手当

失業手当をもらうには?手続きや金額も解説

  • 2020年11月20日
  • 2020年11月25日
  • 手当

失業手当は、様々な理由で離職した人にとって等しく受給する権利を持つ手当です。
そのためには手続きを行う必要があり、受給するために取り組むべきこともあります。

この記事では、失業手当をもらうための手続き方法や取り組み、金額などを紹介します。

貧困に係る手当の種類や内容を徹底解説

失業手当とは


失業手当とは雇用保険の一つであり、雇用保険は政府が管掌する強制保険制度であることから、原則として労働者を雇用する事業は強制的に適用されます。
主には労働者が失業して、その所得を失った場合、労働者について雇用の継続が困難となる自由が発生した場合、労働者自ら職業に関する教育訓練を受けた場合、労働者が子どもを養育するための休業をした場合に適用されます。

これらのいずれかに当たると認められれば、生活および雇用の安定と就職促進のために失業など給付や育児休業給付を支給されるのが雇用保険です。
あるいは失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の拡大、労働者の能力の開発や向上、その他労働者の福祉の増進を図るための二事業の実施も行っています。

一般的な失業手当の手続き

失業手当を含む雇用保険の手続きについては次のようになります。
基本的には平日の所定の時間内に住所を所管するハローワークで手続きを行います。
まずハローワークで求職の申し込みを行った後、雇用保険被保険者離職票を提出します。

  • 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票のいずれか一つ)
  • 身元確認書類(運転免許書、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書、写真付き資格証明書、公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など)
  • 写真
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
  • 雇用保険被保険者離職票以外に上記の書類が必要です。

    これらを元に、ハローワークで離職理由を含め、受給要件を満たしているか確認した後、受給資格を決定します。
    その後、指定の日時に開催される雇用保険受給者初回説明会に出席します。

    印鑑と筆記用具、受給資格が決定した際に受け取ったしおりを持参し、雇用保険の受給についての重要事項の説明を受けます。
    また雇用保険受給者資格証と失業認定申告書を渡され、第1回目の失業認定日の通知を受けます。

    原則として4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)を行うため、指定された日に管轄のハローワークへ行くことが必要です。
    失業認定申告書に求職活動の状況などを記入して、雇用保険受給資格者証とともに提出します。

    ここで重要なのが失業の定義ですが、厚生労働省では以下のように定義されています。

    「失業」とは、離職した方が、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」ことをいいます。

    (引用:厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」)

    そのため病気や怪我、妊娠・出産・育児などですぐに就職できないときは失業手当を受けることができません。
    これらの手続きを行い、かつ基本手当の支給を受けるためには、失業の認定を受けようとする期間中に、原則として2回以上の求職活動の実績が必要となります。

    受給資格を得て、失業認定を行われ、2回以上の求職活動の実績が認められれば、失業認定を行った人から通常5営業日で、指定した金融機関に基本手当が振り込まれます。

    失業手当の給付額と所定給付日数

    失業手当の給付額は賃金の日額と離職時の年齢によって決定されます。
    例えば離職時の年齢が35歳で、賃金日額が9,000円の場合、基本手当の日額は5,728円(賃金日額の約64%)です。

    2019年8月より雇用保険の基本手当(失業手当)の日額が変更になっているため、それ以前に受給された人は金額が違う可能性があります。
    変更を含む基本手当日額と計算式は以下の通りです。

    離職時の年齢が29歳以下

    賃金日額給付率基本手当日額
    2,500円以上5,010円未満80%2,000円~4,007円
    5,010円以上1万2,330円以下80%~50%4,008円~6,165円
    1万2,330円超1万3,630円以下50%6,165円~6,815円
    1万3,630円(上限額)超6,815円(上限額)

    離職時の年齢が30~44歳

    賃金日額給付率基本手当日額
    2,500円以上5,010円未満80%2,000円~4,007円
    5,010円以上1万2,330円以下80%~50%4,008円~6,165円
    1万2,330円超1万3,630円以下50%6,165円~7,570円
    1万5,140円(上限額)超7,570円(上限額)

    離職時の年齢が45~59歳

    賃金日額給付率基本手当日額
    2,500円以上5,010円未満80%2,000円~4,007円
    5,010円以上1万2,330円以下80%~50%4,008円~6,165円
    1万2,330円超1万6,670円以下50%6,165円~8,335円
    1万6,670円(上限額)超8,335円(上限額)

    離職時の年齢が60~64歳

    賃金日額給付率基本手当日額
    2,500円以上5,010円未満80%2,000円~4,007円
    5,010円以上1万1,090円以下80%~50%4,008円~4,990円
    1万1,090円超1万5,890円以下45%4,990円~7,150円
    1万5,890円(上限額)超7,150円(上限額)

