この日本でも地域によって根強い不平等が残っています。そうでなくても個人レベルでの不平等を感じることもあるかもしれませんが、これは世界に目を向けても同じです。
その規模は国家レベルにまで拡大することもあり、国家間の格差やそこに住む人々の格差など不平等な状態はどこにでも存在します。
このような不平等をなくしていくための取り組みが行われているのが、SDGsの目標10です。
この記事では、SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」の内容やターゲットなどについて紹介していきます。
持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを解説
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持続可能な開発目標・SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals website」の略称であり、持続可能な開発目標を示しています。
2001年に策定され、2015年に達成期限を迎えたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択されたこの国際目標は2016年から2030年までの期間で達成を目指し「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載されています。
17のゴール・169のターゲットから構成され、「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)こと」を誓い、SDGsは発展途上国のみならず先進国自身が取り組む普遍的なものとなっています。
(出典:外務省公式サイト「SDGsとは?」)
(出典:国際連合広報センター公式サイト「2030アジェンダ」)
SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」の内容とターゲット
SDGsの目標10では「人や国の不平等をなくそう」という目標を掲げています。
これは各国国内における不平等や、国家間における不平等是正のため問題として取り上げています。
他の目標にも関連しますが、不平等は経済成長の妨げや所得格差は性別や年齢、障がい、人種、民族などを理由に起こります。
これらを是正するための取り組みとして機会均等を測る取り組みが必要だとされています。さらには経済格差を是正するため途上国輸出への特別待遇や途上国への資金流入の促進も求められています。
そのため低所得世帯への所得増や所得成長率、平等な能力強化や経済機会の提供がターゲットとして挙げられています。
また、国際的な取り組みでは金融市場での規制とモニタリングの強化、途上国の発言権の拡大などが盛り込まれています。
ターゲット
目標10では以下の全9つのターゲットを定め、不平等の是正を目指しています。9つのターゲットをまとめました。
10.1 | 2030 年までに、各国の所得下位 40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。 |
10.2 | 2030 年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。 |
10.3 | 差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。 |
10.4 | 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。 |
10.5 | 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。 |
10.6 | 地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。 |
10.7 | 計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。 |
10.a | 世界貿易機関(WTO)協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する。 |
10.b | 各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助(ODA)及び海外直接 投資を含む資金の流入を促進する。 |
(出典:国際開発センター公式サイト)
国内、また国家間で生じている不平等の現状は?
現在、世界の最富裕層の10%が全世界における所得の40%を占めているといわれています。
人口規模を考慮に入れた場合、開発途上国の所得格差は11%にまで拡大してしまったのです。
このような世界では資産を持つ富裕層に有利に働くグローバル経済や金融システムとなってしまい国内の改装や個人間の不平等だけでなく、国家間におけるそれももたらされてしまうのです。
この不平等により保健や教育サービス、その他資産へのアクセスという点で大きな格差が生まれてしまい、より不平等な社会へと移行してしまいます。
(出典:国際開発センター公式サイト)
また世界では、性別や年齢、出身国や民族など様々な理由によって人種差別がされています。
人種差別によっておこる人や国の不平等の現状について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご一読ください。
>>SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」達成のため人種差別について理解しよう
不平等に伴う格差に対してどのような対策がされている?
これら国内、そして国家間の不平等に伴う格差に対して様々な対策が行われています。
例えば国家間での対策としては「ODAや海外直接投資などを通じて、開発途上国への資金流入を促す」、「計画に基づきよく管理された移民政策を通じて、秩序のとれた移住や流動性を確保する」といった政策が行われています。
しかし、国家規模での対策だけではどうしても是正できない部分があります。それが個人の経済的な格差です。
これは国家間の不平等にも繋がりますが、開発途上国の多くでは生産した作物を不公平な価格で安く買われてしまうため不平等な労働を強いられ、貧困から抜け出すことができなくなっています。
このような問題を是正するための対策としてフェアトレードが世界的にも行われるようになってきました。
フェアトレードとは
フェアトレードは、生産者と消費者の間で適正な価格で取引が行われるようにする仕組みです。これにより、開発途上国の立場が弱い人々にも労働に見合った資産を有し、自立や生活環境の改善を行えるようになるのです。
また、これにより労働や収入だけでなく、子どもの教育を受ける機会にも繋がっていき、将来的な問題の解決にも大きな役割を果たしています。
(出典:外務省公式サイト)
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不平等な社会の現状を知ったうえで私たちにもできることとは
世界で起こる経済的格差や人種差別などは深刻な問題となっています。
この是正のためには上述したように国家レベルのものから民間レベルのものまで様々な対策や支援が必要です。
特に、民間レベルでの不平等を解決するために活動している方々や団体が支援を継続して行うには、まだまだ資金や人材が足りていません。
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