産業と技術革新の基盤をつくろう

SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」で解決するべき問題と現状とは

世界では産業化が進んでいる地域と大きく遅れている地域の格差が拡大していることが問題となっています。
これが国の経済格差やテクノロジーやインフラ開発の遅れにも関係していることから、SDGsでは産業と技術革新に関する指標を指定しています。

ここではSDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に関して世界の現状や解決するべき課題について解説します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」のターゲットや現状は?

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SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」が目指す世界

人々が便利さを感じ、経済面や環境面で安定して生活をしていくためには産業と技術革新は欠かせないものです。そのためには、様々なインフラと技術革新に対しての継続的、持続的な投資は不可欠なものです。

世界の人口のおよそ半数以上は都市部に集中して住んでいるということから、食料や機械、物資などの大量輸送や莫大なエネルギーの生産、産業の成長、情報技術の進歩の必要性は増しています。

しかし、都市部の人々だけが進歩した技術を利用できれば、すべて解決するというものではありません。2019年現在の世界人口はおよそ77億人ですが、そのうち半数以上に当たる40億人以上はインターネットを利用できない環境にあります。
そしてその9割以上は発展途上国で生活しているのです。

SDGsが目標としている問題を解決していくためには、これらの国や地域への支援や開発は欠かせません。さらに技術革新をしていくためには、情報インフラの整備は必須となっていくのです。

インフラや技術革新に対する投資は、2030アジェンダを構成する17の目標に含まれています。交通、農業、エネルギー、情報など様々なインフラに対する投資は、それぞれの国や地域で持続可能な開発を促していきます
持続可能な産業開発は生産性や所得を向上させ、すべての人々の生活水準の向上を可能としていくのです。

(出典:国際開発センター 公式サイト)
(出典:日本ユニセフ協会 公式サイト)
(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)

世界の現状や課題

現在世界では年々様々な技術が進歩しており、数十年前からは考えられなかったような技術が開発されて使用されています。しかし、その恩恵は世界中のすべての人々が受けているわけでありません。
産業や技術の発展による恩恵は高所得国の人々にそれは集中しており、開発途上の国々では数十年前と同じ生活を送っている場合が多いのです。

SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」で解決するべき課題は、こういった開発途上の国や地域にこそ多くあります。

インフラの普及、強化

世界では十分に電力にアクセスできない人々が11億人、安全で衛生的な水を利用することができない人々が7億人、健康を害する衛生環境で生活している人が24億人いるとされています。
また、交通面を見ても20億人以上の人々が全天候型の道路に簡単にアクセスできない状況です。

このようなインフラにアクセスできない人は開発途上の国で特に多く、過疎地や農村部、村落地が都市部から離れて孤立していることを表しています。
交通インフラが整備されていないことによって、物資や人員の移動がスムーズにいかずに、支援が遅れているという現状もあります。

地域、越境インフラの整備には道路や空港、港などの交通インフラが含まれており、地域の統合、地域同士の関係構築、持続的な社会経済の発展、物資や人員の安定した輸送などの重要なポイントとなります。

人口が増加するとそれだけ必要なエネルギー、物資も増加するため、ますます交通インフラの重要性は上がりますが、整備には地域によっての格差が激しくなっています。

(出典:国際連合広報センター 公式サイト)

アフリカ諸国のインフラ拡充

こういった地域差はデータを見れば明確です。
鉄道、道路、航空すべての貨物輸送量はヨーロッパ、北米、東アジア、東南アジアに集中しており、アフリカ、南米、南アジアなどでは大きく遅れていることがわかります。

開発が遅れているとされているサハラ以南のアフリカでは2019年現在で約10億6,600万人が住んでおり、世界人口の7分の1(約13%)にも達していますが、道路による貨物量は世界の2%にしかすぎません。

このように、インフラ整備が遅れているアフリカ諸国に対しては多くの支援が行われています。2015年の開発途上国に対するインフラ分野の政府開発援助(ODA)は570億ドルにも達しており、2010年から32%の増加となっています。
そして援助の多くは「交通」と「エネルギー」の分野に振り分けられており、これらで380億ドルほどとなっています。

また、道路や橋などにはそれぞれ耐用年数が設定されています。一度作ったとしても、ある程度の年数が経てば老朽化が進み、自然災害や人的な行動(運行、運搬など)によって故障、損失する可能性が高まってきます。
しかし、道路や橋を最適な状態に更新していくためには多額の費用と多くの手間がかかります。そのため、インフラ整備には常に多くの投資が必要とされており、現状ではまだまだ足りていないとされているのです。

(出典:国際連合広報センター 公式サイト)

製造業の発展

経済構造の変化が早く、技術進歩が活発である国ほど製造業の発展が顕著で、それだけ経済成長率が高まっているとされています。逆に開発途上の国では製造業を中心とした産業化が遅れていることが経済成長の遅さを招いているとされています。

世界全体の国内総生産(GDP)における製造業付加価値(MVA)のシェアは近年少しずつ増加傾向にあり、2005年の15.3%から2016年は16.2%と増加しています。
しかし高所得国、先進国ではすでに産業構造が高度化されていることもあり、この比率は減少傾向にあります。その分、開発途上の国では上昇傾向が強いのです。

