農業業界では、労働力確保や地球温暖化、将来的な食料不足などの問題を解決するためにSDGsへの取り組みが必須となっています。
農業業界における現在の問題は環境保護だけでなく、健康増進や貧困削減、生物多様性などSDGsの目標と密接に関係しているものが多くあります。
この記事ではSDGsに特化した専門メディアgooddo編集部が、農業業界でSDGsに積極的に取り組んでいる企業や事例を紹介します。
SDGsの取り組み事例を参考に、自社でのSDGsを検討してみてください。
gooddoマガジンでは現在、企業からの事例掲載を受け付けております。
SDGsに関する自社の取り組みを社会に伝えたい、とお考えの方はぜひお気軽にご相談ください。
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農業業界のSDGsの取り組み
ここからは、農業業界の具体的なSDGs取り組みを紹介します。
各社ができることに取り組んでいることがわかります。
【事例1】株式会社クボタ
画像引用:クボタのSDGs|株式会社クボタ
【概要】コンバイン使用で米の生産を効率化、タンザニアの食料問題を解決
株式会社クボタは食料・水・環境に関わる地球規模の課題解決に取り組むグループ企業です。
近年人口の急激な増加により、食料の安定的供給が課題となっているアフリカのタンザニアで、コンバインを使った稲作技術を提案しました。
手作業をコンバインに変更したことで農作業が効率化し、SDGs目標の「生産性の向上」を達成できました。
また保管性と運搬性に優れ、安定的に作ることができる米の生産で「食料の安定供給」も実現しました。
【事例2】JAグループ
画像引用:JAグループのSDGs|JAグループ
【概要】「みんなのよい食プロジェクト」で食の大切さと国産・地元産消費を推進
農業に携わる人たちを中心とした全国組織の協同組合であるJAグループは、国産食材の消費拡大へ向けた取り組み「みんなのよい食プロジェクト」を展開しています。
地域食材消費を目的とした直売所の設置、農業現場に子供を招待する農業体験や親子料理教室を開催し、日本の食のすばらしさと農業の大切さを発信しています。
JAグループでは農業と消費者をつなげる取り組みで、SDGs目標の「食料の生産と農業の振興」だけでなく「豊かな地域社会づくり」に貢献しています。
【事例3】日本農薬株式会社
画像引用:日本農薬のSDGs|日本農薬株式会社
【概要】農薬調製支援アプリ・害虫診断アプリの開発により、その場で問題解決を実現
農薬を中心とした研究開発と生産を行っている日本農薬株式会社では、AIによる画像診断で病害虫や雑草の診断・解決策をその場で検索できるアプリ「レイミー」を開発しました。
さらに混用が難しい農薬調製を助けるアプリも開発し、効率的で持続可能な農業の手助けをしています。
【事例4】井関農機株式会社
画像引用:井関農機のSDGs|井関農機株式会社
【概要】農業女子応援プロジェクトで女性農業者の活躍をサポートし、農業の人手不足解消に貢献
「農家を過酷な労働から開放したい」という理念から始まった農業機械の総合専業メーカー井関農機株式会社は、女性農業者の育成・支援に力を入れている企業です。
農業機械取扱セミナーの開催や、農業マニュアルのイラスト化で基本作業をわかりやすく解説するなど農業をもっと身近に感じ、農業人口を増やす取り組みもしています。
さらに女性目線での農業機械開発も行い、SDGsのジェンダーレス問題解決も目指しています。
【事例5】サカタのタネ株式会社
【概要】夏でも腐りにくい大玉トマト「れおん」の開発で農作物の日持ち延長を実現
植物・農作物のタネを研究開発するサカタのタネ株式会社は、収量性・輸送性に優れる大玉トマトの新品種「れおん」を発売しました。
近年、地球温暖化に伴う猛暑に加え輸送時間が長期化している影響で、夏秋のトマトの出荷ロスが問題になっていました。
果実が硬くしっかりした肉質で輸送輸送性の高い品種「れおん」の開発は、SDGs目標の「生産性と生産量の向上」目標に貢献しています。
そもそもSDGsとは?
SDGsとは、持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals」の略称のことです。
2015年に国際連合で、世界の持続可能な開発のための指針として採択されました。
SDGsは17の目標と169の具体的なターゲットから構成されていて、政府・企業・市民などすべての人が協力して取り組むことで、幅広い領域にわたる課題の解決を目指しています。
SDGsの目標やターゲットなど詳しく知りたい方は、こちらの記事をご一読ください。
>>持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを簡単に解説
農業業界のSDGsの取り組みに関してよくある質問
農業業界のSDGsの取り組みに関してよくある質問を解説します。
SDGs目標として農業業界が重要視されている理由は何ですか
「飢餓をゼロに」というSDGs目標解決のためには、食糧生産、供給を担っている農業業界での問題解決が欠かせません。
さらに日本は食料自給率は約40%と先進国の中でも最低基準で、食料の多くを輸入に頼っています。
世界的人口増加による日本国内での食料不足危機を避けるためにも、スマート農業化で国内農業を効率化し食料確保に取り組まなければいけません。
農業業界の具体的なSDGs目標と期限はいつまでですか
SDGs目標2では、2030年までに「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」という内容が定められています。
具体的に農業業界には、以下の内容が求められています。
- ・生産性と生産量の向上と
- ・気候変動や災害に対する適応能力の向上
- ・小規模食料生産者の農業生産性と所得の倍増
- ・持続可能な食料生産システムを確保し強靭な農業の実現
農業業界の問題解決に取り組むことは、世界の飢餓を終わらせることにつながります。
農業業界のSDGsの取り組みを参考にしてみよう
農業業界では、農業の効率化を中心にSDGs目標に対してさまざまな取り組みが行われています。
一方で各企業の取り組みは、私たちの目には見えにくいものも多くあります。
農業業界のSDGs目標を達成するためには、農業従事者と企業だけでなく、地産地消の農作物の購入や国産米の積極的な消費など私たち消費者にもできることがあります。
この記事で農業業界と各企業のSDGsに対する取り組みを知り、自身にもできることがあるか考えてみてください。
どのような企業がSDGsに取り組んでいるか知りたい方は、下記の記事をご一読ください。
>>SDGsに取り組む企業まとめ!具体的な事例も紹介
SDGs達成のため私たちにできることは何か知りたい方には、以下の記事がおすすめです。