森林は私たちの周りにある自然の恵みの1つです。私たちはその恩恵を得て生活していますが、私たちの経済活動などで森林やそこに息づく生態系が失われ、私たちの生活にも影響が出始めています。
こちらの記事では、森林の生態系や保全活動についてどのようなことが行われているのか、紹介します。
持続可能な開発目標・SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットや現状は?
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SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」とは
地表は7割が海、3割が陸地であり、陸地には森林や草原、砂漠など様々な地形からなる生態系が存在しています。
それらの生態系は私たちが生活をしていく上で仕事や食料、燃料、医薬品などの全ての供給源として欠かせません。
裏を返せば、貧困撲滅や格差削減、包括的社会の発展など、今世界に存在するあらゆる課題は、陸上生態系によって生み出される財とサービスに直結しているとも言えます。
国連で2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、目標15として「陸の豊かさも守ろう」を掲げています。
これは、持続可能な形での森林管理と劣化した土地の回復と砂漠化対策を成功させて、生物多様性の損失に終止符を打つことを目標としています。そうすることで、天然資源の恩恵を未来に残せると考えているのです。
目標15の「陸の豊かさも守ろう」の目標達成のために掲げているターゲットの中で、森林の生態系や保全活動に関するものを紹介します。
ターゲット | |
---|---|
15.1 | 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。 |
15.2 | 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。 |
15.b | 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。 |
このように、森林における生態系の保全や、劣化した森林の回復と砂漠化の防止に焦点を当てています。
(出典:国際開発センター「目標15 陸の豊かさも守ろう」)
森林に息づく生態系とは
世界の陸地の中でも30%は森林が占めています。森林は光合成によって温室効果ガスの主となる気体でもある二酸化炭素を吸収し、有機物を蓄積する役割を持つため、地球上における炭素循環に大きな影響を与えています。
また森林内部では、樹木や草が高さを変えて重ならないように存在しているため、階層的な空間構造ができており、様々な生物の生息地としての役割も持っています。
木材や医薬品成分など人間にとっても有用な資源を供給してくれることや、植物や土壌が水分を保持していること、水資源を保全する機能など多様な機能を有しているのも森林の特徴です。
炭素の循環に着目すると、生産者となる植物をはじめ、昆虫や鳥類、哺乳類などの草食性生物、両生類や爬虫類、鳥類、哺乳類を含む肉食性生物をまとめた消費者、そしてミミズや微生物、菌類などの土壌中にいる分解者によって、豊かな生態系が作り上げられています。
日本では国土の3分の2を森林が占めており、その中には人工林も含まれています。適切な間伐などの持続可能な森林管理によって、森林生態系を保全することが求められています。
このように豊富な生態系と有用な資源の保全や供給をしてくれることから、森林とその生態系を私たちは保全していかなければいけない立場にあります。
しかし現在、日本を含む世界で、森林減少などが起こる地域があり、天然資源の減少や陸域生態系の崩壊、生物多様性の喪失など、持続可能な開発ができなくなる可能性が示唆されています。
森林の機能と生態系によるサービス
ここで森林が有する8つの機能と生態系がもたらす4つのサービスについてまとめておきましょう。
森林が有する8つの機能
生態系がもたらす4つのサービス
私たちはこれだけ多くの恩恵を直接的、または間接的に受け取り、生活を支えてもらっていることになります。
(出典:国際開発センター「目標15 陸の豊かさも守ろう」)
(出典:国立環境研究所「さまざまな生態系」)
森林生態系に起こる問題
森林とそこに息づく生態系は、多くの機能やサービスにより、私たちの生活は成り立っています。一方で私たちの社会・経済活動により、森林や生態系は大きな影響を受けています。
現在世界では1分につきおよそ25ヘクタールの森林が失われていると言われています。これは年間平均で約13万平方キロメートルであり、この面積は北海道と九州を併せた面積に相当します。
この中でも熱帯林は安価な木材やパルプ材、農場や牧場を入手するために違法な森林伐採や火災が頻発しています。
