、1990年代にはほとんど皆無でした。
現在では127カ国が部分的に制定しており、これは、女性虐待に伴う人的・経済的コストへの認識が世界的に高まっているためだと言えるでしょう。
(出典:世界銀行ブログ「男女平等を促進していない国は経済的にも伸び悩む」,2015)
ルワンダでは女性議員の割合は61.25%と世界第1位
ルワンダではジェンダー平等への取り組みが積極的に行われています。
2003年8月の大統領選挙で当選したカガメ大統領が汚職対策に力を入れており、治安の良さとともに、良好なビジネス環境を提供しています。なお、ルワンダは女性が国会議員に占める割合が61.25%で世界一を記録(2018年9月現在)。下院議長の要職を女性が占め、女性閣僚の割合は約48%と、女性の社会進出が進んでいます。
(出典:外務省 「ルワンダ共和国」,2019)
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女性が社会へ進出しやすい環境を目指そう
男女格差と貧困問題には密接な関係があり、法整備などを積極的に進めることで貧困問題も改善方向に向かう可能性があります。
また、女性の社会進出により、社会経済の成長が見込まれていることから、女性が社会進出しやすい環境を整えることは、女性の人権や尊厳を守るためにも重要です。
男女間の格差をなくし、女性が働きやすく平等に扱われる社会を目指して、身近な問題から取り組んでいく必用があるのではないでしょうか。