gooddoマガジン|社会課題やSDGsに特化した情報メディア

SDGsに関連した事業やビジネスとは?具体的な事例も紹介

この記事を要約すると

国連で採択された持続可能な開発目標であるSDGsは民間、団体、教育など様々な分野で取り組みが行われていますが、関連した事業やビジネスも幅広く展開されています。

ここではSDGsに関連した事業やビジネス、その成功の要因について紹介します。

持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを解説

SDGsビジネスが成功するために必要なポイント


SDGsビジネスは国内で広い展開が進められていますが、すべてが成功しているというわけではありません。
ここでは成功している要因を項目ごとに見ていきます。

全体戦略・方針

短期的な目標によって行動することなく中長期的な目線によって計画的にビジネスを構築することがポイントです。

一般的な中期的計画は3~5年程度ですが、SDGsが関係しているビジネスに関しては10年単位のものが基本となっています。

また、SDGsビジネスという点だけに重心を置いてしまい、新規参入新興ビジネスと考えてビジネス計画を立てると安定しません。
本業とSDGsを組み合わせて中長期的に取り組んでいける計画を立て、しっかりと土台を固めた事業が持続的に成功していると言えます。

そのためには将来を見据えた長期的なプランでのリソース配分を行うのがよいでしょう。
成功しているSDGsビジネスは、時間がかかるものであるということを認識した上で取り組みが行われています。

マーケティング

どのようなビジネスにも共通しますが、市場の分析や把握は非常に重要です。

正しい市場を選択して事業を行うことができれば成功は近づいてきます。
特に新しくビジネスを開始する前の市場分析は重要視されています。

しかし開発途上国などでビジネスを行う際にはまだ市場分析を行うデータが揃っていないために限られたデータの中で正しく分析を行わなければなりません。
その地域の規模や資源の有無、大都市からの距離などを総合的に把握することが必要となります。

すでに成功をおさめている企業のマーケティングを見ると、例えば開発途上国においての太陽光エネルギー市場の成長に注目した企業ではその地域に50億以上の投資機会があると判断し、すでに6億ドルの投資が決定しています。

これから10年の間にその規模はますます大きくなると判断しており事業の拡大が計画されています。

また、アメリカやモロッコで事業展開をしている企業ではビジネスのターゲットとなる人口やマーケット規模の拡大が見込めるということからインドやケニア、ナイジェリアなどに事業拡大していく方針を出しています。

こういった開発途上国でのビジネス展開に関しては柔軟な取り組みが必要となります。
現地で予定していた製品やサービスが実際にはニーズに合わずに受け入れられないということがあるためです。
そのため完全に出来上がったものを必ず使用するという方法ではなく、以下のアプローチが有効といえるでしょう。

  • 現地の人たちの意見を取り入れながら完成に近づけていく
  • 製造や修理が容易なようにシンプルなものにしていく
  • 現地で製造や修理が可能なものにする
  • 余計な機能は省いてコストをおさえる

そして、これらを取り入れて成功した事例として以下が挙げられます。

  • 現地の子どもたちの意見を取り入れてできた教育コンテンツ
  • 経済、環境、社会に必要不可欠な浄水システムの構築
  • 農業保険と営農指導をセット販売
  • シンプルな性能の地震センサー

また、貧困層が消費者となるビジネスにおいては消費者の支払能力に合わせた製品やサービスが求められています。

成功している企業を見ていくと、以下のような工夫が見られます。

  • 初期費用をできるだけおさえる
  • 分割払いやレンタルリースを組み込んでいく
  • 余分な機能を省いてできる限り安価なものにする

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

ファイナンス

成功し続けている企業では「継続的な収益モデルの見直しと内部相互補助(cross-subsidization)モデル構築」が徹底されていました。

事業の開始時期には計画の推進を重視していますが、成長期にかかってくると収益モデルの見直しと内部相互補助を行いながら、継続的に利益を確保しつつ事業を拡大していくという方法がとられているのです。

例えばある企業では水の販売、浄水システムのサービス事業を展開していましたが、その他に食品やトイレタリー、携帯充電サービスなどの事業も展開しています。
それらの収益を利用することで水を安価に販売することができ、継続的な収益の確保に利用しています。
雨季などで水の販売量が低下するときでも他の商品の売り上げによって安定して利益を確保できています。

また、下水や汚物処理サービスを行っている企業では集めた糞便からバイオマス燃料を製造して、それを販売するという収益源を作り出しました。
この収益によって下水や汚物処理のコストを低下させることができているのです。
事業を展開した当初は家庭向けのコンテナ型トイレの販売が中心でしたが、ある程度事業が展開してくるとその販売先を政府機関や国連の関連機関から資金援助を受けている難民キャンプにも広げることで安定した収益を確保しています。

資金の確保

事業を開始、展開していくためには資金の確保は必要不可欠です。
SDGsビジネスはその性質上クラウドファンディングなどでお金を集めるということも可能です。

しかし長期的にビジネスを継続していくためには安定した資金調達や内部留保の蓄積が必要となってきます。
成功をおさめている企業を見ていっても政府機関や民間のVCやインパクトファンド等からの出資を受けている企業が多くなっています。
そして開発途上国でのビジネス展開を行っていく際には途上国でのマーケットの知識は欠かせません。

