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海洋生物多様性の重要性を知り、SDGs達成に向けて取り組むべき対策を考えよう

この記事を要約すると

私たちは、海洋生物からたくさんの恩恵を受けています。
しかし、人間の活動の結果として、海洋生物が多くの影響を受け、その多様性が失われるなどの問題が深刻化しています。

海洋生物とその多様性を守るためには、まずは現状を把握して、適切な対策を行なう必要があります。

以下では、海洋生物の多様性の重要性について説明し、SDGs達成に向けた取り組みとして行われるべき対策について紹介していきます。

持続可能な開発目標・SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲットや現状は?

私たちの大切な海


海は、水温や化学的性質、海流、生物を通じて、地球を人類が住める場所にする地球規模システムの重要な部分を担っています。

また、海は漁業や観光業等などを通じて、人類の社会、経済的発展に不可欠な資源を提供しています。2018年時点では30億人以上が海洋と沿岸の生物多様性を頼りに生計を立てています。

海洋生物は海に住んでいますが、海洋生物を食べて私たち人間も生きているのです。
したがって、海洋が汚れてしまうと、海洋生物が生きていけなくなるだけではなく、私たち人類も生きていくことができません

またこうした海洋生物の多様性も重要です。
広い海には、食卓にならぶような魚介類や海藻類のほかにも、様々な生きものが存在し、多様な生態系が形成されています。
そのため、海洋生物たちの多様性が失われてしまうと、こうした生態系を維持することができなくなります。結果として、人間は海からの恩恵を受けることができなくなります。

今海ではどんな事が起こっている?


私たちが生活することで、海に大きな影響を与えており、海洋生物の多様性が急速に失われていっています。

以下では、海洋生物の多様性の影響を与えることについて詳しく解説していきます。

プラスチックごみ

プラスチックごみの9割が、リサイクルされておらず、海へと流出してしまっています。
毎年800万トン以上のプラスチックがごみとして海に流れ込んでいるのが現状です。

プラスティックごみの一部は、紫外線・海流・波によってマイクロプラスチックと呼ばれる細かい破片となり、有害物質が付着しやすくなります。

それを鳥や魚がエサと間違えて食べ、その魚を私たちが食べているのです。海洋のプラスチックごみによる海洋汚染は、地球規模で広がっていると言われています。

このままいくと、プラスチックごみは2050年には魚の量を超えると予測されています。

もちろん、海洋汚染の原因はプラスチックごみだけではありません。
大気中に排出される二酸化炭素を始め、農業・工業排水、未処理の下水、油、栄養塩類、堆積物、海洋ごみなどが主な影響源となり、海洋汚染が広がっています。

海水温の上昇

温室効果の増大により海洋が吸収する熱が海洋温暖化をもたらし、海水温の上昇や海流の変化により、生物の行動様式や生態系に影響を及ぼしています。

海水温の上昇による海面の上昇は、マングローブや海草を危険にさらし、サンゴを白化させ、サンゴ礁に生息する水生生物の生存を脅かします。

海洋温暖化は酸素欠乏や海洋酸性化にも拍車をかけると言われています。

(出典:国際開発センター公式サイト)

海洋酸性化

海洋酸性化も、大きな脅威の一つです。

海に吸収された二酸化炭素は、海水の酸性度を高めます。
酸性化の影響を直ちに受けるのは、サンゴのような石灰化生物です。殻や骨格(炭酸カルシウム)を生成する能力は、水の酸性度に左右されるためです。

海洋酸性化は、プランクトンや甲殻類など他の生物の生命、繁殖力、成長にも影響を及ぼし、海中の食物連鎖を乱します。
現在、世界のサンゴ礁の6割が脅威に曝されており、海洋酸性化の影響は2050年には約10割に達すると言われています。

海洋の酸性化を食い止めるためには、二酸化炭素排出量の削減にかかっていますが、たとえ二酸化炭素が直ちに減少しても、海洋酸性度が正常化するのは簡単な道のりではありません。何百年もの時間をかけないと問題を解決することはできないのです。

(出典:国際開発センター公式サイト)

