手当

遺児手当とは?児童扶養手当との違いを解説

ひとり親世帯はその生活を維持していくために、様々な手当が支給され、成り立っている世帯もあります。
それはひとり親世帯の多さと、現状を鑑みて設けられた手当ではありますが、必ずしも国が実施しているものばかりではありません。

この記事では、国以外が実施している遺児手当について児童扶養手当との違いなども踏まえながら紹介します。

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遺児手当とは


手当という制度は、国が支給するものだけでなく、都道府県や市区町村が実施する制度によるものも存在します。
下野市の広報では遺児手当を以下のように記しています。

両親または父母の一方が死亡して遺児となった義務教育終了前(中学校卒業前)の児童を養育している方に、児童の健全な育成及び福祉の増進を図ることを目的に支給されます。

(引用:下野市「広報しもつけ」)

これは条件に合えば必ずしも支給されるわけではありません。
遺児手当は、その実施母体が県制度や市制度と地域によって異なるため、手当の申請を行う場合には、どこが実施しているのか確認する必要があります。

地域によっては遺児手当の制度を設けていない都道府県や市区町村もあります。
またその手当の名称や支給要件も、実施母体によって違いがあるので、例を挙げて説明します。

(出典:下野市「広報しもつけ」)

北海道稚内市の遺児手当

北海道の稚内市では災害遺児手当制度という形で手当を支給しています。

交通事故や海難事故などによって、生計の中心となる人が亡くなった遺児の保護者が対象です。
乳児および奨学生は3,000円、中学生は5,000円の支給が上半期は9月、下半期は3月に半年分がまとめて支給されます。

(出典:稚内市「災害遺児手当制度」,2020)

栃木県那珂川町の遺児手当

栃木県那珂川町では、町制度として手当の支給を行っています。
父母の一方が死亡した児童を監護する該当児童の父または母で、現在配偶者を有しない人が対象です。

ただし当該児童を父または母が監護しない場合は、その児童を養育する人、そのような人もいない場合は、その当該児童のうちの年長の人に支給されます。
また所得限度額が設けられており、限度額以上の所得がある場合は支給されません。
支給額は対象児童1人につき月額3,000円となっており、3月・6月・9月・12月の前月分まで支払いが行われます。

(出典:栃木県那珂川町「遺児手当」)

愛知県小牧市の遺児手当

愛知県小牧市では市制度として手当を支給しています。ただ愛知県では県制度としても遺児手当の支給が行われています。
つまり愛知県小牧市では県制度と市制度のそれぞれの遺児手当が支給されることになります。

支給要件は県制度の場合、県内に在住し、離婚・死亡・行方不明・遺棄・拘禁などによって片親または両親がいない、父または母が重度の障がいにある、18歳以下の児童を養育しる人が対象です。
ただし受給資格者には所得限度額が設定されており、それ以上である場合は支給されません。

手当額は申請を受け付けた月から5年間のみの支給され、1年目から3年目の児童1人につき月額4,350円、4年目から5年目の児童1人につき月額2,175円です。
そのため申請当初から5年経過している場合は、申請できません。
支払い方法は1月・3月・5月・7月・9月・11月の25日頃に支払月の前月分までが支払われます。

これに対して市制度の場合は、対象となる支給要件は変わりませんが、支給の年数制限はありません。
手当額は申請を受け付けた月の翌月から、小学生以下の児童が2,000円、中学生の児童が3,000円、18歳以下(中学卒以上)が4,000円です。
支払い方法は1月・3月・5月・7月・9月・11月の5日頃に支払月の前月分までが支払われます。

(出典:小牧市「児童扶養手当・愛知県遺児手当・小牧市遺児手当(ひとり親家庭等への手当)」)

児童扶養手当と遺児手当の違い

児童扶養手当も遺児手当も、その支給要件を見る限りではひとり親世帯が対象となる手当です。
ただし遺児手当の支給要件はそれを設置する都道府県や市区町村によって異なる部分もあるため、児童扶養手当の支給要件と一致しないものもあります。

また児童扶養手当は国制度なのに対して、遺児手当は県制度や市制度、町制度など実施母体が異なります。この点でも児童扶養手当と遺児手当には違いがあるのです。

※2020年11月時点

  • 遺児手当は、「両親または父母の一方が死亡して遺児となった義務教育終了前(中学校卒業前)の児童を養育している方に、児童の健全な育成及び福祉の増進を図ることを目的に支給されます。」
  • 地域によっては遺児手当の制度を設けていない都道府県や市区町村もある
  • 児童扶養手当は国制度なのに対して、遺児手当は県制度や市制度、町制度など実施母体が異なる
  • 遺児手当はひとり親世帯に必要な手当


    遺児手当は都道府県や市区町村が設けている制度です。そのため必ずしも住んでいる地域で受けられるとは限りません。また受けられる条件や支給額も異なる場合があります。
    国の制度である児童扶養手当の方が、条件さえ満たしていれば確実に支給を受けられる手当です。
    それでも児童扶養手当はもとより、遺児手当もひとり親世帯にとっては必要な手当でしょう。

    厚生労働省の調査によると、ひとり親世帯は、2016年時点で母子世帯が123.2万世帯、父子世帯は18.7万世帯もありました。
    これだけの世帯がひとり親として仕事をしつつ育児も行っている世帯になります。

    また、ひとり親世帯になる理由の大半が離婚です。母子世帯では79.5%、父子世帯は75.6%とどちらも7割以上が離婚によりひとり親世帯となっています。
    しかしひとり親として家庭と子どもを守っていかなければならず、そのためにはお金が必要になります。

    そのために児童扶養手当など必要な国の制度は利用し、住んでいる都道府県や市区町村で遺児手当を支給しているのであれば、遺児手当の条件を満たしているか確認し、申請していくことが必要です。

  • 遺児手当は都道府県や市区町村が設けている制度で、受けられる条件や支給額も異なる場合がある
  • 遺児手当もひとり親世帯にとっては必要な手当である
  • (出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果の概要について」,2016)

    遺児手当が支給されているか確認しよう


    遺児手当は児童扶養手当と異なり、住んでいる地域ごとに実施されているため、必要とする人は役所の担当課で確認する必要があります。
    遺児手当の金額は児童扶養手当ほどの金額ではないものの、そのほかの手当と同時に受け取ることができ、生活費や養育費を支えることになるでしょう。

    まずは遺児手当について知り、子どもたちを健全に育てていくために、必要な手当を受けることは大切です。

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