陸の豊かさも守ろう

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットとなる「陸域生態系」とは?

SDGsには17の目標が掲げられていますが、今回は目標15「陸の豊かさも守ろう」に記載のある「陸域生態系」という文言に注目してみます。
「陸の豊かさも守ろう」という目標は、一国だけでは果たすことのできない大きな目標です。
陸の豊かさを守るために、まずはそのターゲットである陸域生態系について知る必要があります。
この記事では、その陸域生態系について解説します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットや現状は?

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SDGsが掲げる目標15「陸の豊かさを守ろう」のターゲット

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」は、「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、土地劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する」ことを目標としています。
その目標15の「陸の豊かさも守ろう」のターゲットとなるのは「陸域・内陸淡水生態系」です。
今回のテーマは「陸域生態系とは何かについて」ですが、まずは目標15について深堀していきます。
目標15の「陸の豊かさも守ろう」には、12の具体的内容が記載されています。
目的は下記の3つです。

  1. 陸域・内陸淡水生態系の保全
  2. 陸域・内陸淡水生態系の回復
  3. 陸域・内陸淡水生態系の持続

第一段階は、これ以上悪化しないよう「保全」することです。
具体的な目標は「15.4 山地生態系の確実な保全」「15.8 陸域・水域生態系における外来種の侵入の防止」などです。

第二段階は、破壊された生態系を「回復」させることです。
具体的な目標は「15.1 陸域・内陸淡水生態系の保全と回復」「15.2 森林減少の阻止と劣化した森林の回復」「15.3 砂漠化の阻止、劣化した土地の回復」などです。

第三段階は、これからも長く生態系を「持続」させることです。
具体的な目標は「15.9 生態系と生物多様性の政府の計画への取り込み」「15.a 生態系と生物多様性の保全と持続的な利用のための資金の増額」「15.b 持続可能な森林経営への資金の調達とインセンティブ付与」などです。
これらは、2020年もしくは2030年までの目標として掲げられています。
以降は、陸域生態系の基本的な理解を深めていきます。
(出典:公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)「15. 陸の豊かさも守ろう」)

  • 目標15の「陸の豊かさも守ろう」の目的は陸域・内陸淡水生態系の保全、回復、持続の3つの目的がある
  • 「陸の豊かさも守ろう」という目標は、一国だけでは果たすことのできない大きな目標
  • SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」のターゲット・陸域生態系とは

    陸域生態系を大きく分類すると下記の通りです。

    1. 自然生態系
    2. 人工生態系

    自然生態系は、森林や草原といった自然界に存在する生態系のことを指し、人工生態系は、耕作地や都市の園緑地などの自然界には存在していない人工的な生態系のことを指します。
    陸域生態系は、上記の「自然生態系」と「人工生態系」の2つを総称したものとなります。
    一般的な生態系の定義は、「陸域生態系」「生物群集とその環境の体」のことを指します。
    陸域生態系を守り、回復・持続させることにより、環境対策へとつながっていきます。
    具体的に、なぜ陸域生態系を守る必要があるのでしょうか。

  • 自然生態系は、森林や草原といった自然界に存在する生態系のこと
  • 人工生態系は、耕作地や都市の園緑地などの自然界には存在していない人工的な生態系のこと
  • 陸域生態系は、自然生態系と人工生態系の2つを総称したもの
  • 陸域生態系を守る必要性

    人類は食料や水、木材などの生活に必要な多くの資源を自然から得ていますが、その裏では生物多様性の損失が急速に進んでいます。
    国連が行ったミレニアム生態系評価によると、化石記録から計算した過去の絶滅スピードは、100年間で1万種あたり0.1~1種でした。しかし、ここ100年では1万種あたり約100種もの生物が絶滅し、記録されていない生物を含めると、過去の1000倍もの速さで進んでいるというデータがあります。
    陸域生態系の基盤である森林は、建材や紙の原料になるだけでなく、主に二酸化炭素を吸収し温暖化を防止しているのです。
    それらが大きく損なわれてしまうと、資源の枯渇だけでなく、気候変動にも影響を及ぼします。
    森林は、一度伐採してしまうと、何十年もの年月をかけて再生しなければなりません。
    森林の持続可能な管理を行うためには、陸域生態系の保全・回復を考えることが非常に重要なのです。
    以降は、陸域生態系の衰退について注目していきます。

  • 人類が多くの資源を自然から得ている裏では生物多様性の損失が進んでいる
  • 種の絶滅のスピードは、以前と比べて1000倍もの速さで進んでいる
  • 陸域生態系の基盤である森林が大きく損なわれてしまうと、資源の枯渇や気候変動にも影響を及ぼす
  • (出典:環境省エコジン「日本のいきものたちのいま」,2018)
    (出典:国際開発センター「目標15 陸の豊かさも守ろう 」,2018)

    陸域生態系の深刻な衰退の事実

    ここからは「森林」「砂漠化」「生物多様性」の3つの観点から事実と数字を交えて解説します。

    森林

    約16億人の人々が生計を森林に依存しており、その中には約7,000万人の先住民も含まれています。
    森林には、すべての陸生種の動物、植物、昆虫の80%以上が生息しています。

    砂漠化

    26億人が農業に直接依存していますが、農業に使用される土地の52%は、土壌劣化によって中程度または深刻な影響を受けています。
    干ばつと砂漠化により、毎年1,200万ヘクタールの土地が失われています(毎分23ヘクタール)。穀物量に換算すると2,000万トンは生産できる土地が消失しています。

    生物多様性

    既知の8,300種類の動物のうち、8パーセントが絶滅し、22パーセントが絶滅の危機にさらされています。
    人間の食事は80%以上が植物によって提供されています。また、米、トウモロコシ、小麦の3種類の穀物だけで、エネルギー摂取の60%を提供します。

  • 約16億人の人々が生計を森林に依存しており、すべての陸生種の動物、植物、昆虫の80%以上が生息している
  • 26億人が農業に直接依存しているが、農業に使用される土地の52%は土壌劣化によって中程度または深刻な影響を受けている。干ばつと砂漠化により、毎年1,200万ヘクタールの土地が失われている
  • 既知の8,300種類の動物のうち、8パーセントが絶滅し、22パーセントが絶滅の危機さらされている
  • 人間の食事の80%以上が植物によって提供されている
  • (出典:公益社団法人日本冷凍空調学会「人工生態系」 )
    (出典:環境省 エコジン「日本のいきものたちのいま」,2018)
    (出典:国際連合広報センター「持続可能な開発目標(SDGs)ー 事実と数字」,2018)

    陸域生態系の現状を知り、SDGs目標15にある陸の豊かさを守ろう

    目標15「陸の豊かさを守ろう」の目的は主に3つありました。

    1. 陸域・内陸淡水生態系の保全
    2. 陸域・内陸淡水生態系の回復
    3. 陸域・内陸淡水生態系の持続

    私たち人間は、生活していく上で食料や水、木材などの資源を自然から得ていますが、その裏では生物多様性の損失が急速に進んでいます。
    絶滅や自然環境の悪化が今後さらに進行すると、生物多様性だけではなく、人類にも大きな影響を及ぼします。
    保全・回復だけでなく、持続可能なものにしていくことで、これからも自然の恩恵を享受することができるのです。
    まずは一人ひとりがこの問題について現状を知り、理解していくことが重要です。

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