様々な理由で生活困窮者となってしまった人を支援していくために2015年から生活困窮者自立支援制度が施行されました。
現在まで多くの人が制度を利用して、改善が見られた人もいるなど成果を上げています。
この制度では各都道府県や市区町村に設けられた相談窓口で相談から支援がスタートするのですが、その皮切りになる機関として生活困窮者自立相談支援機関というものが存在しています。
この記事では生活困窮者自立相談支援機関とはなにか、どのようなサポートを行っているかなどを紹介します。
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生活に困窮する人を支援する「生活困窮者自立支援制度」とは?
日本は1960年代の高度経済成長期によって戦後の建て直しを早期に図り、目まぐるしい経済発展を遂げました。
その流れは1980年代まで続きましたが、やがてバブル経済に突入し、バブル崩壊とともに長い不景気へと突入することになりました。
日本の不況はそれまでの生活を徐々に変化させ、さらに少子高齢化による高齢者の増加で、それに合わせた福祉を行う必要が出てきました。一方で経済状況が変化したことにより、生活に困窮する人も現れました。
これまで高齢者や児童、障害者など分野を絞った支援は行ってきましたが、近年はこの支援の対象とならない人や、それぞれが抱える複合的かつ複雑な理由から経済的あるいは社会的な孤立となり困窮するなど、支援が行き届かない人々が増えていきました。
これが生活困窮者と呼ばれる人々です。
政府はこのような複雑な課題を抱え、現行の制度では生活保護の対象にならないが、様々な理由で生活に困窮しており、自立支援が難しい人を対象とした新たな支援制度を法整備して施行しました。
それが生活困窮者自立支援制度です。
これは2013年に法律が成立し、2015年4月から制度が開始されました。
この制度によって、自立支援に必要な取り組みが各自治体や社会福祉協議会、社会福祉法人、NPOなどに設置された生活困窮者自立相談支援機関によって進められています。
(出典:政府広報オンライン「様々な事情で暮らしにお困りの方のための相談窓口ができます!」)
生活困窮者自立相談支援機関が進める自立支援事業の種類
生活困窮者自立相談支援機関について説明する上で、自立支援制度の進め方も合わせて説明する必要があります。
生活困窮者自立支援制度は複雑な理由で生活に困窮している人を対象として自立支援を行うことを目的としています。
そのため一人ひとり生活に困窮した事情は違うため、それぞれに合わせた支援の提案が必要となります。
そこでこの制度では、まず相談を受け付け、窓口にて担当者と現在の状況について聞き取りと課題の整理をする必要があります。
そのため設置されているのが相談窓口であり、相談から支援までの取りまとめを行っているのが生活困窮者自立相談支援機関です。
生活困窮者自立相談支援機関は全都道府県に設置されており、市区町村の福祉担当部署だけでなく、社会福祉協議会や社会福祉法人、NPOなどにも設置されています。
厚生労働省の自立相談支援機関相談窓口一覧にも各都道府県に設置された機関を探すことができるので、そちらから居住地域にある相談窓口を見つけることができるでしょう。
ただし必ずしも居住地域すべてにあるわけではないため、不明な場合は住んでいる都道府県や市区町村に問い合わせを行ってください。
生活困窮者自立相談支援機関が進める様々な支援事業
生活困窮者自立相談支援機関は全体の取りまとめです。相談に訪れた生活困窮者の現状を聞き取り、生活状況の課題を把握することで、その人に必要な支援を模索します。
生活に困窮する理由は人それぞれであるため、一人ひとりの状況に合わせた包括的な支援が必要となるため、自立相談支援機関による相談窓口は非常に重要なものです。
これを元に支援プランの作成に移ります。
作成された支援プランを元に、支援メニューの提供がなされますが、その際のサポートにはいくつか種類があります。
居住確保支援
まず生活に困窮するに至る経緯として、失業や再就職の失敗などが挙がります。
そうなると再就職をしなければいけませんが、生活が困窮したことにより住居を失う、あるいは失う恐れがあるといった状況に陥ることがあります。
まずは就職活動を行う上での拠点となる住居が必要なため、居住確保支援として住居確保給付金の支給が行われます。
就労支援
再就職、あるいはこれまで就職できなかった人向けの支援もあります。
これまで就労ができなかった人には就労に向けた準備を行う「就労準備支援事業」が提案されます。ここで就労に向けた日常生活自立、社会生活自立、就労自立のための訓練が行われます。
ただここで一般就労が困難な場合は、「認定就労訓練事業」へと移行します。これはいわゆる中間的就労であり、一般就労が困難な人に対する支援つきの就労の場の育成です。
また就労に向けた準備が一定程度整っている人については、「生活保護受給者等自立促進事業」が提案されます。
これは一般就労に向けた自治体とハローワークによる一体的な支援であり、どれもが就労を行う上で必要な支援となります。
緊急的な支援
生活に困窮したことで、住居を喪失してしまった人向けに「一時生活支援事業」が提案されます。こちらは緊急に衣食住の確保が必要な人向けの支援であり、一定期間衣食住などの日常生活に必要な支援を提供していきます。
家計再建支援
家計の管理が上手くいかず、借金の連鎖を止められない人向けの支援が、「家計相談支援事業」です。
こちらでは家計の状況を見える化し、利用者の家計管理の意欲を引き出すなどの相談支援、貸付の斡旋などを行います。
子ども支援
生活困窮者の中には子どものときにいじめを受け、それによって学校を中退し、引きこもりとなってしまい、社会復帰が難しくなったことで生活に困窮するケースもあります。
そのため貧困の連鎖の防止のため、「子どもの学習支援事業」も行われています。この事業では生活保護世帯の子どもを含む生活困窮世帯の子どもに対する学習支援や居場所作り、養育に関する保護者への助言などを実施しています。
その他支援
その他の支援としては関係機関や他制度による支援が実施されています。生活困窮者自立支援制度とその事業の枠組みにとらわれず、その他の制度なども活用することで生活に困窮している状況を改善できるよう支援しています。
また民生委員や自治会、ボランティアなどの支援も提供されることがあります。
(出典:政府広報オンライン「様々な事情で暮らしにお困りの方のための相談窓口ができます!」,2015年改定)
(出典:厚生労働省「生活を支えるための支援のご案内」)
(出典:厚生労働省「生活困窮者のための就労訓練事業を考えてみませんか?」)
生活困窮者自立相談支援機関が行うサポートについて理解しよう
日本には生活困窮者が多く存在しており、経済状況などが少しでも変われば、これまで生活に困窮していなかった人でも陥る可能性があります。
2020年、日本を含む世界では長期的に新型コロナウイルスが猛威を奮ったことで、経済活動が停滞しました。
これにより収入が減った、失業した、会社が倒産したなど経済の悪化が見られ、生活困窮者の増加が見込まれています。
誰もが何かしらの影響を受け、特に大きな影響を受けた人は生活に困窮してしまうこととなったと言わざるを得ないのです。
そのような状況を改善するため、政府では生活困窮者自立支援制度だけでなく、給付金を支給するなど対応を行っています。
生活困窮者自立相談支援機関の必要性もさらに高まることが予想されていますが、それだけでは支援しきれない状況もあります。
なにより生活困窮者の支援は政府や各地方自治体と自立相談支援機関だけでなく、私たちのような地域住民の協力なしでは成り立ちません。
私たちにできることは何なのか、生活困窮者が抱える問題や支援機関のあり方なども踏まえつつ、考えてみることは重要なことです。
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