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「陸の豊かさも守ろう」を達成するために取り組むべき問題とは?

この記事を要約すると

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するためには、私たちには取り組まなければならない課題があります。

今すぐに課題に取り組まないと、人類は深刻な影響を受ける可能性があります。

では、陸の豊かさを守るために私たちは何をするべきなのでしょうか。

この記事では、陸の豊かさを守るために取り組むべき課題について、現在の状況を踏まえた上で説明します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットや現状は?

陸地の自然環境に危険が迫っている現状

人間は、陸地の自然環境から多くの恩恵を受けて生活しています。

例えば、陸地に生きる植物は人間の食料の80%を提供しており、また、私たちは重要な経済資源、そして開発の手段として、農業に依存しています。
世界的に見れば、全人口の20%強にあたる約16億人の人々が森林由来の資源に依存した生活をしているのです。

しかし、陸地の自然環境は人間の活動によって大きな影響を受けており、それによって陸地の自然環境が急速に失われています
人口増加や気候変動、そして都市部への人口集中に伴う農業、産業への過度な需要により、生産性の高い陸上資源は劣化の一途をたどっているのです。

現在、地球は人間の活動によってかつてない土地の劣化に直面しており、耕作地の損失は歴史上のペースと比較すると30倍から35倍のスピードで進行しているとされています。

そのほか、陸上で確認されている8,300の動物種のうち、8%は絶滅し22%が絶滅の危険にさらされるなど、非常に危険な状態です。

(出典:国際開発センター公式サイト)
(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)

SDGs達成のために問題解決に向けて取り組むべき課題

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するためには、取り組まねばならない課題がたくさんあります。

こうした課題に取り組まずに、陸の豊かさを守ることはできません。
以下では、SDGs達成のために取り組むべき過大について解説していきます。

砂漠化

砂漠化とは「乾燥、半乾燥、乾燥半湿潤地域における、気候変動および人間の活動を含む種々の要因に起因する土地の劣化」として定義されています。

毎年240億トンの土壌が浸食によって失われ1,200万ヘクタールの土地が干ばつによって劣化し、砂漠化しているといわれています。
これは、一分間に23ヘクタール(東京ドームおよそ5個分)の土壌が失われていることと同義です。

一度表土が失われると取り戻すには数世紀もの年月が必要となるので問題はとても深刻です。

砂漠化の影響を受けやすい乾燥地域には世界人口の約35%が暮らしています

砂漠化が進行すると、食糧安全保障の欠如、飢餓、貧困などが生じる可能性があります。
すでにこうした現象は起こっており、今後も砂漠化が進行すれば、何百万という人々が新たな住宅と生計を求めなければならなくなってしまいます。

(出典:国際開発センター公式サイト)

土壌劣化

土壌の劣化とは、乾燥地帯の生物学的もしくは経済的生産性の低下もしくは損失として定義されています。

その原因は、過剰耕作・過放牧による土壌構造の破壊と侵食、化学物質による水質汚染、温室効果ガスの排出、生息地の破壊によるものです。

現在の人間の活動による陸地表面の劣化は、少なくとも32億人の人々の福利に悪影響を及ぼしており、地球を6回目の大量絶滅に追い込むとともに、生物多様性および生態系サービスの消失により世界の年間総生産の10%以上の価値に相当する損失を引き起こすとも言われています。

(出典:環境省公式サイト)
(出典:環境省自然環境局 生物多様性センター公式サイト)

森林破壊

世界の森林は1分につきおよそ25ヘクタール(東京ドームおよそ5個分)ずつ失われていきます。
年間平均で約13万平方キロにも及び、これは北海道と九州を併せた面積の森林が1年間に失われていることを意味します。

熱帯林では安価な木材、パルプ材、農場、牧場の入手のため違法な森林伐採や、火災が頻発しており、これが原因と成って森林破壊が深刻化しています。

南アメリカ、アフリカなどの熱帯の森林を中心に減少面積が大きくなっている一方で、中国やインド、ベトナムを中心とした温帯林では、森林面積が増加している国も見られ、森林面積の増加と減少には、地域的な偏りがあります。

これは、森林資源が少ない国が森林資源の豊かな国を搾取している構造になっているといえます。

国別にみると、2000年から2010年までの間に森林を保全するためには、持続可能な森林経営が不可欠ですが、その阻害要因として違法伐採問題が指摘されています。
また、違法伐採された木材の多くは、丸太または木材製品となって外国へ輸出されています。

森林の減少が大きかったのは、ブラジル、オーストラリア、インドネシア、ナイジェリアなどです。このうち、オーストラリアの減少は、2000年以降の深刻な干ばつや森林火災などが原因ですが、その他の国では農地への転用や薪の過剰採取などが原因となっています。

