日本でも子どもの貧困は問題になっており、政府や各自治体などが支援し、貧困問題の解決へ向けて努力しています。
現在、経済成長を遂げているフィリピンですが、かつては「アジアで最も貧しい国」のイメージが定着していました。GDPの数値から言えば、あと一歩で近代化を迎える状況のフィリピンですが、貧困問題は解決していません。
フィリピンの教育や暮らし、貧困層への支援について解説します。
子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは
また、子どもの貧困問題に関心があるという方は、簡単30秒でできるアンケートに応えて、問題について理解を深めながら支援してみませんか?
約30秒のアンケートに回答いただくと、子どもの貧困問題や関連する課題を解消するために活動する団体に10円の支援金が届きます。記事を読み進める前にぜひお試しください!
\たったの30秒!/
経済成長を遂げているフィリピン
フィリピンは7,000以上もの島からなる国であり、人口は2017年時点で1億492万人です。
2000年には7,600万人程度の人口だったフィリピン。少子高齢化、人口が減少していくという問題を抱える日本とは違い、フィリピンの人口は急速に増加。2025年~2030年には日本の人口を抜くという予想もされています。
フィリピンは熱帯性気候であり、年間を通じて温かいのが特徴です。
年平均気温は26~27℃、6月~11月が雨期、12月~5月が乾期となります。この温暖な気候から、ココナッツやマンゴー、バナナなどの果物が有名で、これらの果物がドライフルーツにして販売されていたりとお土産としても定着しています。
ハンディキャップのあるクリエーターの商品に特化した通販サイト。お買い物で障がい者福祉や作り手を応援
「アジアで最も貧しい国」というイメージからの脱却
フィリピンという国のイメージを聞くと、「アジアの中でも特に貧しい国」というイメージを持つ人もいますが、それはもはや過去の話。
2017年度のフィリピンの一人あたりのGDPは約2,988米ドルまで上昇。一般的にこの数値が3,000ドルを超えると近代化を迎えたと言われており、家電製品や家具の売れ行きが向上します。
現在のフィリピンの経済成長率を織り込むと、これからフィリピンの経済は、日本の高度経済成長をなぞる可能性も十分にあるのです。
- アジアの中でも貧困のイメージが強かったフィリピン
- 近年ではすさまじい経済成長を見せている
- 2017年度のフィリピンの一人あたりのGDPは約2,988米ドルまで上昇
(出典:外務省「フィリピン共和国」,2019)
(出典:外務省「フィリピン主要経済指標」,2017)
(出典:経済産業省「医療国際展開カントリーレポート フィリピン編」,2019)
経済が好調でも貧困問題が解決しないフィリピンの現状
急速に成長を見せていたフィリピンの経済ですが、急激な経済成長を見せているものの、実際にはその影響が国民の資産には反映されていないのが現状です。
1985 年から2015年の30年間で一人あたりの実質GDPは約1.9倍、GNIは2.4倍にまで伸びているにも関わらず、実質的な世帯収入・支出額は約1.2~1.3倍にしか増加していないのです。
フィリピンの中心街にはショッピングモールや高級ホテル、豪華なマンション群が並んでいますが、街から少し離れれば排水設備も整っていない道や簡素な家が多く見られます。
どんなに経済が上向いたとしても、貧困層は貧しいまま、貧富の格差はなくならないという現状がフィリピンにはあるのです。
- フィリピンは急速な経済成長を遂げているものの、影響が国民の資産には反映されていない
- 過去30年間でGDPは約2倍になったものの、実質的な世帯収入・支出額は約1.2~1.3倍しか増加していない
- 経済成長に反して貧富の格差はなくならない現状にある
(出典:日本貿易振興機構JETRO(ジェトロ)「家計調査にみるフィリピンの世帯」,2017)
貧困家庭の子どもたち暮らしとは?
フィリピンでは大人と比較し子どもの貧困率が高いと言われています。
例えば2015 年時点で、貧困ライン(一人当たり月約 3,900 円)以下で生活する割合は全人口のうち 21.6%に対し、0歳~17歳の子どもは 31.4%とされています。
さらに子どもへの暴力も問題になっており、13歳から24歳の青少年の64.2%が何らかの身体的暴力にさらされ、そのうちの61.5%が心理的、22.4%が性的暴力にさらされていることもわかっています。
フィリピンではしつけとして暴力が必要と考える人が多いものの、実際には学校を中退したり自己肯定感が奪われたりと子どもの成長へと大きな影響を与えてしまっている現状があります。
(出典:国境なき子どもたち「2018年度活動報告書」,2018)
貧困を止めるための具体策とは?
社会の最底辺で生きる子どもたちに教育の機会を与えようと、2018年10月から「読み書き教室」を始めました。
あらゆる層の子どもたちの読み書きの能力を高めるために、青少年鑑別所の青年やストリートチルドレンに対しても教室を開いています。こうした子どもたちの識字能力が高まり、学校で学び直したいと思ってもらえるような支援をしています。
自ら努力して学業を続ける意思のある生徒には、奨学金を給付することで教育を受け、希望する職種への就業への道が開けます。結果的に収入の高い職に就くことができるようになり、貧困を食い止めることを目標としています。
- フィリピンでは大人より子どもの貧困の方が深刻
- 子どもへの身体的暴力、精神的暴力、性的暴力も横行している
- 子どもたちの将来のためにも教育支援を行う必要がある
(出典:国境なき子どもたち「2018年度活動報告書」,2018)
私たちにできることは?
このように、フィリピンの貧困問題は、簡単に改善することができない深い問題を抱えています。
そんな残酷な現実を生き抜く子どもたちに、日本にいる私たちができることはあるのでしょうか?
児童労働や虐待から子どもたちを守る事業、教育機関などの環境を整え、貧困から抜け出そうとする自立力を育てる活動を行う国際団体があります。
私たちが寄付したお金が、フィリピンの子どもたちの教育や大人による暴力から守るために使われ、間接的に子どもたちを救うことができるのです。
- フィリピンの現状を変えるには国の体制を変えるだけでなく様々な団体による支援も必要
- 私たちにもできる支援がある
- 寄付やボランティア活動によって、間接的に支援が行える
ハンディキャップのあるクリエーターの商品に特化した通販サイト。お買い物で障がい者福祉や作り手を応援
フィリピンの貧困の現状を知り、今できることから支援しよう!
フィリピンの貧困の現状から、教育や暮らしと支援方法について解説しました。
目覚ましい経済発展が進んでいる喜ばしい現実とは裏腹に、広がっていく貧富の差があります。
「貧困」は何世代にも渡って連鎖すると言われています。この連鎖を止めるためにも、国全体の制度や仕組みも変わる必要があるのです。
フィリピンに対する日本の支援として、子どもたちを守る資金として募金を行うことができるほか、ボランティアとしてフィリピンの子どもたちの力になるなど方法は多岐に渡ります。
まずはフィリピンの現状を知り、私たちにできることを考えてみませんか?