海の豊かさを守ろう

海洋生物の多様性を守るために日本が行っている取り組みは?

海洋生物は私たち陸に住む人間にとっても大切な存在です。
海洋資源として利用されることも多く、私たちの生活を支えてくれているためです。

しかし現在、海洋生物の多様性が脅かされている状況であり、このまま行けば絶滅してしまう生物も少なくありません。

こういった海洋生物の多様性を守るため、日本政府では方針を打ち出し、取り組みを行っています。
ではどのようなことが行われているのか、この記事では海洋生物の現状などとともにご紹介します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲットや現状は?

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海洋生物の多様性が危険に瀕している現状

現在地球の環境は大きく変わろうとしています。

温室効果ガスによる地球温暖化、またそれに伴う様々な異常気象が私たちの生活に降りそそいでいます。
しかしこの影響を受けているのは私たちを含む地上の生物だけではありません。
海洋環境、そしてそこに生きる生態系にも影響を及ぼしています。

温暖化による海水温の上昇や酸素欠乏状態、海水の酸化などが進み、海洋生物に被害を与えています。
このような環境の変化に生態系は傷つけられ、その数を減らし、絶滅に瀕している海洋生物もいます。

また私たちの行動によってその数を減らしているという事実もあります。
現在も世界では海洋資源の30%が乱獲され、絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されている生物もいます。

さらに産業などにより輩出された二酸化炭素の約30%を吸収した海洋の酸化や、陸地から流出する海洋ごみが年間800万トンもあり、海洋汚染や生態系を破壊してしまっています。

私たち人間は水温や化学的性質、海流、そして海洋生物を元に生きる基盤を形成しています。つまり、海は生きて行く上で無くてはならない存在であり、重要な資源となのです。
そんな海洋資源の生物と環境が、気候変動や私たちの行動の影響を受けて危機に瀕しているのです。

それは海洋生物の多様性を失いことであり、このまま続けば間もなく持続的に海洋資源を得ることができない状態になってしまうほどに、非常に危機的であることは間違いありません。

それを防ぐため、持続可能な開目標(SDGs)では海洋、そして沿岸の生態系が持続的に生き続けられる形で管理し、私たちが出すごみなど陸からの汚染から守るための取り組みを進めています。
また日本を含め、海洋資源を利用する世界の国々も対策や取り組み対しての計画を立て、2030年までの目標達成を目指しています。

(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)

海域に関する施策

それではこのような海洋で起こる問題に関して、日本ではどのような対策を行っているのでしょうか。

日本では海洋生物多様性保全戦略を定め、そこに位置づけられる関連施策を複数実施しています。
この施策を推進する環境省をはじめ、関係省庁や機関と連携して取り組みを行っています。以下では具体的な取り組みごとに紹介します。

重要海域の抽出

海洋生物の多様性の保全を行うと言っても、この広い海と多種多様な全ての海洋生物に対して行えるわけではありません。

そのため効果的に保全するために、「生物多様性の保全上重要度の高い海域」を抽出し、そこに関しての保全を行うことを目的としています。
つまりこの施策の第1段階として、この重要度の抽出が最優先であり、それを元に施策を行っています。

サンゴ礁生態系の保全

日本の観光資源の一つとも言えるのがサンゴ礁ですが、サンゴを含めサンゴ礁の生態系は熱帯雨林に匹敵するほど生物種が多い生態系とも言われています。

つまり、海洋生物の多様性の保全としては重要度が高いと認定され、保全対象として抽出されています。

また世界の海に生息する全てのサンゴ礁生態系保全を行うことは難しいですが、東アジア海域の保全に向け国際的な連携協力に取り組んでいます。

国内では「サンゴ礁生態系保全行動計画」の策定を行い、サンゴ大規模白化緊急対策会議などを開いて、海域公園の管理や過去に損なわれた生態系や自然環境の再生事業、観光客に事前環境や歴史的文化などの地域固有の魅力を伝えるエコツーリズムなど具体的な取り組みを進めています。

海洋生物多様性情報

海洋生物多様性の保全のためには、現状を把握するための情報が必要です。

陸と海は独立した環境ではなく、お互いが密接な関係を持っています。先にも述べたように私たち陸の生き物は海の環境や生き物に依存しており、海洋生物にとっては海は重要な生育及び生息環境となっています。

そのためそれらの保全を行うためには、海洋生物多様性に関しての情報を集めなければいけません。

人間にとって海は漁業やレクリエーションなど様々な活動の場となります。関係各省庁や研究機関での基盤情報や海洋環境、生態系の分布、漁業に関しての情報など調査や研究成果を収集しています。

海洋環境モニタリング調査

また現状把握にはどのような影響が起こっているかと言った調査も必要となります。

日本周辺海域に生息する生態系の個体数などの調査だけでなく、陸からの汚染や廃棄物投棄による水質や底質への影響や状況、海洋生体内の汚染物質の濃度、浮遊プラスチック類漂流物の量などを調べて情報を集めています。

