貧困家庭の子どもの食生活は、親が仕事で不在になることからコンビニなどの弁当が多くなったり、経済的に購入できる食材が限られ、栄養バランスが悪くなるなどの問題を抱えています。
あるいは孤食という、子どもの精神に影響を与えてしまう状況を生み出しています。
これらの影響は大きく、子どもの心や身体の成長を妨げている要因となっているのです。
この記事では貧困家庭の子どもの食生活やその影響、支援の実態について紹介します。
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貧困家庭の子どもの食事事情とは?
貧困家庭での最も大きな問題の1つに子どもの食事事情が挙げられます。貧困で家計を切り詰められるのは食事です。
貧しさが原因で満足な食事ができないことや、コンビニ弁当や惣菜などを食事とすることで、栄養が偏ってしまうケース、両親が働いているため1人で食べなければいけない「孤食」となってしまうケースがあり、それぞれに問題があります。
満足に食事ができないことで栄養価の偏りが起こり、成長を妨げてしまうことになります。
栄養価の偏りは体の成長だけでなく、心の成長をも妨げます。成長期には必要な栄養素が足りていなければ体が正常に成長しないだけでなく、体の不調などを訴えることもあります。
そして、成人してからの心臓病や鬱病、痴呆症のリスクが上がる原因にもつながります。
さらに貧しさを感じてしまうことから、子どものころから諦めを感じるようになり、何事も積極的に行えない正確となってしまうこともあるのです。
コンビニ弁当や惣菜などで栄養が偏ってしまうケースも、同じような問題を抱えています。
栄養価の偏りは子どもの体に対して、大きな影響を与えます。
現在は食育という形で見直されるようになりましたが、子どもの健康管理、体調管理は一番身近な存在である親にしかできないことです。それがコンビニ弁当や惣菜ばかりの偏った食事により、阻害されてしまうケースがあるのです。
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食事は子どもとの大切なコミュニケーションの時間
心を蝕むという点では、最大の問題は孤食になります。孤食は親が遅くまで働きに出ており、子どもに食事を用意しておいて1人で食べさせる状況です。
孤食には様々な問題がつきまといます。好き嫌いをした場合でもその場で注意されることがないため、栄養が偏ってしまうほか、コミュニケーション不足が生まれます。
人とのコミュニケーション不足は将来的にもリスクになります。社会性や協調性を育む機会を失い、学生生活や社会に出る際にも、自己主張ができない人格が形成される恐れがあるのです。
それが現在は次第に失われ、孤食となる子どもが増えている傾向にあります。
- 満足に食事ができないことで心身ともに成長を妨げる
- コンビニ弁当や惣菜などで栄養が偏り、心身ともに成長を妨げる
- 心を蝕むと言う点で、最大の問題は孤食
(出典:内閣府 「 平成28年度 子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究 報告書 」,2016)
(出典:農林水産省 「 みんなの食育」)
食生活が子どもに与える影響
これらの食生活がもたらす具体的な影響についてもみていきましょう。
子どもの孤食や偏った食生活は、学力や集中力低下、発達に大きな影響を与えると言われています。
食生活が偏ると疲労が抜けず、集中力が低下し、夜もあまり寝られない身体ができ上がってしまいます。
これらが積み重なると勉強をする上で、大きな悪影響となってしまい、結果的に学力低下へと繋がっていくのです。
また身体的な問題として、成長期に必要な栄養素やエネルギーの不足によって、身体が発達しないどころか脳の発達も阻害されてしまうため学力低下を促してしまうことになりかねません。
孤食はとくに子どもの精神的な影響が大きく、孤食が続いている子どもにアンケートを取ったところ、食事に対して憂鬱だと感じてしまう子どもが多くなっていることも明らかになっています。
このような原因により子どもにとっては食事の重要性が下がり、将来的にも1日2食や1日1食という人が増えてしまう傾向にあるのです。
例え成長期でなくても1日に必要な食事と栄養価を取らなければ、身体は次第に不調が続き、仕事が上手くいかない、鬱になってしまった、など様々な悪影響を及ぼすこととなってしまうのです。
- 子どもの孤食や偏った食生活は、学力や集中力低下、発達に大きな影響を与える
