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SDGs未来都市とは?これまでの傾向や今後の展開

この記事を要約すると

「SDGs未来都市」は近年非常に注目されている国際的な取り組みです。本記事では、これまでの傾向や今後の展開など、「SDGs未来都市」について解説します。

また、自治体モデル事業や地方創生SDGs官民連携プラットフォームについてもご紹介します。

持続可能な開発目標・SDGsとは?
17の国際目標やターゲットなどを解説

SDGs未来都市とは


「SDGs未来都市」とは、内閣府地方創生推進室が、SDGsの達成に取り組んでいる都市を選定する制度のことです。
目的は日本全体が持続的な経済社会の推進を図るために、その優れた取り組みを世界中に発信していくことです。

SDGs未来都市は2018年から2020年までの間に各都市、最大30都市を選定します。2018年には29の都市がSDGs未来都市に選ばれました。

また、その中から特に先導的なSDGs未来都市10事業を「自治体SDGsモデル事業」として選定。モデル事業には最大4,000万円(定額補助2,000万円、2分の1の定率補助2,000万円)の補助金を交付します。

「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」のこと。2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際的な取り組みです。
「SDGs」は地球上のみんなで一丸となって「持続可能な世界を実現」するために、地球上の誰1人として取り残さないことを大きなテーマとしています。

2001年に策定されたプレミアム開発目標(MDGs)の後継として、国連のサミットで採択された17の目標と169のターゲットを開発目標としています。

17の共通目標を記載します。

  1. 貧困対策
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてグリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任 つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守っていこう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

発展途上国だけが「SDGs」に取り組むのではなく、先進国も自ら取り組むユニバーサルなもので、国内では2017年12月に「SDGsアクションプラン2018」を、2018年6月には「拡大版SDGsアクションプラン2018」を発表するなど日本も積極的に取り組んでいます。

内閣府はこうした取り組み以外にも、2008年から持続可能な経済社会システムを実現するために23都市の「環境モデル都市」と11都市の「未来環境都市」を選定しています。
この「環境未来都市」と地方創生をさらに発展、促進するために「SDGs未来都市」の選定が行われています。

「環境モデル都市」とは、脱炭素の側面からモデル都市の選定を行っており、「環境未来都市」は、

  1. 環境価値の創造
  2. 社会的価値の創造
  3. 経済的価値の創造

この3つのコンセプトに加え、さらに「環境・超高齢化対応等に向けた、人間中心の新たな価値を創造する都市」をコンセプトにしています。

「SDGs未来都市」の選定では17のターゲットと関連付けており、これまでの評価軸を基盤にした選定よりも「SDGs」のコンセプトに基づいた選定が行われています。

「SDGs未来都市」では官民連携・産官学連携、住民全体のまちづくりが求められ、行政の縦割りの課題を念頭に置き、全体で最適化していくことが求められています。さらに地域内外で多様なステークホルダーと連携していくことも求められます。

これらをまとめると、

  1. 経済・社会・環境が両立する取り組み
  2. 全体最適化
  3. 多様なステークホルダーとの連携

が特徴です。

それぞれが互いに影響して好循環を生み出す取り組みと、最終的に補助金がなくても成り立つことが課題とされています。
(出典:内閣府地方創生推進室公式サイト)

SDGs未来都市において有力な都市


ここでは2018年にSDGs未来都市として選定された29都市をご紹介します。
SDGs未来都市の選定はSDGsの基本的理念に則り、基本的・総合的な取り組みを推進している、またはしようとしている都市や地域の中から選ばれています。

SDGsのテーマである「持続可能な開発」を現実のものにする潜在的な能力・可能性を秘めている都市・地域として選定された都市です。

  • 北海道
  • 北海道札幌市
  • 北海道ニセコ町
  • 北海道下川町
  • 宮城県東松島市
  • 秋田県仙北市
  • 山形県飯豊町
  • 茨城県つくば市
  • 神奈川県
  • 神奈川県横浜市
  • 神奈川県鎌倉市
  • 富山県富山市
  • 石川県珠洲市
  • 石川県白山市
  • 長野県
  • 静岡県静岡市
  • 静岡県浜松市
  • 愛知県豊田市
  • 三重県志摩市
  • 大阪府堺市
  • 奈良県十津川村
  • 岡山県岡山市
  • 岡山県真庭市
  • 広島県
  • 山口県宇部市
  • 徳島県上勝町
  • 福岡県北九州市
  • 長崎県壱岐市
  • 熊本県小国町