脆弱沿岸海域図

海洋汚染の中には海洋上でのタンカーの座礁など、油の流出によるものもあります。

そのため政府は「油等汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」を定め、大規模な油などの流出事故が発生した際に、迅速かつ的確に対応できるよう、必要な情報を脆弱沿岸海域図にまとめています。

漂流・漂着ごみ対策

海洋環境の汚染の原因の一つは海を漂う、または海岸に漂着するごみです。

海洋生物が誤飲する以外にも、景観を損なう、医療系廃棄物が海で活動する人を危険に曝す、漁業の際に網に絡まるなど様々な影響が出る危険性があります。

これらを海岸漂着物処理推進法に基づいて、円滑な処理や3Rの推進による発生抑制、マイクロプラスチック対策、国際的な連携の確保と国際協力の推進などの対策を行っています。

閉鎖性海域についての取組

閉鎖性海域とは周辺を陸地に囲まれた内湾などの海のことを指します。

このような場所では海水の交換が行われにくく、汚染物質が蓄積しやすいという問題が発生します。
このような場所の水質など水環境を改善するため、科学的酸素要求量や窒素及びリンを対象とした総量削減など、閉鎖性海域に入り込む汚染物質の削減を取り組みとして行っています。
主に干潟や砂浜、塩性湿地、自然海浜などの保全、海砂利採取の抑制、新しい護岸の整備や補修、更新のときには環境に配慮しつつ行うことなど多種多様な対策に取り組んでいます。

海洋汚染等への取組

現在は海洋汚染防止対策によって船舶から出る油の排出規制が開始されていますが、海洋汚染状況から国際的な基準に合わせて、有害液体物質や廃棄物による海洋汚染の防止、船舶から出る排ガスなどの防止なども新たに盛り込まれ、取り組まれています。

(出典:環境省公式サイト)

海域と陸域の両方に関する施策

対策は海だけに留まりません。

海と陸の両方で行う施策についても積極的に議論され、そして打ち出された施策に関しては取り組みが進められています。
このような海と陸の両方をあわせて行われている施策についてもご紹介します。

モニタリングサイト1000

陸地にある森林や干潟、海洋中のサンゴ礁など、多種多様な生態系について全国で合計約1,000箇所程度のモニタリングサイトを設置。
継続して生態系の指標となる個体数の変化などをデータ収集しています。

これにより生物多様性について基礎的な情報を蓄積することで、質的・量的な変化の把握に努めています。

自然環境保全基礎調査

対策を講じるためには上記同様に現状や変化の把握は大切です。
そのため全国的な自然環境の現状、そして改変状況を把握し、打ち出した施策を推進していくため、基礎資料を整備するために調査を行っています。

ラムサール条約

ラムサール条約は水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約であり、湿地の保全と再生、賢明な利用、そしてそれらを促進する交流や学習の3本柱から成り立ちます。

この中には干潟やサンゴ礁、マングローブも含まれるため、日本では特に干潟、サンゴ礁の保全や再生について、このラムサール条約に基づいた取り組みを行っています。

水質汚濁の防止に関する取組

環境基本法に基づき、海域や河川、湖沼には水質の環境基準が設けられています。

また水質汚濁防止法ではこれらの水質の汚濁を防止し、人の健康を保護すると同時に、生活環境の保全を目的とした工場や事業場から公共用水域へ出される排水についても排水基準を設けると言う対策も行われています。

生物多様性地域連携促進法

私たち人間もこの自然環境に住まう1種の生物であり、他の生物との共存が必要になります。
そのため各地域における生物多様性の保全活動の促進、及びその保全を目的として制定されました。

水産業に関する取り組み

海洋資源、特に漁業資源の保存や管理に関して、また漁具や漁法の制限や規制区域及び規制期間の設定、漁獲可能量の設定、漁業者によって自主的保存管理措置の導入などを行い水産資源管理を持続的に得られるよう水産資源の保全や再生を行いつつ、漁村の活性化を図るような施策が行われています。

(出典:環境省公式サイト)

私たちもできることから始めよう

このような施策や取り組みが日本全国で行われています。
これにより、海洋の保全や海洋生物の多様性を守れるよう日々様々な活動が行われていますが、それを実施するのは私たち日本に住む国民です。

そして、これらの施策に参加するだけでなく、自らの意思で積極的に海洋環境を守るための取り組みを行っていかなければなりません。

海洋に流れ着いてしまわないようごみをポイ捨てしないことやリサイクルに参加する、清掃ボランティアに参加するなどできることはたくさんあります。

私たちができることを積極的に始めて行き、海洋環境や生物を守っていけるように取り組んでいくことをおすすめします。

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この記事を書いた人
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