- 成長期に必要な栄養素やエネルギーの不足によって、身体だけでなく脳の発達も阻害され、学力低下を促す
- 孤食が続くことで、食事に対して憂鬱だと感じる子どもが増えている
(出典:内閣府公式サイト 「 平成28年度 子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究 報告書 」)
貧困家庭の子どもの食事・生活を支援する取り組み
現在、子どもの食事や生活を支援する取り組みが広まっており、子どもたちを取り巻く食事環境の改善に向けて多くの人が協力しています。
こうした取り組みを利用することで、少なからず子どもたちの食生活を改善し、将来的な悪影響を少なくすることができます。
子ども食堂
子ども食堂とは子どもとその親、あるいは地域の人々に対して無料または安価で栄養価の高い食事と暖かい団らんを提供するために行われている社会活動です。
その始まりは1980年代からと言われていますが、注目され始めたのは2008年ごろで、待機児童問題が表面化した2013年から大きく取り上げられるようになりました。
2019年6月時点では全国で3,700箇所にものぼります。
開催時期は月1~2回というところもあれば、平日5日間とそれぞれで違いがあります。
子ども食堂のメリットは上述したように安価で栄養価の高い食事を得られることです。
また場所によっては子どもに「お手伝い」をしてもらうことで無料としてくれるところもあるようです。
子どもが自主的に行動することで食事をすることの大切さ、用意することの大変さなどを学ぶことができる機会となっています。
安全で安心な食事を取ることができ、他にも多くの方が訪れるので寂しさを感じないというのも利点でしょう。
提供される場所もアットホームな雰囲気の場所が多く、子ども同士や親同士でコミュニケーションの場所としても機能しています。寂しいと感じたり、悩んでいるのは自分だけじゃないという安心感が、精神的にも良い方向に働いてくれるので、こちらも大きなメリットと言えるでしょう。
おうち食堂
おうち食堂はどこか提供されている場所へ行くわけではなく、食事を用意するのが難しい家庭にボランティアを無償で派遣し、夕食を作って提供するという支援です。
おうち食堂もメリットは多く、基本的に来てくれるボランティアの方は、栄養バランスを考えた食事を作ってくれる方がほとんどです。そのため、子どもたちが取るべき栄養をしっかりと得ることができます。またできたての温かい料理による安心感や幸福感も得られるでしょう。
さらにその家庭に入ることで、別の問題点に気づくことができます。市役所や児童保護施設の方が気づけないような問題や、普段は本音が聞けないことも心を許して話してくれるといった利点も生まれるのです。
本音を話してくれたことで、多角的な支援へとつなげることも可能です。もちろんサービス自体は週に1回、年間48回の上限など制限はありますが、話を聞くだけでも大きな違いが生まれます。
実際にそれで心に余裕が生まれ、塞ぎがちだった子どもたちが徐々に心を開くようになったり、コミュニケーションを取ったりと変化が訪れた例もあります。
どちらの支援も、子どもだけでなく大人にも良い影響を与えてくれます。1人で悩まず、このような場所を積極的に使うことは、現在の世の中では全ての人にとって大切なことと言えるのではないでしょうか。
- 子どもの食事や生活を支援する取り組みが広まっている
- 子ども食堂は、子どもとその親、地域の人々に対して無料または安価で栄養価の高い食事と暖かい団らんを提供
- おうち食堂は、食事を用意するのが難しい家庭にボランティアを無償で派遣して夕食を作って提供
(出典:内閣府公式サイト 「 みんな揃っていただきまーす。広がれ「子供食堂」の輪! 」,2016)
(出典:内閣府公式サイト 「 外部リンク : 全国こども食堂支援センター・むすびえ【こども食堂】」)
(出典:江戸川区公式サイト 「 食の支援(子ども食堂・食事支援事業)」)
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貧困で食事に悩む子どもたちを生まないために
食事は子どもたちにとって身体にも精神にも重要であり、貧困によって奪われていいものではありません。
貧困な家庭環境により成長できない子が大人になった社会は、さらに負の連鎖を生み出しかねません。
子どもたちの支援活動に協力する人が、少しでも増えるといろいろなことが変わってきます。
まずは貧困な子どもたちの現状と子ども食堂という支援が行われていることを知り、私たちにできることを考えてみてはいかがでしょうか。