✳︎都道府県・市区町村コード順
(出典:内閣府地方創生推進室公式サイト)

地方創生を進めていくためには、中長期を見通した持続可能なまちづくりも必要となってきます。
そこで内閣府地方創生推進室ではさらに、地方自治体によるSDGsの達成に向けて優れた提案を行った自治体を「自治体SDGsモデル事業」として選定し、10の自治体が選ばれています。

SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業を実施中


先述したとおり、内閣府地方創生推進室では29の「SDGs未来都市」の選定と、さらに地方自治体によるSDGsの達成に向けて優れた提案を行った自治体を「自治体SDGsモデル事業」として10の自治体を選定しています。

そもそも「自治体SDGsモデル事業」の定義とは「全国の自治体による地域のステークホルダーと連携したSDGsの達成に向けた積極的な取り組みの総体」のことをいいます。

地方創生とは、地域の人口減少や経済縮小による少子高齢化に歯止めをかけることを目的としており、未来に向かっての成長力の確保が目標です。

急速な人口の減少・過疎化が進む地域ではこの地方創生が急務となっています。
人口減少、過疎化が進む地域では、人々が将来に向かって安心して暮らせる基盤作りが必要となります。町を活性化するまちづくりと地域活性化により成長力を確保し暮らしの基盤や維持、再生が重要なのです。

「SDGs」の取り組みとして、先進国・開発途上国を問わずに以下の3つの側面を掲げています。

  1. 世界全体の経済
  2. 世界全体の社会
  3. 世界全体の環境

これらは持続可能な開発を総合的に取り組み、推奨しています。

したがって、これらの取り組みは地方創生とも密接に関わっており、日本の各地域の諸問題を解決する取り組みでもあります。地方の持続的な開発は地方創生につながるのです。

自治体SDGsモデル事業」の定義はSDGs未来都市の中でより先導的な役割を果たしている地方自治体で、経済・社会・環境の三側面で新しい価値創造を提供しており、SDGsのテーマである持続可能な開発が見込める事業を提唱している自治体が選ばれます。

「自治体SDGsモデル事業」では多様なステークホルダーとの連携も不可欠です。自主的な地域における好循環な活動が求められています。

(出典:内閣府地方創生推進室公式サイト)

自治体SDGsモデル事業

こちらでは2018年に「自治体SDGsモデル事業」に選定された各自治体が行っている事業をご紹介します。

自治体 事業名 概要
北海道ニセコ町 NISEKOの生活モデル地区構築事業 地域経済の活性化に資する環境配慮型住宅建設、人口増加に伴う住宅不足の解消、ヒートショックの予防とエネルギーコストの削減、地域運営組織などによる活発な自治活動などを進め、ニセコのブランド価値を高める。
北海道下川町 SDGsパートナーシップによる良質な暮らし創造実践事業 SDGsパートナーシップセンターを構築・活用し、各側面における相乗効果を発揮しながら推進する。
神奈川県 SDGs社会的インパクト評価実証プロジェクト 「いのち輝く神奈川県」の実現を目指して、様々な民間投資の促進に向けたSDGs社会的インパクト評価システムを構築し、モデル地区において実証事業を行う。
神奈川県横浜市 ”連携”による横浜型「大都市モデル」創出事業 環境・社会・経済面の課題解決に向けたモデル事業の推進のため、ステークホルダー間の交流を深化させ、取組間の連携を図り、住宅・事業所などの「市民力」を最大限発揮できる仕組みを構築する。
神奈川県鎌倉市 持続可能な都市経営「SDGs未来都市かまくら」の創造 SDGsの理念を掲げ、市民参画やEBPMにより改定する。先行モデルとして歴史的建造物を改修し、働く・交流・歴史と文化を継承する場として、情報発信する。
富山県富山市 LRTネットワークと自立分散型エネルギーマネジメントの融合によるコンパクシティの深化 持続可能な地域公共交通網の形成や、自立分散型エネルギー・インフラ・ネットワークとの融合を図ることにより、都市レジリエンスを強化し、コンパクトシティの深化・充実を目指す。
岡山県真庭市 永続的発展に向けた地方分散モデル事業 地域資源を活用したCLT等の木材需要拡大、バイオ液肥を活用した農業促進、独自の観光事業の促進など循環型の「回る経済」を確立する。
福岡県北九州市 地域エネルギー次世代モデル事業 エネルギーを核としつつ、技術力・市民力を活かした課題解決事業を展開し、国内外へ普及展開する。
長崎県壱岐市 Industry4.0を駆使したスマート6次産業化モデル構築事業 農業のスマート化、市民社会への先進技術導入を目指し、IotおよびAIを実装する。
熊本県小国町 地熱をはじめとするエネルギー研究・交流拠点づくり 地域資源を活かし、町主体の公正を担保した開発計画による地熱資源の有効活用や、未利用熱水を活用したバイナリー発電の利用拡大検討、持続可能な公共交通確保のためのカーシェアリング導入検討などの三側面の取組を進める。

