手当

ひとり親世帯臨時特別給付金とは?対象者や支給額など解説

ひとり親世帯にとって仕事をしつつ子育てをするのは大変なことであり、思うように収入を得られないことも少なくありません。
そのような世帯において手当や給付金などは重要なものであり、利用したい制度でしょう。

この記事では、2020年に実施されたひとり親世帯臨時特別給付金について、その対象者や給付額などを紹介します。

貧困に係る手当の種類や内容を徹底解説

ひとり親世帯臨時特別給付金とは


2020年に入り、世界中で感染が拡大した新型コロナウイルス感染症は、各国で経済を中心として様々な影響を与えてきました。
人の往来は減り、国々どころか県を跨いだ移動の制限により、社会全体の経済活動が抑制され、収入が減ったことで家計が苦しくなる状況に陥ったのです。

この新型コロナウイルス感染症の影響は、子育てをするひとり親世帯にも大打撃を与えることになりました。
子育てと仕事を1人で担っている低所得のひとり親世帯に大きな困難が生じていることは、政府としても大きな問題として取り上げられました。

その対策として打ち出されたのが、ひとり親世帯臨時特別給付金です。低所得で大きな困難に陥っているひとり親世帯の子育て負担の増加や収入減少に対する支援を行うため、臨時特別給付金による早期の給付が実施されました。
「臨時特別」という呼称だけに、通常行われている児童手当や児童扶養手当などとは異なる給付金です。
そのため給付対象となる条件や、支給額、受給手続きなどが通常の手当とは異なります。

ひとり親世帯臨時特別給付金の支援対象者と支給額

支給対象者となるのは、児童扶養手当受給世帯などになります。
そのため2020年6月分の児童扶養手当の支給を受けている人は、この対象に入ります。
ただ公的年金給付などを受けていることにより児童扶養手当の支給を受けていない人、あるいは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、直近の収入が児童扶養手当の対象となる水準に下がった人も対象です。

これらの対象者となった場合、1世帯で5万円、第2子以降は1人につき3万円を基本給付として受けることが可能です。
また、次の条件に該当する人は1世帯につき5万円の追加給付を受けられます。
対象は、2020年6月分の児童扶養手当の支給を受けている人。または公的年金給付などを受けていることにより児童扶養手当の支給を受けていない人の中で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、収入が大きく減少しているとの申し出があった人です。

例えば、もともと児童扶養手当を受けていた子どもが2人いるひとり親世帯で、2020年6月分の児童扶養手当を受け取っていれば対象となります。
また新型コロナウイルス感染症の影響で家計が急変して収入が低下し、追加給付を申請した場合、基本給付金が5万円と3万円で計8万円、追加給付が5万円で、合計13万円の給付を受けられます。

ひとり親世帯臨時特別給付金の受給手続き

給付手続きに関しては、もともと児童扶養手当を給付されているひとり親世帯の基本給付だけであれば申請は不要です。
ただし給付を希望しない場合には、家庭に送付される届出書を返送する必要があります。
また児童扶養手当の支給に当たって、指定していた口座を解約するなど、給付金の支給に支障が出る恐れがあれば、振込指定口座を変更するなどの手続きを行うことが必要です。

基本給付金は申請不要ですが、追加給付は申請が必要です。
児童扶養手当は定例の現況確認を行いますが、その際に収入が減少している旨の申請を行います。
もし支給対象者が、児童扶養手当を受け取っていないひとり親家庭であれば、給付を受ける場合に基本給付、追加給付ともに申請が必要です。
申請は住んでいる市区町村の給付金担当課で行いますが、対象となる条件および基本給付か追加給付かで申請書が異なります。

※2020年11月時点

  • ひとり親世帯臨時特別給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響で、子育てと仕事を1人で担っている低所得のひとり親世帯を支援するために打ち出された
  • 支給対象者は児童扶養手当受給世帯、公的年金給付などを受けていることにより児童扶養手当の支給を受けていない人、あるいは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、直近の収入が児童扶養手当の対象となる水準に下がった人である
  • 対象となる条件などによって、申請の有無が異なる
  • (出典:厚生労働省「低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金について」,2020)
    (出典:厚生労働省「ひとり親世帯臨時特別給付金」,2020)

