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SDGsとMDGsの違いとは?目標や内容を比較

この記事を要約すると

SDGsはMDGsの目標の一部を引き継ぐかたちで採択されました。
MDGsの反省を踏まえて、SDGsは採択されたものなので、この違いを理解しておくことは非常に重要です。

この記事では、SDGsとMDGsの違いについてわかりやすく解説します。

持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを解説

ミレニアム開発目標(MDGs)と持続可能な開発目標(SDGs)


国際社会では、2015年以降の新たな開発目標「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」について議論が進められ、2015年9月の国連サミットで合意したところです。
現行MDGsで未達成の課題については引き続き対応が必要とされ、特にMDGsから取り残された人々を重視する立場から、国内の格差に配慮する包括的な視点が一層重要となってきています。

SDGsでは、MDGsで未達成の課題への取り組みを進めるとともに、新たな課題に対して、世界各国共通の目標の達成に取り組むことが求められます。

MDGsを引き継ぐかたちでSDGsは採択されたものの、SDGsはいくつかの点でMDGsとは異なっています。

まず、MDGsは途上国の開発問題が中心で、先進国はそれを援助する側という位置付けであったのに対し、SDGsは、開発側面だけでなく経済・社会・環境の3側面すべてに対応し、先進国にも共通の課題として設定しています。

それに伴い、掲げられた目標も全人類が取り組むべき課題として、目標の数も8から17に増えてより包括的となりました。

さらに、SDGsでは、課題を解決するために、企業の創造性とイノベーションに期待を寄せており、企業の役割が重視されています。

MDGsの成果や達成度とは


MDGsでは8つの目標が掲げられ、具体的な21のターゲットと60の指標が設定されていました。国際社会が共同して様々な取組を推進してきた結果、MDGsは達成期限である2015年までに一定の成果を挙げることができました。

以下では、MDGsの成果と残された課題について詳しく説明していきます。

MDGsの達成された成果

MDGsの一番初めに掲げられた極度の貧困の撲滅という目標については、極度の貧困に苦しむ人口の割合を2015年までに(1990年と比べて)半分にするという具体的なターゲットが掲げられました。

その成果として、極度の貧困に苦しむ人々の割合は、1990年には世界人口の約36%(約19億人を占めていたものの、2015年には約12%(約8.4億人)と、当初の3分の1 にまで減少し、MDGsの目標のなかで最も効果をあげました。

また、飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準の半数に減少させるという目標も概ね達成されました。開発途上地域における栄養不足の人口の割合が、1990-92年期の23.3%から、2014-16年期には12.9%(推定値)まで減少しています

さらに、感染症対策の分野でも指標の大幅な改善が見られました。
例えば、2000年から2014年までに世界の新規HIV感染者数は約35%減少しました。また、対策の進展によって、マラリアについては2000年から2015年までに全世界で約620万人以上の命が、結核については2000年から2013年までに約3,700万人の命が救われたと推定されています。
(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

MDGsで残された課題

MDGsの取組は着実に成果をあげてきました。しかしその一方で、教育、母子保健、衛生といった分野では、達成が困難な課題が残されています

例えば、教育の分野では、2015年までの初等教育の完全普及の達成が掲げられていましたが、1990年に80%だった開発途上地域の就学率は、2015年には91%までしか上昇しませんでした
若年層の識字率の向上、男女格差の解消などは見られましたが、目標達成には至りませんでした。

他にも、母子保健の分野では、世界全体の5歳未満児死亡率が1990年から2015年の間に53%減少しましたが、1990年と比べて3分の1まで削減するとの目標の達成には至りませんでした。
妊産婦死亡率についても、2015年までに1990年と比べて4分の1まで削減するとの目標が掲げられていましたが、結果的に減少は45%にとどまりました。

衛生の分野では、改良された衛生施設を利用できない人の割合を半減するとの目標が掲げられていました。この割合も、1990年の46%から、2015年には32%に減少するにとどまり、半減には至りませんでした。

こうした未達の目標があるとしても、MDGsの取り組みは間違いなく一定の効果があったと言えます。

しかしながら、2000年以降のMDGsの時代においては、経済成長を通じた貧困削減がその焦点となっていました。

つまり、経済成長を通じて国民の所得水準を向上させることで絶対的貧困の問題を解決しようとしてきたわけです。これにより、全体として世界の貧困削減、社会開発は大きく進展し、貧困の問題は他の問題と比して相対的に低下するに至りました。

しかし、MDGsが、人間開発分野における目標であり、途上国の貧困や初等教育、保健等の従来通りの開発問題が中心で、先進国はそれを援助する側という位置づけであったことに対して、SDGsは開発という側面だけでなく、経済面・社会面・環境面の3つの側面全てに対応することが求められています。

MDGsとSDGsの目標を比較


以下では、MDGsとSDGsの目標を比較した表を示します。

SDGsの目標 MDGsの目標
1 あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる 1 極度の貧困と飢餓の撲滅
2 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する 4 乳幼児死亡率の削減
5 妊産婦の健康の改善
6 HIV/エイズ、マラリア及びその他の疾病の蔓延防止
4 すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する 2 普遍的初等教育の達成
5 ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う 3 ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
6 すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する 7 環境の持続可能性の確保
7 すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する
9 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
10 各国内及び各国間の不平等を是正する
11 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12 持続可能な生産消費形態を確保する
13 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する 8 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

SDGsの達成には私たち一人ひとりの行動が大切!


2015年までに達成できなかったMDGsの残された課題や新たに顕在化してきた課題が、2015年以降に国際社会が取り組まなくてはならない課題として浮かび上がってきました。

そうした状況のなかで生まれたのがSDGsです。

SDGsは地球上の誰一人として取り残さないことを目標としています。
SDGsを達成するためには、政府や企業だけが何らかの取り組みをすれば良いわけではありません。SDGsの担い手は私たち一人ひとりであり、私たち一人ひとりが行動することが重要です。

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