製造業の割合が向上していくことは、それに関わる新たな雇用を生み出すことにもつながることに加え、大きく経済を発展させる起爆剤にもなります。
しかし、開発途上の国、特に後発開発途上の国では、1人あたりの製造業付加価値(企業の生産活動が読み取れる指標)は100ドル程度ほどしかなく、ヨーロッパやアメリカの4,600ドルと比べるとあまりにも低くなっていることがわかります。

これは先進国ではミディアムテク・ハイテク(MHT)と呼ばれる先端技術の製造が関係しているために単価が高くなっていることが影響しており、開発途上の国ではこうした技術が大きく遅れているために起こっている結果です。

まず開発途上の国で考えられているのは食料、飲料、衣服などに関するもので、これらの安定した生産から加工までを行い、、国外に向けて発信させていくということが求められています。

(出典:国際連合広報センター 公式サイト)

信用取引へのアクセス

信用取引とは現金や株式を担保として証券会社に預けることで、お金を借りて株式を購入する(または株券を借りてそれを売る)取引のことです。

常に現金、現物取引のみしかできない場合、株式市場に新たに参入する人を制限してしまうことになり、株式市場の閉塞化を招いてしまうことを防ぐための手段です。
手持ち資金や手持ちの株券を担保にして新たに株を売買できるために、総合的に株式の売買高が増加し、市場が活発化につながる信用取引が行われるようになったのです。

しかし世界の信用取引事情を見ていくと、世界中の約80%の中小企業は正規の金融機関と取引を行っていますが、信用取引を利用しているのは37%ほどにしかすぎません。
また、この数値は開発途上の国ではさらに低下し、信用取引はほとんど行われていないという地域もあります。

そのため、経済市場、金融市場、株式市場での動きが悪く、経済発展を妨げていると問題視されているのです。
こうした開発途上の国での金融機関へのアクセス、信用取引へのアクセスの整備が進められています。

(出典:国際連合広報センター 公式サイト)

産業の省エネ化・効率化

先進国で農業や工業により大きな成果をあげることができているのは、効率の良い生産を行っているからです。近年進められている「省エネ化」「効率化」は、少ない人員で大きな成果を出し、しかも環境に優しいという動きにつながっています。

2000年から2014年の間にヨーロッパの二酸化炭素排出係数は36%も低下しており、世界中の製造業国トップ10に入っている国はすべての国が排出係数が低下しています。

開発途上の国ではまだまだ、生産性が悪い、効率が悪い、環境破壊につながるような生産をしていることが多く、経済発展の妨げとなるだけでなく環境にも問題を起こしています。

そこで求められているのが「省エネ化」「効率化」を進めた取り組みです。これによってエネルギーを大量消費することなく、生産性を高めることが可能となるのです。そのための研究、設備、スタッフの教育に対して支援が行われています。

(出典:国際連合広報センター 公式サイト)

研究開発

効率の良い道具、システムを作り出していくための研究開発は、技術進歩を行っていく上で欠かせないものです。
そのための研究開発費が、世界のGDPに占めている比率は2000年の1.5%から2014年の1.7%に増加していますが、地域によってかなり大きな格差があるのも特徴です。

先進国ではGDPの2.4%、開発途上の国では1.2%、後発開発途上国では0.3%となっていることからも、開発途上の国ほど研究開発費が低くなっていることがわかります。
近年この割合が伸びているのは、東アジア、東南アジア諸国です。

研究者の数を見ていくと、世界の平均で見た場合100万人に対して1,098人の研究者がいます。先進国ではその割合は3,739人となりますが、後発開発途上国では63人しかいない計算となります。
現在行われている支援は、こういった研究開発についても力を入れています。

(出典:国際連合広報センター 公式サイト)

ICTへのアクセス

インターネットの普及は年々急激な勢いで拡大しており、現在世界の84%は3Gのサービスを受けられる範囲にあるとされています。
しかし、世界人口の半数以上はその能力や技術、ツール、費用などの問題でインターネットにアクセスができない状況にあります。

後発開発途上国ではインターネットを利用できる世帯は11%しかないとされており、現在インターネットを実際に利用できるような支援が行われています。

(出典:国際連合広報センター 公式サイト)

産業と技術革新が実現すると世界が大きく変わる

産業と技術革新が実現することで、現在開発が遅れている国や地域の人々が経済の輪に大きく加わってくることになり、情報社会にも大きな変化を与えることが予測されています。
参加する人が増えるということは、それだけ動きは活発になり、さらなる発展につなげられるのです。

特に製造業にとっては、SDGs の指標は特別なものではなく、通常のビジネス自体が、目標に貢献するかもしれません。例えば自動車産業の場合では、開発途上国への直接投資は現地の雇用を生み出しますし、新しい技術やデザインは現地企業のイノベーションなども生み出す可能性があります。

目立った産業のない開発途上国でも、インフラが拡充することでより多くの人が便利な暮らしを実現でき、インターネットが普及することで新たなビジネスのチャンスにつながることも期待できるのです。

SDGsの産業と技術革新という目標が達成されることで、世界中の国々が発展しより豊かな暮らしが実現できるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人
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