男女格差、ジェンダーは世界を見ても、様々な国で問題とされており、ジェンダー平等を目指した施策が行われていますが、特に途上国では課題が山積みであり、達成のためにはいくつも課題をクリアしなければいけません。
先進国も途上国のジェンダー平等の実現に向け行動していますが、個人でもできることがあります。
この記事ではジェンダー平等への課題や、それを目指すSDGs達成のためにできることを紹介します。
持続可能な開発目標・SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」のターゲットや現状は?
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途上国のジェンダー格差の現状とは?
ジェンダー格差の問題は世界中で取り組まれている深刻な課題です。
先進国の中でもジェンダー格差はまだまだあり、解決のため様々な施策が行われています。
法整備や社会の規範などが確立されている先進国でもジェンダー格差の問題は解決が困難なことから、途上国であればさらに難しい問題となります。
途上国での女性の立場は男性よりも厳しいものであり、先進国上に解決すべき課題があります。
教育
途上国のジェンダー格差を解決する上で教育の問題は必須であり、なによりも深刻です。
この問題を識字率で見たときに、途上国の非識字者の60%以上が女性であるというデータがあります。
これは初等・中等教育の欠如が原因であり、家庭環境や地域の文化・社会的慣習や規範、教育環境の不備など様々な理由から、女性が教育を受けられる環境が確立されていないなどの要因が関係しています。
貧困
世界の貧困国では、依然として極度の貧困状態にある人が多く、2018年時点で1日1.90ドル未満で暮らす人の割合は31%に達しています。
女性は男性に比べ経済活動への参加の機会が少ないことも挙がりますが、家事育児や介護・看護など過重な無償労働が多く、自立するためのスキルを身につけるための機会が少ないことも原因となっています。
病気
女性は病気に関するリスクも高いです。後述する出産などにも関わりますが、HIVやエイズなどに関する予備知識の不足や、性交渉の決定権がないことで感染リスクが高まります。
また貧困であることから感染症のワクチンを打つ機会がないことや、栄養不良、安全な水の不足、衛生的な施設を使えないという環境であるため病気になる可能性が高いです。
満足に医療を受けられない地域もありますが、女性のほうが状況的にも病気になりやすいというリスクを抱えており、男性との間で格差が生まれています。
人権
女性は出産ができるようになると結婚させられる児童婚が行われている地域があります。
あるいは人身売買の被害にあったり、家庭や学校、社会で暴力や虐待の対象になったりと明らかに人権における男性との格差が存在します。
出産
出産は女性が担うものです。出産およびその前段階の妊娠で命を落とすことがあります。
これは妊娠時や出産後の栄養不足や医療ケアの不足、知識の欠如、不衛生な環境での出産などが影響しており、またこれに対しての配慮のなさなどが大きな格差の原因となっています。
災害
台風や水害などが起こったとき、犠牲になりやすいのは女性です。そのような場所でも社会的格差が出ることがあり、地位として低くなりがちな女性がその格差の犠牲となっていくことが多いです。
- ジェンダー格差は、世界中で取り組まれる課題である
- 先進国でもジェンダー格差は大きな問題であり、途上国ではさらに深刻な現状である
- ジェンダー格差の問題には、教育、貧困、病気、人権、出産、災害などがある
(出典:認定NPO法人国連ウィメン日本協会「世界の女性・少女に希望の未来を!」,2019)
(出典:世界銀行「IDAの取組み」,2019)
途上国のジェンダー平等のために私たちができることとは
このようなジェンダー格差の問題に阻まれ、女性の立場が厳しいことから、世界ではジェンダー平等のために様々な取り組みが行われています。
しかし課題は多く、根強いことから、これらの取り組みだけでは不足していると言う現状もあります。
そんな中で私たちが途上国のジェンダー平等のためにできることがあります。何ができるのか、いくつかピックアップして紹介します。
NPO・NGOへの寄付
NPO・NGOの中にはジェンダーの問題に取り組んでいる団体もあります。
そのような団体に寄付をすることで問題解決のための活動資金として使われるため、間接的に女性を支援することに繋がります。
また、先述したジェンダー格差につながる貧困や人権、妊産婦の栄養について取り組んでいる団体も少なくありません。それらの活動は女性限定の支援ではなく、食糧支援や栄養支援、医療や教育支援と言った男女ともに分け隔てなく行われる支援です。
先述したようにジェンダーの格差は教育や貧困、病気と多様な要因が関係しているため、前述の支援をすることが結果的にジェンダー格差をなくす支援の一つとなります。
つまりNPO・NGOに協力することは、多くの女性を助ける結果につながるということです。
海外ボランティア
海外ボランティアに参加して現地の人と触れ合いながら支援を行う方法もあります。
青年海外協力隊などボランティアを必要としている組織はあります。
ジェンダー格差にさらされている女性を直接支援することができますし、何よりも現状をその目で見て、改めて考える機会も得られます。
支援を行う団体・機関の職員として働く
国際機関やNPO・NGOの職員として働くことでも支援ができます。
高度な知識や技術を持った人はそれらを十分に活かすことができます。
支援活動を行うには、資金だけでなくマンパワーも必要です。組織に所属し働くことで、より多くの人を助けられる可能性があります。
(出典:外務省「ODA(政府開発援助)」)
SDGs達成のために私たちもアクションを起こそう
ジェンダーの問題は持続可能な開発目標(SDGs)でも目標に掲げられ、ターゲットを決めて取り組まれています。
2030年の達成に向けて世界各国や国際機関、NPO・NGOが活動していますが、私たちの行動も必要です。
SDGsを達成するため、そして男女格差をなくしジェンダー平等な社会で生きていくためにも、私たち自身も問題について理解し、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
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