手当

臨時福祉給付金とは?過去の実施措置も紹介

日本では2014年と2019年に消費税率が引き上げられました。
経済的な影響はどの世帯にも及びますが、より大きな影響を受けるのは低所得の世帯です。

この記事では、そのような世帯に対しての政策の一つである臨時福祉給付金について、過去の実施措置も合わせて紹介します。

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臨時福祉給付金とは


臨時福祉給付金は経済対策の一環であり、2014年4月に実施された消費税率引き上げによる影響を緩和するために実施された政策です。
2014年4月1日に消費税率が当時の5%から8%への引き上げが行われました。消費税率の引き上げは経済に大きな影響を与えると考えられており、特に所得が少ない人にとっては大きな負担となります。

そのため制度的な対応を行うまでの間の暫定的・臨時的な経済措置として2016年に臨時福祉給付金(経済政策分)の支給を決定したのです。
ただそれ以前に2014年の消費税率の引き上げ時から2016年までの3年間には臨時福祉給付金(簡素な給付措置)も実施されています。

消費税率の引き上げは2019年10月にも実施されていますが、その際は臨時福祉給付金の支給は行われていません。
2019年の消費税率10%への引き上げには軽減税率の導入が行われているため、臨時福祉給付金はこの期間を対象としておらず、2017年には支給を終了しています。
またこの給付金は、この2019年の新たな消費税率引き上げと軽減税率導入が当初の実施時期より2年半延期されたことを踏まえた経済対策の一環として実施されました。

臨時福祉給付金の支給額

臨時福祉給付金(経済政策分)の支給額は、対象者1人につき1万5,000円です。
この支給額は、2014年4月1日に実施した5%から8%への消費税率の引き上げによる食料品の支出額の増加分を参考に1年当たり6,000円をベースとして算出したものです。

これは2019年10月から始まった消費税率10%への引き上げと軽減税率導入が2年半延期されたことを受け、2017年4月から2019年9月までの2年半分として一括で支給するため、この金額になりました。

またそれ以前に行われた臨時福祉給付金(簡素な給付措置)は2014年から2016年まで毎年行われており、支給対象者1人につき2014年が1万円、2015年が6,000円、2016年が3,000円となります。
ただし2014年の支給額については年金や児童扶養手当などの受給者に5,000円の加算が行われています。

臨時福祉給付金の支給対象者

臨時福祉給付金(簡素な給付措置)は、市町村住民税(均等割)が課税されていない人が対象です。
ただし課税されている人に面倒を見てもらっている場合や、生活保護制度の被保護者となっている場合は対象となりません。
その上で2014年1月1日に住民票がある市町村への申請手続きが完了すれば支給されました。

2015年と2016年に支給された臨時福祉給付金(簡素な給付措置)も同様の対象者となります。
これに伴い、臨時福祉給付金(経済政策分)は2016年の臨時福祉給付金(簡素な給付措置)支給対象者が対象となります。
これらの条件を満たした上で、申請手続きを行えば支給が実施されました。

※2020年11月時点

  • 臨時福祉給付金は経済対策の一環であり、2014年4月に実施された消費税率引き上げによる影響を緩和するために実施された政策
  • 臨時福祉給付金(簡素な給付措置)は、市町村住民税(均等割)が課税されていない人が対象
  • 臨時福祉給付金(経済政策分)は2016年の臨時福祉給付金(簡素な給付措置)支給対象者が対象
  • (出典:厚生労働省「臨時福祉給付金(簡素な給付措置)」,2019)
    (出典:長浜市「臨時福祉給付金」は申請できますか。」,2018)
    (出典:厚生労働省「臨時福祉給付金(経済対策分)に関するQ&A」)
    (出典:厚生労働省「平成26年度簡素な給付措置(臨時福祉給付金)」)
    (出典:厚生労働省「平成27年度簡素な給付措置(臨時福祉給付金)」)
    (出典:厚生労働省「平成28年度簡素な給付措置(臨時福祉給付金)」)

    臨時福祉給付金は負担が大きい世帯のための手当


    臨時福祉給付金は消費増税の経済政策として実施されました。
    ただこれは必ずしも実施されるものではなく、軽減税率導入までの暫定的・臨時的な経済措置として行われるものです。そのため2019年には実施されませんでした。
    それでも臨時福祉給付金自体は、消費税率が上昇することで影響を受けるすべての世帯の中でも、特に低所得世帯にとっては重要な支援となりました。

    2014年には消費税率が5%から8%にまで引き上げられました。その差は3%ですが、毎月食費や生活必需品の購入に3万円必要な場合、消費税は5%であれば1,500円ですが、8%であれば2,400円になり、差額は900円です。1ヶ月で900円の差があることから1年間では1万800円もの差が生まれます。

    これは収入が低い世帯にとっては大きな負担となる可能性があります。
    厚生労働省によると母子世帯の平均年間収入が243万円に対し、父子世帯は420万円であり、多くの世帯が低い収入の中で生計を立てていると伺えます。
    特に母子世帯の収入が低い傾向にあるのは、就業状況にあります。

    2016年時点で81.8%の世帯が就業自体は行えていますが、その中で正規雇用は44.2%しかおらず、パートやアルバイトで生計を立てる世帯が43.8%もあります。
    正規雇用になれない、正規雇用を選択しない理由はいくつかありますが、パートやアルバイトだけで生計を立てていくのは難しい世帯も多く、そこに消費税率の引き上げが重なれば負担が増えることは明らかです。

    そのような状況に対して暫定的な対策を行うためにも、臨時福祉給付金が導入されています。しかしこれは根本的な解決にはなりません。
    臨時福祉給付金などの緊急的な支給は必要ではありますが、それ以上にこのような政策が必要とならないための問題への取り組みが求められます。

  • 臨時福祉給付金は、必ずしも実施されるものではなく、軽減税率導入までの暫定的・臨時的な経済措置として行われるもの
  • 母子世帯はパートやアルバイトで生計を立てる世帯が43.8%もある
  • (出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要について」,2016)

    臨時福祉給付金のような給付を確認しよう


    ひとり親世帯でなくても、貧困状況にある世帯はあります。それは必ずしもその世帯の問題ではなく、日本の経済状況などの影響によりやむを得ずその状態に陥っている可能性もあります。
    そのような人たちにとっては手当や給付金などの制度は生活をしていくために必要なものです。

    臨時福祉給付金自体はすでに支給が終わっており、申請することはできません。
    しかし消費税率の引き上げでなくても、有事には何かしらの給付が行われる可能性があります。
    実際に2020年に新型コロナウイルス感染症が蔓延した際には、ひとり親世帯に向けた臨時特別給付金の支給も実施されました。

    社会的な問題で困窮する事態になった場合、家庭と子どもを守るためにもこのような給付は必要なものとして受け取ることも大切です。

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