    ひとり親世帯臨時特別給付金はひとり親世帯にとって必要な手当


    ひとり親世帯臨時特別給付金が設置された背景には、2020年初頭から感染が拡大した新型コロナウイルス感染症の影響による経済の停滞が挙げられます。
    この影響で、日本全体の経済に大きな打撃を与えることとなり、その被害はひとり親世帯にも及んでいます。

    ただし、新型コロナウイルス感染症の蔓延だけが、ひとり親世帯臨時特別給付金が設置された理由とは言い切れません。そもそもひとり親世帯はそれ以前から貧困状態にある家庭が多く見られているのです。

    2016年の厚生労働省による調査では日本全国の世帯数のうち、母子世帯が123.2万世帯、父子世帯は18.7万世帯もあることが分かっています。
    ひとり親世帯は圧倒的に母子世帯が多いというデータも得られており、そのうちの51.4%が貧困状態にあると言われているのです。

    このような状態になるのには、就業状況や収入が大きく関わっています。
    母子世帯のうち、就業している割合は81.8%と高めではありますが、そのうち正規雇用として働けているのは44.2%と半分にも満たない割合です。
    多くの母子世帯の母親はパートやアルバイトなどで生計を立てており、その割合は43.8%にもなります。

    なぜパートやアルバイトの割合がこれほどまで高いのか、それは本人自身の資格や能力を要因としており、ひとり親となったタイミングで正規雇用してもらえるケースが少ないことが挙げられます。
    また子育て上、正規雇用だと都合が悪いことからパートやアルバイトを選んでいるという結果も出ているのです。

    各々の理由により正規雇用を受けられない、あるいは正規雇用を望まない形で生計を立てているわけですが、その収入で生活するには厳しいものがあります。
    平均税込収入と収入中央値について調べたとき、母子世帯では平均税込収入が299.9万円、収入中央値が250万円でした。
    分布など細かいデータが分からないため平均より離れた収入の世帯数は分かりませんが、この結果から相当数の母子世帯が低収入で生活していることが伺えます。

    実際に貧困率は51.4%と半分以上の世帯が貧困状況にあることも明らかでした。
    さらにディープ・プアと呼ばれる世帯の割合は、母子世帯で13.3%もあり、非常に厳しい状況下で生活を強いられていることになります。
    さらに貧困状況にあるのは母子世帯だけではありません。父子世帯でも22.9%の世帯が貧困状況にあり、ディープ・プアも8.6%存在しています。

    こういった状況を政府や厚生労働省も掴んでおり、これまで児童扶養手当や住宅助成制度など、ひとり親世帯の経済負担を緩和するための政策が行われてきました。
    それでも今回のような経済の停滞が起きたときに、影響を受けやすいのがひとり親世帯です。
    そのため緊急的な経済措置としてひとり親世帯臨時特別給付金が行われました。

  • 新型コロナウイルス感染症の蔓延以前から、ひとり親世帯で貧困状態にある家庭が多く見られている
  • 母子世帯で正規雇用として働けているのは、44.2%と半分にも満たない割合で43.8%がパートやアルバイトなどで生計を立てている
  • 経済の停滞が起きたときに、影響を受けやすいのがひとり親世帯
  • (出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要について」,2016)
    (出典:労働政策研究・研修機構「第5回(2018)子育て世帯全国調査」結果速報」,2018)
    (出典:労働政策研究・研修機構「母子世帯の母親はなぜ正社員就業を希望しないのか」)

    ひとり親世帯臨時特別給付金を受けられるか確認しよう


    ひとり親世帯臨時特別給付金のような特別な給付が決定するということは、ひとり親世帯にとって必要なものだと判断されているということです。

    ひとり親世帯臨時特別給付金は、条件によっては申請が必要ありませんが、申請をしないと受け取れない人もいます。
    条件に当てはまるか分からない場合は、市区町村の役場など担当課があるところで相談をしてみましょう。

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