    離職時の年齢が59歳までの賃金日額が5,010円以上1万2,330円以下では次のような計算式を用います。

    (基本手当日額)=0.8×(賃金日額)-0.3{((賃金日額)-5,010)÷7,320}(賃金日額)

    また離職時の年齢が60~64歳で賃金日額が5,010円以上1万1,090円以下は次のいずれかの計算式を用いて、低い方の金額に決定されます。

    (基本手当日額)=0.8×(賃金日額)-0.35{((賃金日額)-5,010)÷6,080}(賃金日額)

    あるいは

    (基本手当日額)=0.05×(賃金日額)+4,436

    また所定給付日数は特定受給資格者および一部の特定理由離職者、就職困難者を除く場合は、年齢に関わらず被保険者であった期間で決定されます。
    被保険者期間が1年以上10年未満である場合は90日間、10年以上20年未満の場合は120日間、20年以上の場合は150日間です。

    ただし基本手当を受けられるのは、原則として離職の翌日から1年間なので、これを過ぎると所定給付日数の範囲であっても失業手当を受け取ることはできなくなります。

    加えて自己都合による離職の場合、失業手当の手続きをしてから7日間の待機期間があり、そのあと2ヶ月の給付制限期間を経てから、給付が始まります。
    以前までは給付制限期間が3ヶ月でしたが、2020年10月から2ヶ月に変更されました。

    ※2020年11月時点

  • 失業手当とは雇用保険の一つであり、雇用保険は政府が管掌する強制保険制度であることから、原則として労働者を雇用する事業は強制的に適用される
  • 失業の認定を受ける期間中に、原則として2回以上の求職活動の実績があることで基本手当を受けることができる
  • (出典:厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「雇用保険制度の概要」)
    (出典:厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」)
    (出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」,2019)
    (出典:厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」)  
    (出典:厚生労働省「失業等給付を受給される皆さまへ」,2020)

    失業手当が生まれた理由は?その背景とは


    戦後に多くの失業者が出たことが問題になりました。
    1945年には労働者を保護し、失業者を減らすためのセーフティネットが求められることになります。
    経済の興隆のために1947年に職業安定法が制定されました。

    失業者の生活を安定させる制度として、1947年に失業保険法が制定され、その事務は公共職業安定所が担うようになります。
    そして幾度も改正が行われ、1974年に現在の雇用保険法が成立しました。

    失業手当は現代におけるセーフティネット

    高度経済成長期に入った1960年代からの完全失業率を見てみると、1970年以降その割合は増加傾向にあり、2005年には全体でも5.0%を超えています。
    1960年には1.0%未満であったことからも、40年余りで4.0%以上も増加したことが分かります。
    また近年の完全失業率を見ると、2010年に5.1%のピークを迎えた後は減少傾向にありますが、2017年に2.8%、2018年と2019年に2.4%を記録し横ばいの状態が続いています。

    加えて2020年9月には3.0%と緩やかに増加し、2019年12月以降有効求人倍率は減少し続け、1.0倍を下回る危険性もあることから、失業者が今後スムーズに再就職ができるかどうかは現状では不透明です。
    そのような点からも失業手当は労働者にとってセーフティネットとして必要不可欠なものであると言わざるを得ません。

  • 本格的に失業対策の議論や研究などが行われたのは1917年以降
  • 完全失業率は2010年以降に減少傾向にあったが、2017年に2.8%、2018年と2019年2.4%と横ばいの状態が続き、2020年9月には3.0%と緩やかに増加している
  • (出典:厚生労働省「第2章 社会保障の各分野の変遷」)
    (出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)9月分結果」,2020)
    (出典:総務省統計局「完全失業率と有効求人倍率の推移」,2018)
    (出典:内閣府「1-2 完全失業率」,2006)
    (出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年8月分)について」,2020)

    失業手当を利用して再就職を


    失業手当は、不況に立たされた日本において何度も必要性を議論された制度です。
    その時々の時代の失業増加が社会問題となりましたが、制度の確立には至りませんでした。
    しかし現代は、失業者が再び職に就くための手助けとして存在し、再就職のための制度も用意されています。

    失業手当をもらうことは、被保険者にとっての権利であり、給付を受けるために就職活動に打ち込むことは必要なことです。
    失業手当を利用して、安定した生活を送れるよう再就職に向けた取り組みをしてみましょう。

    動画はこちら
    この記事を書いた人
    gooddoマガジンはソーシャルグッドプラットフォームgooddo(グッドゥ)が運営する社会課題やSDGsに特化した情報メディアです。日本や世界の貧困問題、開発途上国の飢餓問題、寄付や募金の支援できる団体の紹介など分かりやすく発信しています。

    - gooddoマガジン編集部 の最近の投稿