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世界の所得格差の現状と課題とは?不平等をなくすための対策とは

この記事を要約すると

2008年のリーマンショック以降、世界の所得格差が拡大し深刻な状況に発展している国もあります。
特に途上国などでは顕著であり、現状を打開するための対策が行われています。

これにはSDGsにおける目標10「人や国の不平等をなくそう」で解決するためのターゲットが示されており、各国はそのゴールに向けて様々な取り組みを行っています。

世界の所得格差の現状やどのような課題があるかについて、また不平等をなくすための対策について紹介します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」のターゲットや現状は?

世界の所得格差の現状とは


世界では所得格差に大きな開きが出ており、それを示したデータとして、世界の最富裕層の10%が全世界の所得の40%近くを占有していることが報告されています。

2014年に発表されたOECDの調査によると、加盟34か国のうちの多くで所得格差が過去30年で最大となっており、人口における最富裕層10%が最貧層10%の約9.6倍の所得を得ています。
1980年代には約7倍だったことから、世界的に所得の格差が開いていることになります。

十分な資産を持つ富裕層がいる一方で、1日に2米ドル以下で生活する極度の貧困状態で生活している人もいるという現状にあり、経済格差は改善するべき深刻な問題です。

(出典:国際開発センター公式サイト)
(出典:OECD(経済協力開発機構)公式サイト「格差と成長」,2014)

所得格差が大きい国や地域


所得格差が特に大きい国や地域の中には中国やインドなどが挙がります。
巨大新興国としても注目される国ですが、2000年代にかけて大きく所得格差が拡大した国でもあります。

中国では沿岸を中心とした都市部と農村部で所得格差が開くこととなり、産業構造や中央と地方政府間の財政関係などが問題だと考えられています。

一方でインドではIT部門を担う労働者には質の高い労働と所得が得られる一方で、識字率などの点で大きな差が開くことなり、このような職につけない人は所得が低くなる傾向にあるため、その格差は拡大の一途をたどっています。

それだけではなく、政府による規制緩和政策やグローバル化による富裕層への利益拡大の恩恵は大きいものとなりましたが、貧困層にはほとんど恩恵が受けられない政策となってしまったのです。

これは急速に発展した国内の経済に対して、貧困層に対しての十分な支援政策がなかったことや経済改革以前からある大きな不平等によって恩恵を受ける人が限られたごく一部の人だけだったことなどが原因となっています。

途上国でもそのような所得格差は顕著であり、各国内での格差は大きくなっています。
これも都市部と地方でのインフラの整備や教育環境、あるいは生活を取り巻く環境に大きな差ができてしまっていることが原因と考えられています。

(出典:内閣府公式サイト)

世界の所得格差を縮めるために必要な対策


世界における所得格差を縮めるためにはどのような対策を講じるべきなのでしょうか。

まず挙げられるのは金融市場や金融機関の規制と監視の改善です。

SDGsのターゲットの中には「世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。」ことが掲げられています。

これはリーマンショック以降世界的に進められてきた金融機関に対する規制づくりが元となっており、これによって世界経済は安定することとなりました。
しかしその一方では金融市場の流動性の低下、成長の阻害にもなりかねない状況です。
またこれにより企業や個人が資金調達をする上で不利益を被っていないか調査をする必要さえ出てきています。

これらが現在の所得格差を生んでいる可能性も多分にあるため、安定化し始めた今こそ、国際協調を保ちながら規制と監視について改善していく必要があります。

開発援助や外国直接投資の促進

次に挙げられる対策は、格差是正の必要がある地域への開発援助や外国直接投資の促進です。

後発開発途上国やアフリカ諸国、領土が狭く低地の島国である小島嶼(しょうとうしょ)開発途上国、内陸開発途上国などニーズが大きい国々があります。
それらを対象に各国の計画やプログラムに従って政府開発援助や外国直接投資を含む資金フローが必要となってきます。

所得格差を是正するためには国家間だけでなく国内の整備も重要です。そうなるとインフラの整備や人材育成、技術供与が必要となってきますが、それらを一国で賄うことは非常に難しい状況です。
そのため先進国が積極的に開発援助や直接投資を行うことで、状況の整備を行い、国内経済の成長を促して、所得向上を図ることで結果として世界全体の所得格差の縮小にも繋がります。

安全な移住の促進

さらに安全な移住を促進することも必要となってきます。先ほども出てきたように出稼ぎや世界で問題になっている移民などに対する政策が十分な国はそれほど多くはありません。

このような形でやって来た人々に安全な移住を提供できる環境を構築しなければ、満足な労働ができず、収入を得られないことで所得格差が生まれてしまいます。

世界の所得格差を縮小させるためには、移住や移民として訪れた人々に対して管理された移民政策を行い、秩序が取れ安全・一定的な移動やモビリティーを促進することも重要な対策とされています。

公平性のある貿易

また不公平な貿易なども所得格差を開く原因とされています。
後発開発途上国や開発途上国は先進国との貿易において適正な価格での取引が望めず、生産者が適切な収入を得られないことも少なくありません。
そうなるとどれだけ労働に従事しても格差は縮まらず、広がる一方となってしまうのです。
これに対しては世界貿易機関の協定に従い、特別な待遇の原則を実施するといった施策がとられています。非関税による輸出を増やすことで収入を増やすこともその1つです。

(出典:国際開発センター公式サイト)

所得格差の現状について知り、私たちができることを考えよう


所得格差を改善するためには、まずその現状を知ることが大切です。実際に先ほど挙げたような中国やインド、途上国などではその格差が大きく開いています。
特に途上国では先述した不公平な貿易などにより、今も貧しい生活を余儀なくされている人々がいます。

私たちができることの一つとして、このような人々に直接手を差し伸べられるフェアトレードへの参加などが挙がります。

フェアトレードは、例えばコーヒー豆などを代理店を通して購入するのではなく、生産者から直接購入することで、適切な収益を生産者が得られるというシステムです。

そうは言っても生産者の下へ直接買い付けに行くわけではありません。このようなフェアトレードを推奨する非営利団体などがホームページを立ち上げ、そこで適正な価格を提示し、通信販売を行っています。

こうする事で生産者から直接商品を購入することでき、彼らも収入を得ることができます。
また所得格差については海外だけに目を向けるだけでなく、国内にも注目しなければいけません

中国やインドほどではありませんが、日本でも所得格差というものは存在しており、それらを改善することが、世界に見る所得格差の是正にも繋がります。
日本でも働き方改革や所得再分配を中心とした取り組みは行われており、それによって所得格差を縮小するためには私たちができることも積極的に行っていかなければ、改善は見込めません。

世界、そして国内の所得格差を知り、私たちができることを考えて、それらに取り組んでいくことが所得格差、そして不公平をなくしていくための第一歩となるのではないでしょうか。

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