(出典:環境省公式サイト「世界の森林の現状」)

陸上生態系の保護、回復

陸上生態系を保護し、回復しなければ、人間の命や生活に深刻な影響を与える可能性が高くなってしまいます。

再生開始から恩恵を受けられるまでは時間がかかるため、SDGsの達成を妨げない水準に土地劣化を抑制する時間は残されているものの、それは今後10年に限られると予測されています。

土地劣化と気候変動が合わさることで、2050年までに世界の穀物生産量が平均10%、地域によっては50%まで減少すると予測されているので、こうした意味でも、陸上生態系の保護と回復は早急に取り組むべき課題となっています。

(出典:環境省自然環境局 生物多様性センター公式サイト)

森林や陸の生物多様性を守るために日本が行っていること

森林や陸の生物多様性を守るために、日本では様々な取り組みが行われています。

以下では、森林や陸の生物多様性を守るために日本が行っていることの一例を解説します。

様々な条約を交わす

日本では、森林や陸の生物多様性を守るために様々な条約を結び、これの遵守に努めています。それぞれの条約について確認していきましょう。

生物多様性条約(CBD)

生物多様性条約は、地球上の多様な生物と生息環境の保全を目的とした条約です。
1993年12月29日に発効したこの条約は、生物多様性の保全だけでなく、様々な自然資源の「持続可能な利用」を明記した条約でもあります。

カルタヘナ議定書

主に国境を越える移動に焦点を合わせ、生物の多様の保全、遺伝子組み換えなどについて定められた条約です。
この条約は、遺伝子組換え生物等(現代のバイオテクノロジーにより改変された生物)が生物の多様性の保全及び持続可能な利用に及ぼす可能性のある悪影響を防止するための措置を規定しています。

ワシントン条約(CITES)

ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護を図ることを目的とした条約です。

2019年現在、182か国及び欧州連合(EU)が加盟しています。

(外務省公式サイト)

ラムサール条約

ラムサール条約は、地球規模で移動する渡り鳥を保護するために、国家間で協力して水辺の自然「ウェットランド」を保全することを目的とした環境条約です。

国境を越えて広がるウェットランドを「流域」という大きな視野で捉え、その保全を目指すとともに、そこで育まれる健全な淡水資源の「賢明な利用(ワイズユース)」の促進をより大きな目標としています。

国際自然保護連合(IUCU)

国際自然保護連合(IUCU)は、1948年に世界的な協力関係のもと設立された、国家、政府機関、非政府機関で構成される国際的な自然保護ネットワークです。

約1,200の組織(200を超える政府・機関、900を超える非政府機関)が会員となり、世界160カ国から約11,000人の科学者・専門家が、6つの専門家委員会に所属し、生物多様性保全のための協力関係を築いています。

砂漠化対処条約(UNCCD)

砂漠化対処条約(UNCCD)とは、深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)や地域が砂漠化に対処するために行動計画を作成・実施、またそのような取組みを先進締約国が支援することなどを規定した条約です。

砂漠化・土地の劣化の反転と防止、干ばつによる影響の軽減を目標としたグローバルパートナーシップの促進を目指しています。

南極条約

南極条約とは、南極地域における領土権主張の凍結・科学的調査の自由・平和利用と非軍事化などを主眼に、1959年締結された条約です。

平和利用では、将来、国際協定で認められない限り、すべての核爆発と放射性廃棄物の処分を禁止しています。

(出典:環境省「地球規模の視野を持って行動する取組」)

環境ODA

日本は、「政府開発援助大綱」において環境問題などの地球的規模の問題への取り組みを日本の援助の重点課題に位置付け、「政府開発援助に関する中期政策」においても環境保全を重点課題としています。

2002年8月の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」の機会にそれまでの「21世紀に向けた環境開発支援構想(ISD)」を改め環境協力の理念・方針・行動計画を示した「持続可能な開発のための環境保全イニシアティブ(EcoISD)」を策定し、途上国の「持続可能な開発」の実現に向けた努力を積極的に支援しています。

(外務省公式サイト)

私たちにもできることを見つけよう

SDGs15「陸の豊かさも守ろう」を達成するために、既に世界では様々な取り組みが行われています。

自然環境守るための取り組みを行わなければ、将来、人類は深刻な影響を受ける可能性が高くなります。このことは、日本に住む私たちも例外ではありません。

そのため、この目標を達成するために、私たちにもできることを見つけることが大切です。
まずは具体的な環境問題を把握し、日々の暮らしの中で省エネやエコにつながる行動から始めてみてはいかがでしょうか。

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