(出典:内閣府「地方創生推進部PDF」より抜粋)

地方創生SDGs官民連携プラットフォームとは

地方創生SDGs官民連携プラットフォームはSDGsの達成に向けた取組と、それを基にした「環境未来都市」の推進と、さらなる地方創生につなげることを目的に発足しました。

SDGsの目的は突き詰めると「国民一人ひとりが夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営める地域社会を形成すること」を目標としています。それは地方自治体の諸問題の解決だったり、地方の持続的な開発であったりと、地方創生が原点となっています。

SDGsの国内実施を促進するためには、NGO・NPO、大学、研究機関等の新たな付加価値を生み出す地方自治体や、地域経済に新たな付加価値を生み出す範囲の広いステークホルダーとのバートナーシップが大切で、その中でも官民連携が必要不可欠と言われています。

「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」はそうした広範囲のステークホルダーとの連携により、国全体の持続可能な経済社会の推進や、その取り組みを世界に情報発信していくことを目的としています。

「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」の役割は大きく3つあり、

  1. マッチング支援
  2. 分科会開催
  3. 普及促進活動

を通じて地方創生の実現と課題解決を支援します。

既に始まっている自治体SDGsの取り組み事例


次に、既に始まっている自治体SDGsの取り組み事例をご紹介します。

石川県白山市では体制づくりとして内部体制の構築によるSDGsの推進を行っています。白山市では2018年3月19日に市長を本部長とする「白山市SDGs推進本部」を設置しました。
これにより持続可能なまちづくりの取り組みや、市民や企業、高等教育機関等と連携、支援してSDGsを推進しています。

長野県ではSDGsを取り入れた各種計画の策定・改定を行っており、2030年の将来に向けて見通した総合5年計画「しあわせ信州創造プラン2.0〜学びと自治の力で拓く新時代〜」にSDGsの理念を組み込みました。

さらに北海道では多様なステークホルダーとの連携体制構築によるSDGsの推進を行っています。多様な主体を連携・協働する全道的なネットワーク組織である「北海道SDGs推進ネットワーク」を設立して、積極的にSDGsの達成を推進しています。

また、神奈川県横浜市では情報発信による学習と成果の共有を行っており、公民連携の新たなビジネスモデルを創出しています。具体的には地域の新聞社やテレビ局によるコンソーシアム「横浜メディアビジネス総合研究所」と横浜市が連携して、「横浜共創オープンイノベーションフォーラム」を2018年4月から9月の間に4回実施しました。
これにより、地域や社会の課題を解決するビジネスモデルの創出を目的として、横浜でSDGsに取り組む意味や、地元企業との共創について議論する場として開催されています。

今後は、さらに各自治体での取り組みが盛んになってくることが予想されるため、周りの自治体の動きにも注目してみてはいかがでしょうか。

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