森林伐採は本来、その生育状況や面積などを考慮した上で管理された伐採が行われなければいけません。しかし、国や地域によっては利益のために大量に伐採されることもあります。
また気候変動などの影響により、大規模な森林火災などが発生することで、森林や生態系が失われています。
気候変動は森林火災だけでなく深刻な干ばつも起こしており、水資源が失われたことで森林が生息できなくなる地域もあります。
森林減少の要因には農地開発などの土地利用が関係しています。増え続ける人口を支えるため、農地開発が必要となり土地を得るために森林が伐採されたり、過度な土地利用のため土地が痩せてしまい、砂漠化が広がった地域もあります。
このような過剰な農地開発などで、樹木を含む生態系の破壊や、生物多様性の喪失が起こり、森林生態系が失われることになります。
他にも焼き畑農業の増加、燃料用木材の過剰な伐採など森林が失われる要因はいくつもあります。
過去のデータから特に森林減少面積が大きいのはブラジルであり、インドネシアやオーストラリアが続いています。
(出典:国際開発センター「目標15 陸の豊かさも守ろう」)
(出典:環境省「世界の森林はいま」)
世界や日本で行われている森林や生態系の保全活動
世界では森林や生態系を保全するため、様々な活動が行われています。
現在進行している世界の森林減少や劣化を抑制するために、国連森林フォーラム(UNFF)が政府間の対話の場を作り、関係各国や各国際機関と連携をはかる国際的な取り組みの推進が行われています。
また日本は関連機関として国際熱帯木材機関(ITTO)や国連食料農業機関(FAO)などへの拠出や、国際協力機構(JICA)などを通じた開発途上国の支援なども行っています。
さらに国内では持続可能な森林経営の阻害要因となっている違法伐採について、グリーン購入法を整備し、合法性が証明された木材や木材製品を政府調達の対象とする措置などが実施されています。
森林生態系を保全する取り組み
日本では積極的な森林保全が行われています。森林保全は植林のイメージがありますが。それ以外にも天然林など現存する森林の保護やコミュニティ・フォレスト活動など方法は様々です。
植林に関しても、過剰な土地利用の転換や伐採、火事によって失われてしまった森林再生を行う取り組みや、企業が行う産業植林と環境植林など目的と手法で様々な方法があります。
産業植林
産業植林は材料や燃料となる木の過剰伐採を防ぐため、木材やパルプ原料などを使用する製品の生産を目的とした植林を行い、その樹木を伐採して使用することで現存する森林を保全しつつ、森林減少を防ぐ取り組みです。
環境植林
NPOやNGOなどが行う熱帯林の再生や砂漠の緑化事業などによる植林は、環境植林に分類されます。これは企業による慈善活動として行われることもあります。
環境植林は、生物多様性を保全する目的もあることから、外来種ではなく郷土種を、また複数の樹種の混植を行うことが多くなっています。
ただ住民に経済的なメリットが少ないため、長期的な森林管理を誰が担うのかということが課題です。
天然林の保護
天然林の保護も行われています。豊富な天然林が残っている地域では、固有の動植物などが息づいていることもあります。このような天然林の生態系は複雑であり、科学的にも解明されていない部分があるため、環境保全だけでなく生物化学的な観点でも守っていく必要があります。
持続的な森林経営を間接的に支える活動
持続可能な森林運営への取組の1つとして、消費する立場からは「違法伐採された木材を使用しない」という考え方を軸として、合法性や持続可能性が確認できる木材や木材製品の購入を推進しています。
合法性や持続可能性が証明された木材や木材製品を積極的に利用することで、国内だけでなく世界の持続的な森林経営を間接的に支える活動が行われています。
(出典:環境省「世界の森林はいま」)
(出典:環境省「森林保全のさまざまな方法」)
SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するために森林の生態系を守ろう
都会では近郊に森林が存在していないこともありますが、日本の国土の3分の2が森林である以上、少し移動すれば豊富な森林に出会えます。
SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するためには、森林の保護や生態系を守ることが重要です。
私たちの日常の生活の中にも森林や生態系を保護するために取り組めることがいくつもあります。
例えば森林により提供される資源を過剰に消費せず、節約して森林への過剰な負担を減らすことです。
先述した合法性や持続可能性が証明された木材や木材製品を、私たちが積極的に利用することも1つの方法でしょう。
SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」について理解し、森林生態系の保全のためにも私たちでできることから取り組みましょう。
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