人や国の不平等をなくそう

所得格差を表すジニ係数とは?日本の所得格差の現状を解説

所得格差は世界でも問題になっていますが、日本においても改善すべき問題として挙がっています。
経済の好転などで上向いている一方で、高齢化などの問題もあり、この所得格差はある層において開いていく一方にもなってしまっています。

この解決のためにはまず原因から知っていく必要があります。ここでは日本の所得格差の現状や原因についてご紹介します。

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ジニ係数とは

まず所得格差を説明する上でジニ係数について触れておかなければいけません。
ジニ係数とは所得格差を示す指標であり、完全な所得分配ができている場合は0、1つの世帯が所得を独占している場合は1となり、この0と1の間でその所得格差の度合いを示します。

ジニ係数は所得について算出されることがほとんどで、当初所得ジニ係数と再分配所得ジニ係数が存在します。
税金や社会保険料、公的年金などの社会保険の給付金を含むかどうかの違いがありますが、どちらも不平等さを分析比較するための指標の一つであり、後述する厚生労働省の所得再分配調査でもこちらが用いられています。

(出典:厚生労働省 公式サイト)

日本の所得格差の現状

日本の所得格差の現状は3年ごとに行われる所得再分配調査で知ることができます。
最新の調査は2017年に行われましたが、ここではジニ係数が33.5%改善されたと発表されています。2014年の調査時の34.1%よりは低下していますが、3回連続で30%を超える結果となりました。

具体的な数値で言えば、当初所得ジニ係数では2017年は0.5594となっており、2014年より0.011ポイント低下しています。
再分配所得ジニ係数でも2017年が0.3721まで改善し、2014年から0.0038低下したというデータが残っています。

このような結果から日本の所得格差は少しずつではありますが改善されていることがわかります。これは経済状況が好転したことにより中間所得層の比率が高まったことが影響していると考えられています。

ただし再分配機能が強まることは昨今増え続ける高齢者の生活を支える意義はあるものの、それを支える現役世代の負担が重くなっていることも示しています。

2017年のデータでは世帯主が40~44歳の場合、当初所得は659.7万円に対して再分配後の所得は541.6万円で大きく低下していることがわかります。
これは17.9%のマイナスであり、マイナス幅は2014年から4.5も拡大しており、負担が大きくなっていることを裏付ける結果となりました。

所得再分配調査とは

所得再分配調査は社会保障制度における給付と負担、租税制度における負担が所得の分配に与える影響を所得階層別、世帯及び世帯員の属性別に明らかにするものです。

また社会保障制度の浸透状況、影響度を把握することによって、今後の有効な施策立案の基礎資料を得ることを目的としている調査でもあり3年に1度行われています。

調査対象は全国であり、無作為に抽出した世帯及び世帯員に予め配布した調査票に記入してもらうことで行う調査になります。

格差縮小のための所得再分配の重要性

所得再分配は格差縮小のためには重要だといわれています。

富の再分配とも言われるこの施策は税制や社会保障を通じて高所得者から低所得者へ所得を再分配する政策となっています。

所得税や住民税、社会保険料は収入が多い人ほど高額となっていきます。また収入が多い若者より、収入が少ない老人のほうが健康保険を多く利用することになります。
つまり所得差を埋めるため行政サービスなどで調整している側面があり、これによって所得の格差縮小を図っています。

これらの所得再分配がなければ所得が多い人と少ない人の格差は埋まらないままとなってしまうため、このような政策は重要であるといわざるを得ません。

(出典:厚生労働省 公式サイト)
(出典:内閣府公式サイト)

所得格差の原因は?

それでは日本における所得格差の原因とは一体何なのでしょうか。それは21世紀を皮切りにその前後で違いがあります。

1980年代に台頭した新自由主義が市場原理を基盤とした構造改革につながり、それば経済の活性化をした一方で、所得格差を拡大する要因となっていました。その対応が不十分だったこともあり、所得の不平等が進行したといわれています。

一方で近年はITを中心とした技術革新などにより、産業構造の変化や資本市場の圧力などが起こり、先進国を中心にさらに格差拡大が進んでしまったとされています。
それによって中間あるいは下位所得者の所得減少だけでなく、上位所得者の所得増加によって格差が大きく広がることとなりました。
もちろんこれは1つの原因に過ぎず他にも原因は存在します。

(出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構
(出典:内閣府公式サイト)

非正規雇用の増大

長期的な不景気や労働コストを抑えるため、あるいは雇い止めがしやすいなどの理由から非正規雇用の増大してしまうこととなりました。
非正規雇用は成果主義的な制度となっており、正規雇用と違い社会保障などの待遇なども悪いことから、所得の格差が広がることになってしまいました。

(出典:内閣府 公式サイト)

都市と地方の格差

都市と地方では一人当たりの県民所得に違いがあります。
2013年では最も多い東京都は450万円なのに対し、最も少ない沖縄県では210万円と大きな差が表れました。

これは控除の集約や海外移転などが相次いだことで、全国の製造業比率が低下し、生産性の低い非製造業への依存が高まったことが要因と考えられています。

(出典:内閣府公式サイト)

国際的に見て低水準な雇用のセーフティネット

日本では雇用政策として正規雇用そして終身雇用を前提としてきたこともあり、失業や職業訓練、転職支援など雇用のセーフティネットが十分とはいえない状況も所得格差を広げた原因と言えます。

国際的に見ても低水準であり、職業訓練、職業紹介、失業者対策事業などの積極的労働市場政策費が海外に比べて比率が低いです。
デンマークでは2010年で1.9%と高い水準なのに足して、日本はわずか0.3%でした。欧州諸国と比較しても雇用政策は低水準と言わざるを得ません。

(出典:内閣府 公式サイト)

社会保障負担の逆進性

社会保険料の負担の増加や所得税率構造の累進緩和などを進めたことにより、低所得者の負担が増加し、高所得者以上の負担が低下していることも格差を助長することになってしまいました。
本来であれば所得再分配もあって逆でなければいけないのに、現状は逆進性を続けているため、格差は開く一方となってしまっています。

(出典:内閣府 公式サイト)

日本の所得格差の現状を知ろう

日本の所得格差は深刻な状況にあるといっても過言ではないかもしれません。

富める人と貧しい人の所得の差は拡大し、所得再分配による効果なども薄い状態で、特にこれからを担う若者世代の所得や雇用、労働環境の悪さは改善を行わなければ経済の停滞や低迷は免れない状態になるかもしれません。

まずは格差社会の現状を知ることで正しく経済の状況を認知していくことが大切です。その上で是正できる方法を考えていかなければ、将来的な日本経済の成長にはつながりません。

私たち一人ひとりが働く環境について見直し、改善するべくアクションを起こす必要があるのではないでしょうか。

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