それがないままに資金援助を受けてビジネスを展開していった企業の多くは途中でビジネスが成り立たなくなってしまうので注意が必要です。

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

オペレーション

成功をおさめている企業の中には開発途上国でのビジネス展開を行うにあたって、人員や資源、販売ルートの開拓などをすべて自社で行っているという企業はありませんでした。

成功している企業は販売ルートの構築や人員、資源の調達などを現地企業とパートナーシップを結ぶことで確保しています。

提携先が持つ販売網や資金調達方法、人材確保などをうまく使うことで新規開拓の負担を軽減し、リスクを低下することができます。

自社が行う製品やサービスの品質を維持しながら規模を大きくしていくことができる提携先を判断できている企業が成功をおさめているのです。

例えば食料品を扱っている企業では、顧客層や地域によって販売チャネルを変えています
都市部では高所得層や中間所得層をターゲットにして小売店などでの販売を重視し、高価格な商品も販売しています。
そこでは多くの営業員を確保して営業利益をあげています。

都市部から離れた郊外では家族経営規模の小規模店舗を多く利用して販売網を拡大しています。
さらにそういった地域では訪問販売形式も活用しており、販売員は販売代金の1割を受け取ることができ、売れ残りは本部が回収するシステムを取っています。

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

SDGsビジネス・事業の成功事例


具体的に開発途上国でのビジネス展開を成功させている日本の企業の事例をみていきます。

外国人技能実習制度の活用

ベトナムが工業国として発展していくためには確かな技術を持つ中小工場や中小企業の育成が必要不可欠だと考えた企業では、外国人が日本で3年間技術習得を行うという「外国人技能実習制度」を取り入れました。

技能を習得した人は帰国後に企業に就職して力を発揮したり、自ら起業するということも可能になり、ベトナムでの産業の底上げに役立っています

技能講習により技能を習得した人は帰国後にビジネスに携わっていくわけですが、今度はそういった人々が企業と現地とのパイプ役となり人脈が広がります

人材育成への投資が現地でのビジネス展開に大きな力となっているのです。

経済特区の開発に対する共同出資

ミャンマーで初めての経済特区開発のために、ミャンマー政府や民間企業、日本の商社が共同して出資して事業会社を設立しました。

ミャンマーは2011年まで軍事政権下にあったためにビジネス環境の整備が遅れています。
そこでミャンマー政府に関係があるJICAに出資するという形で商社が出資して事業会社が設立されました。

2015年9月には400ヘクタール分の工業団地に45社、5000人以上の人が働いています。
さらに別の土地も整備されれば、将来的には5万人前後の雇用が発生すると予想されており、フル稼働状態になればミャンマーの年間総投資額の20~30%が集まり、輸出額を5%ほど向上させると言われています。
さらにティラワ経済特区には「ワンストップサービスセンター」が開設され、それまで複雑でややこしかった行政手続きがスムーズに行えるようになったために外国企業の進出にも貢献しています。

自然エネルギー事業の展開

自然エネルギーをそれぞれの国で相互利用するという「アジア・スーパーグリッド構想」の一つとして行われている事業です。

風力資源に恵まれたモンゴルのゴビ砂漠において50MWの風力発電を行う風力発電事業が設立されました。
この事業は国際的にも高く評価されており、2017年3月には世界的な業界誌「インフラストラクチャー・ジャーナル」がエネルギー・インフラ開発分野の優れた融資プロジェクトに贈る「IJ Global Award 2016」を受賞しています。

現地のビジネスに出資

フィリピンでの水ビジネスに参加するために現地で水道事業を展開している企業に出資を行った企業もあります。
JICAの海外投融資による資金調達を想定した上でプロジェクトは進行し、上水供給量全体の30%程度に及ぶ漏水や盗水などの無収水対策を進め、配水ロスを削減することに成功しました。

ガーナ栄養改善プロジェクト

日本企業の食品やアミノ酸に関する知見を開発途上国の課題解決に活かすために立ち上げられたプロジェクトです。

ガーナ大学、米国のNPOと協定を結ぶなどして体制を整え、2010年にJICAのBOPビジネス連携促進にて採択されました。

このプロジェクトは、母親が妊娠してから子どもが2歳になるまでの栄養不足を原因とする成長不良を改善するために、ガーナの伝統的な離乳食のおかゆである「KOKO」に添加するサプリメント「KOKO Plus(コ コ・プラス)」を現地で製造・販売することを目指したものです。

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

SDGsビジネスや事業について調べてみよう


SDGsビジネスは世界中で広がってきています。
すでに成功をおさめている企業の事例を見ていくことで、新しく参入する場合に活かしていくことができるでしょう。

この記事に関連するタグ

gooddoマガジン編集部

gooddoマガジン編集部

gooddoマガジンはソーシャルグッドプラットフォームgooddo(グッドゥ)が運営する社会課題やSDGsに特化した情報メディアです。日本や世界の貧困問題、開発途上国の飢餓問題、寄付や募金の支援できる団体の紹介など分かりやすく発信しています。