サンゴ礁やマングローブ林の減少

近年、マングローブ林が減少しています。マングルーブ林の減少は、燃料や家畜の飼料に影響を与えるだけではなく、海の生態系を乱すことにつながります。

また、サンゴ礁の減少も深刻です。
サンゴ礁は、地球温暖化による海面上昇や海水温の上昇などの地球的規模で起こる環境ストレスを受けています。
加えて赤土の流入や海水の富栄養化などの地域的な環境ストレスが複合して作用するため、サンゴ礁は危機的な状況です。

地球温暖化の影響により、高水温の発生する頻度が高くなり、高い海水温が継続するとサンゴに共生している褐虫藻が体内から喪失します。その結果、サンゴ自体の骨格が透けて、白く見えるサンゴの白化現象が起こります。

このようにしてサンゴ礁が減少していけば、海の生態系が侵されてしまいます。

(出典:国際開発センター公式サイト)

海の豊かさを守るために必要な対策とは


それでは、海の豊かさを守るためには、どのような対策が必要でしょうか。

開発と保全の両立

私たち人間は、海を開発することによって生活を成り立たせています。

そのため、日本が2008年に公布した生物多様性基本法の規定にも示されているように、個別事業の実施に先立つ上位計画や政策の策定など、早い段階から生態系に考慮しつつ開発することで、海洋生物を守らなければなりません。

開発後に生じる影響も含め、予め環境への影響について調査・予測・評価を行い、その結果に基づいて、環境の保全について適切に配慮する必要があります。

今後想定される海底資源の開発、波力や潮力等の自然エネルギーの活用など新しい開発や利用に際しては、環境に与える影響を事前に評価し影響をできる限り低減する技術の開発と適切な計画づくりが求められます。

さらに、生物多様性の保全上重要で、かつ保護が必要な海域においては、保護区の設定等により事前に規制をかけることや、損なわれた生態系を回復させる自然再生の取組を推進することも、海洋生物の多様性を守るためには重要な取り組みです。

環境汚染の軽減

環境汚染を軽減することも、海洋生物の多様性を守るためには重要な取り組みです。
海洋汚染の軽減には、陸からの環境汚染と海からの環境汚染を分けて考えなければなりません。

陸からの環境汚染

陸からの環境汚染を防ぐためには、開発事業を実施する際は、事前に環境への影響を調査・予測・評価し、適切な環境保全対策を行わなければなりません。

さらに、生物多様性の保全かつ保護が必要な海域においては、保護区の設定等により事前に規制をかけることや、損なわれた生態系を回復させる自然再生の取組を推進していくことが重要です。

海での環境汚染

海からの環境汚染を防ぐためには、船舶からの油・有害化学物質・廃棄物の排出、廃棄物の投棄などに関する規制が重要です。

また、汚染事故に対する準備・対応体制の整備や、汚染事故により環境上著しい影響を受けやすい海岸等に関する情報を盛り込んだ情報図(脆弱沿岸海域図)の作成、更新なども行う必要があります。

こうした取り組みは既に行われていますが、地域的な取り組みに留まらず、全国的に、あるいは世界的に取り組みを広げていく必要があります。

二酸化炭素排出量の削減

海洋生物の多様性を守るためには、二酸化炭素排出量を削減することも非常に重要です。

なぜなら、二酸化炭素排出量が増えることで、大気中に温室効果ガスが増え、海洋の温度が変化すると、海の生態系に大きな影響を与えてしまうためです。

また、海の酸性化も問題となっています。こうした問題を解決するためには、二酸化炭素の排出量を削減していかなければなりません。
二酸化炭素排出量を削減するためには、私たち一人一人が脱炭素化に向けた取り組みを進めていく必要があります。

(環境省 海洋生物多様性保全戦略公式サイト)

私たちにもできることから始めよう


海洋生物は、私たちにとってかけがえのない存在です。
海洋生物がいなければ私たちは生きていくことが難しくなります。

近年、海洋生物の多様性が急速に失われており、その原因の多くは人間が生み出しています。

海洋生物の多様性を守るためには、人間が自身のライフスタイルを見直し、有効な対策を考えていかなければなりません。
まずはプラスチックごみを減らすなど、私たちにもできることからはじめ、海洋生物とその多様性を守らなければなりません。

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